【2025年版】「沖縄全島エイサーまつり」の楽しみ方!見どころや巡り方をご紹介
沖縄県|【更新日】2025年8月25日

「沖縄全島エイサーまつり」は旧盆明けの最初の週末に、沖縄本島の中部にあるエイサーのまち・沖縄市で繰り広げられる青年エイサーの祭典。全地域から選抜された団体のみが出演できるとあって、県内各地の青年会の憧れの的になっています。
3日間にわたって行われる「沖縄全島エイサーまつり」は、初日(金曜日)が「道じゅねー」、中日(土曜日)が「沖縄市青年まつり」、最終日(日曜日)が「沖縄全島エイサーまつり」となっていて、それぞれに見どころが満載。毎年約30万人が訪れるという人気イベントの魅力と楽しみ方を紹介します。
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目次
そもそもエイサーって何?
エイサーとは、沖縄で旧盆の時期に各集落の通りを練り歩きながら踊られる伝統芸能。先祖の魂を供養するための踊りという点では、本土の盆踊りの一種ともいえます。もともとは、旧盆の最終日に先祖をあの世に送り出す意味で行われていましたが、最近では旧盆の期間中(旧暦7月13、14、15日)は毎日行われる場合もあります。今から400年以上前、浄土宗が琉球に伝来した頃に広まった念仏踊りを起源とし、時代とともに沖縄独自のスタイルへと進化を遂げていきました。
地域の集落単位で団体(青年会)を結成し、数十人から多いところでは100人以上が属しています。団内では旗頭(はたがしら。地域の名を記した高さ3、4メートルのほどの旗を掲げる人のこと)、太鼓打ち、手踊り(手の動きを活かした踊りのこと)、地謡(ジウテー。三線を引き、唄を歌う人のこと)、京太郎(チョンダラー。念仏踊りの流れを汲んだ道化役を演じる人のこと)などの役割があります。
旧盆時期に、各集落で行われる伝統的なエイサーの他に、現代ではパフォーマンスとして、県内外のイベントや結婚式などでエイサーが披露される機会も増えてきています。こうしたエイサーは創作エイサーと呼ばれ、独自の音楽や振り付けを持ち、地域を越えて活動している団体がいくつもあります。
エイサーの祭典「沖縄全島エイサーまつり」とは?
旧盆の時期にしかお目にかかることができなかった県内各地域のエイサーを一堂に集めたのが、昭和31年(1956)、コザ市(現・沖縄市)誕生記念の年に行われた「全島エイサーコンクール」。現在は、当時のようにナンバーワンを決めていませんが、沖縄本島の北部・中部・南部の各地域から選び抜かれた団体のみが、「沖縄全島エイサーまつり」に出場することができます。
「エイサーの夏の甲子園」ともいえ、レベルの高い演舞を一度に堪能できるのが全島エイサーまつりの魅力。地域によって太鼓の種類や踊りのスタイルが違うので、さまざまな団体のエイサーを見比べてみるのも面白いですよ。
沖縄全島エイサーまつりの上手な巡り方・見どころを紹介
初日「道じゅねー」気迫あふれる舞を間近で鑑賞
まず初日の「道じゅねー」(みちじゅねー。練り歩くという意味)。沖縄市・胡屋(ごや)十字路付近の道路を、2時間かけてエイサー団が練り歩きます。多数の観客で混み合いますが、道端で待っていればパレードのように目の前で演舞が見られるので迫力満点。
中日「沖縄市青年まつり」エイサーのメッカ・沖縄市の青年会が出演
続いて中日の「沖縄市青年まつり」。こちらは15時~21時の間、沖縄市コザ運動公園陸上競技場で行われる固定会場型のイベント。初日、中日共に、エイサーのメッカ・沖縄市の青年会が多数出演するので、本場の熱を感じてみたいという人におすすめです。
最終日「全島エイサーまつり」幅の広い演舞が集結
最終日の「全島エイサーまつり」。県内北部・中部・南部から選抜された団体のエイサー演舞や、創作エイサーが見られます(14時30分~21時)。2日目と同様、コザ運動公園陸上競技場で開かれます。全国から駆けつけるエイサーファンのために、数年前から中日と最終日はスタンドに有料席(約3000席)が設けられるようになりましたが、前売りでほぼ完売するほどの人気ぶりです。
