古民家カフェが並ぶ「ペリーロード」でレトロな街並み&グルメ散策
下田市|【更新日】2023年12月7日

下田に来航した黒船ペリー艦隊は、日本滞在中は自船に寝泊まりしていたそうで、交渉がある日には下船して了仙寺(りょうせんじ)まで行進していました。
了仙寺まで続く道はペリーロードと呼ばれ、今では川沿いの古民家にレストランやカフェが並ぶ散策路となっています。
今回は下田観光の定番とも言えるペリーロードをご案内します。
目次
ペリーたちの応接場「了仙寺」から出発
了仙寺の参道がペリーロードと呼ばれるように
了仙寺は交渉の舞台であり、ペリーらにとってはオフィスとも言える場所です。ペリーたちは船から下船し、一団となって行進しながら了仙寺まで通っていたそうです。
了仙寺の参道を通ったため、参道がいつしか「ペリーロード」と呼ばれるようになりました。
今回はここから海までの道を辿っていきます。
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少し寂れた通りを抜ける
お寺を出てすぐのところには、元店舗だった空き家が何軒か続きます。凝った作りのバーなどもありましたが、今は閉店してしまっているようです。
下田駅からペリーロードまでは距離1キロ、徒歩15分程度なので電車旅の方も気軽に立ち寄れるスポットですよ。
川にかかる5つの小さな橋
小径を抜けた先には小さな橋、年代物の欄干がかかっています。刻印を見ると明治39年建立でした。
ペリーロードには橋が5つかかっているのですが、そのどれもが違うデザインで街歩きの楽しみの1つになっています。
右の小川は平滑川(ひらなめがわ)で、約500メートルをペリーロードに沿って海まで流れていきます。
歴史と調和する石積みの護岸
平滑川の護岸は自然石の石積みでできています。護岸はコンクリートではなく石積みでと地元の方々が要望したそうです。
おかげで歴史的な街並みに調和する美しい川が守られています。ちなみに護岸はカニの絶好の棲家で覗き込むと可愛らしい姿が見られますよ。
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ペリーロードは古民家カフェストリート
伊豆独特の漆喰・なまこ壁
ペリーロードには古民家を利用したカフェが多いのですが、壁面が特徴的です。これは「なまこ壁」と呼ばれる伝統的な工法で、漆喰を盛り上げて格子状に塗っています。
立派ななまこ壁の建物に入っているのは「SOULBAR TOSAYA」、インスタ映えが自慢のお店です。夜になったら立ち寄ってみたいですね。
パスタが評判!極小レストラン
こちらは築150年の洋館を店舗に改装したお店「パスタと雑貨 ページワン」です。
1階が雑貨、2階がレストランになっています。席数は3席と狭いですが、パスタが絶品と評判のお店です。
人気な上に席数も少ないので、行くなら予約したほうがいいでしょう。
古き良き喫茶メニューが堪能できるレトロカフェ
こちらも名店、50年以上続くレトロ喫茶「PEPE」です。入り口に被さるように伸びるのはブーゲンビリアの木、暖かくなると真っ赤な花を壁一面に咲かせるそうです。
店内ではコーヒーや紅茶、ピラフにカレーライスと古き良き喫茶メニューが楽しめます。
本格イタリアン・フラムジャック
こちらは下流側にあるイタリアンレストラン「フラムジャック」。パスタとピザが自慢の本格イタリアンです。
ペリーロード沿いには狭いお店が多いのですが、こちらの店内は広い作りになっており、ファミリーやグループでの旅行にいいでしょう。
ペリーロードの隠れた名所・旧澤村邸
大正4年建造の日本家屋を一般公開
海に向かって歩くと平滑川が左に大きく曲がる箇所に出会います。その角に建っているのがペリーロードの隠れ名所、旧澤村邸です。
旧下田町長を務めた澤村久右衛門氏が大正4年に建築した邸宅で、のちに下田市に寄贈され一般公開(入場無料)されています。海に出る前にちょっと寄り道です。
下田のなまこ壁は質実剛健
分厚いなまこ壁が印象的な旧澤村邸の入り口。下田では津波の被害があったので、建物の強度を高めるために漆喰を厚く盛ったそうです。
一方、西伊豆にはなまこ壁アーティストがいたそうで、よりハイセンスな作りになっているとのこと。見比べてみるのも楽しいですね。
案内人が職人の仕事を語ってくれる
室内は大正時代の作りをそのまま保存していて、当時の木造建築技術の高さを確かめることができます。
船大工が棟梁を務めていたそうで、船に使う13メートルの竜骨を家の梁に使っています。中には案内人がいて、こうした詳しい話を聞かせてくれますよ。
平滑川が一望の旧玄関口はギャラリーに
邸内の旧玄関口から見た景色です。平滑川が一直線に伸びていくのが見えますね。川の突き当たりが玄関とは、運気が集まりそうな家です。
また奥にある蔵はギャラリーになっていて、地元のアーティストの展示などが行われています。
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いよいよ海へ!ペリーロードのゴール
“トドのつまり”は何の魚?
平滑川も河口付近になると汽水になって海の魚も混じり、少し見えづらいですがトドの群れが泳いでいます。
ところでトドが何の魚か知っていますか?実はボラなんです。ボラは成長して最後はトドになる出世魚で「トドのつまり〜」の語源なんですよ。
「あほや」の名物、甘夏ジュースと下田焼
先ほどの川を反対側から見たところにあり「かき小屋」の看板を掲げる「AHOYA」。
イカと海苔が入った名物下田焼や、たこ焼きなどの軽食とドリンク、アルコールを販売しています。
食べるならイカと海苔の入った下田焼、ドリンクは自家農園で取れた甘夏ジュースやサワーがおすすめです。
静かな海が広がるペリー上陸の地
いよいよ海へ出てきました。下田の表側とは違いヨットが並ぶ静かな海です。
波は穏やかで黒船のような大きな船を着けるには都合が良かったのでしょう。今では黒船の代わりにたくさんのヨットが停泊しています。
いよいよゴール!ペリー上陸の碑
海ぎわの小さな広場にペリーの胸像が立っています。ここが今回の旅のゴールにしてペリーロードの出発点です。
この桟橋に小舟をつけてペリーたちは歩いて行ったんでしょうね。ちなみに写真右の山は下田公園で、海を見下ろすビュースポットがいくつかありますよ。
下田でぜひ訪れたい歴史の小径「ペリーロード」
日本の開国の歴史をそのまま辿れるのがペリーロードです。当時の面影を残す街並みに、当時の人たちとペリーたちの関係がどんなものだったのか想像が膨らみます。
古民家カフェ巡りと合わせて幕末へタイムトラベルしてみてはいかがでしょうか。
ペリーロードへのアクセス
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【住所】静岡県下田市3丁目3-13-12
【公式サイト】https://www.city.shimoda.shizuoka.jp/category/100100midokoro/110766.html
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。