
世界遺産登録勧告を受けた「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」。その構成資産のひとつに「頭ヶ島(かしらがしま)の集落」が含まれています。そんな集落の中にあるのが、全国的にも珍しい石造りの頭ヶ島天主堂です。

頭ヶ島は、新上五島町の東部に位置。面積は約1.88平方キロ、人口約16人と小さな島ですが、世界遺産登録によって、新上五島町でいま最も注目される島となっています。
天主堂は、新上五島町出身の建築士・鉄川与助による設計。約10年の歳月をかけ、大正6年(1917)に完成、2年後に祝別・献堂された教会です。石は地元の砂岩で作られており、石積みなどに地元の信者もかかわっていたと言われています。

外壁の砂岩には漢数字の書かれた跡も見られます。積み上げるときに分かりやすいように記したのではないかとも。
頭ヶ島天主堂から海辺に向かうと、キリシタン墓地。毎年5月初旬から下旬にかけてマツバギクという鮮やかなピンク色の花が一面に咲きます。その昔、信者たちの手で植えられました。今もなお丁寧に信者たちが手入れしており、往時の光景を残しています。