新感覚ミュージアム「あまわりパーク歴史文化施設」で勝連城跡の歴史を学ぼう!
うるま市|【更新日】2024年7月1日

沖縄県本島中部に位置するうるま市は、世界遺産に登録された「勝連城跡(かつれんじょうあと)」をはじめ、歴史的な遺産、古くから伝わる沖縄の文化が多く残る地域です。
そこで今回は、歴史的には逆臣として記されている「阿麻和利(あまわり)」の人物像をはじめ、勝連城跡の歴史が学べる施設「あまわりパーク歴史文化施設」へ取材に行ってきました。
目次
「あまわりパーク歴史文化施設」で勝連城跡の歴史を深掘り
繁栄と悲劇の舞台となった勝連城跡ってどんな場所?
勝連城跡を訪ねる前に行ってみよう!
うるま市にある「勝連城跡」は、12~13世紀に造られた沖縄のグスクで、中国・東南アジアをはじめ世界各国に関する出土品が多く発掘された歴史的にも重要な場所です。
そういった背景もあり勝連城跡は、2000年に琉球王国のグスク及び関連遺産群の1つとして、首里城跡などと一緒にユネスコ世界遺産に登録されました。
勝連城跡(かつれんじょうあと)のふもとに新施設誕生
ここ「あまわりパーク 歴史文化施設」では、勝連城跡10代目城主「阿麻和利(あまわり)」に関する物語をはじめ、出土された遺物、うるま市の歴史や文化に関するあらゆる品物を展示。
施設内は、勝連城跡にまつわる資料のみを展示したコーナーと、阿麻和利に関する映像を流している場所、そして企画内容によって都度内容が変わる3つのブースに分かれています。どこから回っても楽しめる内容となっていますが、今回は仲吉さん案内のもと順番に見学させてもらいました。
展示施設とライブシアターが融合した新感覚ミュージアム
登城前のワクワク感を高める歴史的資料が豊富
紀元前3世紀頃から記された琉球王国の歴史略年表
常設展示には琉球王国に関する資料も展示。紀元前3世紀頃から廃藩置県(はいはんちけん)により琉球王国から沖縄県へと変わった歴史を記す年表には、阿麻和利に関する記述も記されていましたよ。
その他にも、ユネスコの世界遺産に登録されたことを示す記述のレプリカや、グスク時代に使われていたとされる出土品の器を間近で見ることができました。
逆臣か英雄か評価が分かれる「阿麻和利(あまわり)」ってどんな人物?
「中山世譜(ちゅうざんせいふ)」と「おもろさうし」の実物が展示されていましたよ。
肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)というと、悪者というイメージを抱く人が多いと言われていますが、実は民衆から慕わていた城主という説もあります。
なぜ、こうも異なる印象を持たれているのか?今回案内して頂いた、あまわりパークの仲吉さんにお話を伺ってみました。
仲吉さんのお話によると「阿麻和利像が描かれた歴史書は2つあり、それぞれで異なる位置付けで記されているのが理由なんですよ。」と教えてくれました。
その2つの歴史書の1つが、1701年王府によって編纂(へんさん)された「中山世譜(ちゅうざんせいふ)」。そこには、王府へ刃を向け戦となった経緯とともに阿麻和利が逆臣として位置づけられた内容が書かれているそうです。
一方、17世紀まで王府によって編纂されていた琉球最古の歌謡集「おもろさうし」には、勝連の繁栄、そして阿麻和利を讃える歌が多く残っていたといいます。その結果、阿麻和利に対する情報が見直され、今では英雄として再評価されました。
こういった経緯もあり、阿麻和利に対する歴史的評価は分かれてしまったのだそうです。
実際に資料を拝見した後、仲吉さんと阿麻和利について軽く話をさせてもらいましたが、お互いに捉え方が異なったので、そこについて語り合うのも楽しい時間となりました。こういった体験が楽しめるのも、歴史文化施設の魅力のひとつですね。
CG技術を駆使!完形品を再現した体験コンテンツも必見
タブレットで気になる展示品の3D画像をチェック
出土品の一部からCGを駆使し完形品を再現した3D画像が楽しめるのも、この施設の魅力。
