
370年ほど前、江戸幕府の取り締まりに苦しんだキリスト教徒の農民たちは、島原の乱で一揆を起こしました。そんな農民たちに力を与えたのが、島原名物「具雑煮」です。農民たちは餅を蓄え、山のもの、海のものをかき集め、栄養バランスの良い具雑煮を作りました。
具雑煮が評判なのが「天下の味処 ほうじゅう」。店内に小川が流れており、水のせせらぎを聞きながら食事ができます。小川は湧き水からなり、料理には欠かせないおいしい水です。さまざまな具材に、ごぼうと鶏肉からもいいだしが出ますが、この湧水がうま味を引き立ててくれるそうです。
餅は別に焼いたものが入ります。香ばしい餅と、うまみの凝縮されたつゆ、それぞれに歯ごたえの違う具材が相性抜群です。

また、島原名産の「ガンバ」を使った寿司も味わえます。ガンバとはフグのこと。江戸時代に毒の危険を顧みず、そのおいしさから食べる人が絶えなかったことから、“棺(がん)は(を)そばに用意してでも食べたい”という意味でこう呼ばれるようになったとか。
ほうじゅうのガンバ寿司は、酢飯の間に挟まれたシソと梅干が、さっと湯通しした歯ごたえの良いフグと好相性。ガンバ炊きにてっさ、湯引きなどがセットになったコースもあり、席も広いので家族や友人とゆっくりとした時間を過ごすことができます。