一度鑑賞すれば、3日間めいっぱい滞在したくなるほどの魅力を持つ沖縄全島エイサーまつり。沖縄市内のホテルに滞在すれば、まつりの前後にエイサー関連のお店を巡ったり、音楽の町としても知られるコザの飲食店、ライブハウスで飲み歩いたりもでき、よりじっくり楽しめますよ。
各地域のエイサーやスタイルの違いを楽しむための豆知識
エイサーにはさまざまなスタイルがあり、例えば楽器の種類もそのひとつ。各団体のスタイルを特徴づける楽器や踊りの種類を達人が紹介します。
締太鼓(シメデークー)|最も華やかなエイサー太鼓
締太鼓は鼓のような形状をした、直径30センチほどの太鼓。沖縄全島エイサーまつりの開催地・沖縄市の各青年会がよく使うことで知られています。沖縄市の青年会によるエイサー演舞の基本的な隊列では、旗頭(はたがしら。青年会の名を記した旗を掲げる旗手のこと)、大太鼓(ウフデークー。直径50センチほどの大きな太鼓のこと)の次に位置します。
パーランクー|厳かであり優雅な小型の太鼓
パーランクーは、片面だけに皮を張った直径20センチほどの小型の太鼓です。パーランクーを使ったエイサーは沖縄本島中部のうるま市に多く、勝連半島の平敷屋(へしきや)、屋慶名(やげな)、平安名(へんな)、与那城(よなしろ)、具志川の赤道(あかみち)、浜比嘉島(はまひがじま)の比嘉エイサーなど、それぞれに特徴のある伝統演舞となっています。なかでも平敷屋エイサーや屋慶名エイサーがその代表格です。
また、パーランクーを用いたエイサーは南部にも見られます。うるま市の青年会が伝授したという糸満市の喜屋武(きゃん)や大里、南風原町津嘉山(はえばるちょうつかざん)などは屋慶名エイサーの流れを受け継いでいます。これらは沖縄全島エイサーまつりの最終日に鑑賞できることが多いです。
手踊り|エイサーの基本であり、原点
沖縄本島北部の本部町(もとぶちょう)の青年会をはじめ、名護市の世冨慶(よふけ)や城(ぐすく)では、太鼓を使わず、手踊りを主体としたエイサーが披露されます。手踊りは太鼓のない時代から受け継がれるエイサーの原点です。
沖縄本島中南部のエイサーで手踊りはエイサーの基本とされており、エイサー初心者は、まず手踊りを習うことが多く、中南部で手踊りの中心となるのは女性で、エイサー団の隊列では最後尾を務めます。その舞はイナグモーイ(女手踊り)と呼ばれ、手首や指先がやわらかくしなやかな舞う様子が美しく、一方で、空手の型を取り入れた手踊りで、男性が力強く舞う青年会もあります。
沖縄全島エイサーまつり番外編
沖縄全島エイサーまつりの中日と最終日、エイサー演舞終了後には観客も一体となるカチャーシー(歓喜の舞い)タイムがあります。興奮そのままに夜空を彩るレーザーショーが始まり、フィナーレでは花火が打ち上がります。
また、沖縄全島エイサーまつりの1カ月ほど前になると、プレイベントとして「エイサーナイト」が毎週末開催されます。メイン会場は主に「コザ・ミュージックタウン」の広場ですが、なかには小・中学校のグランドを使った1000人規模のエイサーイベントまであります。各青年会は順番にエイサー演舞を行い、まつり本番に向けてコザの街を大いに盛り立てます。
沖縄全島エイサーまつりのアクセス・基本情報
会場付近に臨時駐車場が用意されるものの、早々に満車となります。少し離れた指定駐車場から無料送迎バスを利用するか、公共交通機関の利用がおすすめ。また、沖縄市内のホテルに滞在する場合は、ホテルによる送迎有無や会場への行き方をたずねるといいですよ。
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【開催日時・会場】
初日:道じゅねー/2025年9月12日19時~21時30分
胡屋十字路周辺
バス/胡屋(ごや)下車。徒歩すぐ
車/沖縄道沖縄南ICから約2分
お得なたびらいレンタカー情報はこちら中日:沖縄市青年まつり/2025年9月13日15時~21時
最終日:沖縄全島エイサーまつり/2025年9月14日14時30分~21時
コザ運動公園陸上競技場
バス/園田(そんだ)下車。徒歩約10分
車/沖縄道沖縄南ICから約1分【公式サイト】https://www.zentoeisa.com/