旬のもの マダイ 玄海で周年を通して漁獲することができるマダイ。日本周辺にはタイ科の魚は13種ほど生息しているが、中でもマダイはその形や色、味等から魚の王様として君臨している。4月~5月頃、産卵のため沖合から沿岸に近寄るが、この頃のマダイはもっとも脂がのり、色が鮮やかでサクラダイやノボリダイと呼ばれる。魚の王様らしく刺身、塩焼き、煮付けなど、どのような調理法でもおいしく食べることができる。 ニンニクの芽 ニンニクの芽と呼ばれているが、実際には花を付けるために伸ばす「花茎」との部分をさす。現在店頭に並んでいるもののほとんどは中国産であり、通年で手にすることができるが、国産のものはニンニクの実の栽培時期に合わせて収穫することになるため5月初旬頃から中旬頃に採ることができる。主に炒め物の食材として使用されるが、薄く斜め切りにした物でかき揚げにしたり、花の蕾部分は天ぷらにするとおいしい。 エツ エツ類は朝鮮半島から中国大陸沿岸に広く分布しているが(マエツ、チョウセンエツ) 、有明海のエツはこれらのいずれにも属さない固有の種とされている。有明海湾奥一帯に生息し、5月~8月には産卵のため主に筑後川、六角川等の上流に遡上する。エツ漁の季節には、屋形船でとれたてのエツ料理を肴(さかな)に杯を傾ける風景が初夏の川辺の風物詩となる。小骨が多いので、骨切りにして刺身、酢ぬた、唐揚等で食べるとおいしい。