完形品を自分の頭で想像するのも味わい深いのですが、CG技術によって再現されたリアルな画像を、自分の手で上下左右に動かし、あらゆる方向から観察できるのも貴重な体験といえます。
ローマ帝国時代の貨幣も…!どんな経緯で辿り着いたのか想像するの時間も楽しい♪
多くの出土品が発掘されている勝連城跡ですが、その中でも珍しいのが「西洋の貨幣(かへい)」。勝連グスクに辿り着いた経緯は解明されていませんが、琉球王国時代の勝連は貿易が盛んだったという証とされています。
実はこの西洋の貨幣は非常に珍しい出土品のひとつ。そのため、これを見るために県外から訪れて来る方もいるそうです。
土日・祝日限定開催!地元の学生たちによるライブパフォーマンス
新感覚ミュージアムということもあり、毎週土曜日、日曜日(祝日)には、地元の学生たちがライブパフィーマンスを披露。
ここでは、十代目按司(あんじ)「肝高の王(きむたかのおう)あまわり誕生」を描いた物語、「勝連の鳴響みてだ(かつれんのとよみてだ)」が上演されます。目の前で繰り広げられる迫力満点の演技はまさに圧巻でした。
ステージ以外に、ライブシアターも必見。毎日4本の映像を流しており、そのうちの2本グスク語り「蘇れ!英雄 阿麻和利 新たなる伝説」と歴史概要「肝高タイムトラベル」~琉球王国の誕生と勝連の繁栄~ は、ここあまわりパーク歴史文化施設でのみ上映。
ここでしか見ることができないライブパフォーマンス、ライブシアターを観に行ってみてはいかがでしょう。
琉球王国時代に使われていた貴重な生活用品を展示
常設展示では紹介できない情報、展示品はここでチェック!
企画展示室には、勝連城跡に関する写真や資料のほか、出土品にまつわる昔話が公開されていました。沖縄の方言を交えて語られる話の中には、クスリと笑ってしまうユニークな内容も。
また、人々から慕われていた城主・阿麻和利のイメージからは想像できない、幼少期のエピソードも展示されていました。オジィオバァから聞いた話をベースとしているため、物語を楽しむような感覚で展示を見ることができましたよ。
現地発信!おすすめホテル・旅館は こちら
「うるま~る」でお土産を探そう♪
うるま市の特産品がずらり!
あまわりパーク歴史文化施設の向かいに位置する、うるま市特産品の店「うるま~る」には、うるま陶器をはじめ、様々な特産品が並んでいました。手頃な価格の商品も多かく、来館の思い出として購入するのも良さそうです。
また、少し離れた場所にある「うるマルシェ 勝連城サテライト店」では、漆喰シーサー絵付け体験や、島麦かなさん入りちんすこう作り体験など、当日飛び込みOKの体験イベントも実施。
座りながら楽しむことができるため、小休憩がてら体験教室に参加するのもおすすめです。
出入り自由!勝連城跡とセットで楽しめるセット料金がお得
あまわりパーク歴史文化施設の料金は、なんと勝連城跡への入場も含めて高校生以上は1人600円(税込)、中学生以下は400円(税込)とかなりリーズナブルな価格で施設に入ることができます。
さらに、当日チケットがあれば何度でも出入りOKというから驚きです。そのため、利用者の中には一度常設展示で歴史を学び、その後に勝連城跡、そして改めて資料を見に戻ってくる方も多いといいます。
旅先でその地の歴史に触れるのも、楽しみ方の1つ。リアルタイムで学べ、その地に触れられる「勝連城跡」と「あまわりパーク 歴史文化施設」で、より深く沖縄の歴史を学んでみてはいかがでしょうか。
あまわりパーク歴史文化施設へのアクセス・基本情報
【住所】沖縄県うるま市勝連南風原3807-2
【問い合わせ(電話番号)】098-978-2033
【営業時間】9時~18時(17時30分最終受付)
【定休日】年中無休(※施設点検など臨時休館を除く)
【駐車場】施設内に有り(普通車125台)※駐車場は、9時~18時までのご利用となります。
【駐車料金】無料
【公式サイト】https://qr.paps.jp/WuHNp