知床の玄関口
根室中標津空港からスタート!
街の移動はレンタカー利用が一番
根室中標津空港へは東京羽田空港から、または新千歳空港経由で向かうことができます。道東を巡るにあたってのおすすめは、レンタカーの利用。雄大な北海道は車での移動が効率的なんです!
最初に訪れたいのが空港から車で約10分の「ラ・レトリなかしべつ」。地元の新鮮な生乳で作ったチーズや乳製品が手に入るほか、店内ではイタリアンデザートなどが楽しめます。今回はミルクジェラートをチョイス。ほんのり甘さと脂肪分が感じられる味わいで最初のミルク体験にぴったり。
つい欲張ってもうひとつ、ヨーグルトソフトも。こちらとミルクソフトは、4月下旬~10月中旬の期間限定とのこと。ジェラートとソフト、同行者とそれぞれ違うものをオーダーして楽しむのが良さそう。
この旅の1軒目の宿は、かわいいネーミングで迷わず決めた「ushiyado」。地元の竹下牧場が運営するゲストハウスで、2018年6月にオープン。酪農家のご家族がきりもりしている、心温まる施設です。
部屋は男女混合と女性専用のドミトリー、個室の3タイプ。「ホルスタイン」など牛の種類が部屋の名前になっているのも、なんだかかわいい。ドミトリーはコンパクトですが、天井部分が吹き抜けになっていて圧迫感を感じない造りです。
「ushiyado」には滞在者同士の交流ができるラウンジをはじめ、自由に利用できるキッチンやダイニングスペースなどがあります。また、牧場が運営していることもあり、“牛”にまつわるアクティビティやワークショップなどのイベントが行われることも。旅先の北海道で、こういった体験性があるのは道外旅行者にとってもうれしい。
夜は地元で人気のジンギスカンで
パワーをつける
ステイする中標津町の中心には、居酒屋や海鮮など様々な飲食店がありますが、今回の旅のテーマは「酪農」。せっかくなら北海道グルメも楽しみたいと、夕食は地元の人に教えてもらった「知床ジンギスカンの店 そら-sora-」へ。
ひゃぁ~、おいしそう...。ここのジンギスカンは鉄なべと網焼きがあり、肉の種類によって七輪を使い分けるのが特徴なのだそう。鉄なべでは肉厚な味付き肩ロースをいただきます。せっかくなら地元のものをと、行者ニンニクの葉をプラス。これまた旨い!
こちらは網焼きで味わう、店自慢の知床塩ジンギスカン。知床の塩を使った特製ダレで味付けしている一品で、こちらもまたおいしい。よくイメージを持たれるクセはまったくないです。中標津産のしいたけも食べ応えある肉厚感。しっかり食べて、明日も楽しむぞ!
【2日目】
牧場で実際に酪農体験をしてみよう
翌日は、中標津町から車を走らせること約1時間。根室市へ。「明郷
伊藤☆牧場」で牛の乳しぼりを体験します。人も牛も互いに馴れるため、まずはスタッフさんと一緒にエサやりから始めます。
体験はおおよそ40分。乳しぼりは、スタッフさんが説明しながら最初にデモンストレーション。あっ、あったか~い...。普段何気なく味わっている牛乳のありがたみをここで感じます。この後、自身でもトライするのですが、スタッフさんがコツを教えてくれるので、簡単にできました。牛さん、ありがとう。
続いてバター作りを体験。しぼりたての生乳は消毒などの過程があるため、ここでは製品になった牛乳と生クリームを使います。シャカシャカとペットボトルを振るのですが、これがまたキツい。でも、スタッフさんが途中で楽しいお話しをしてくれるので気付いたら完成! 最後は味見をして終了です。
牧場の敷地内には、家畜動物園も。ヤギやブタ、ウサギが長閑に過ごしています。どの動物もおとなしく、有料でエサやり体験もできますよ。
お土産も忘れずにチェック! ここでは浜中から別海の近隣酪農家が手作りしたチーズなどの乳製品が販売されています。また、別の棟では雑貨や伊藤牧場オリジナルのキーホールダーなども販売しています。
もう1軒、今度は工場へ行ってみよう
続いてお邪魔したのは明郷から車で約25分、別海町にある「べつかい乳業興社」。こちらは、日本一の生乳生産量を誇る別海町で、牛乳やチーズなど各種乳製品を製造する会社。現在工場見学は一部の予約制とのことで、今回はお土産を買っていくことにします。
三角パックの牛乳、なつかしい! 道民にはお馴染みの「べつかいの牛乳屋さん」シリーズ。札幌市内などでも一部販売されていることもあるようなのですが、やっぱり本場で味わうのがひと際おいしい!
カチョカヴァロやゴーダチーズなどの乳製品がたくさんあるほか、かわいいパッケージのアイスも。さすがにアイスは持って帰れませんが、店頭では配送手配も可能です。
今宵は温泉で疲れを癒やす
体験&ドライブで1日じっくり満喫した2日目は、温泉宿をチョイス。中標津町養老牛にある「湯宿だいいち」は、野鳥が訪れる森に囲まれ、近くに川が流れる大自然に恵まれた宿。部屋の窓の外には手つかずの森が広がり、じっと眺めているだけでも、心身共に安息を覚えます。
お楽しみの温泉は、加水加温を一切しない天然温泉100%。渓流のせせらぎが聞こえる岩造りの露天風呂をはじめ、ヒバの木を全面に使用した内湯、丸太をくり抜いた浴槽や寝湯などもあります。貸し切り風呂や女性専用の岩盤浴もあるので、1日の疲れをしっかりと癒やせます。
「湯宿だいいち」は、部屋も温泉も手の込んだ造り。大浴場にはたくさんの浴槽を備えているほか、宿泊者専用のロビーやリクライニングチェアがある休憩ラウンジ、絵画を飾ったギャラリーなどゆっくりじっくりと過ごせる工夫が各所に。北海道の旬や地元の恵みを使った夕食会席、約60種類のメニューが並ぶ朝食も宿泊者に好評です。
【3日目】
森のレストランでフライト前のランチ
根室中標津空港発の便は午後出発が多いため、もう1軒、酪農にまつわる店を訪れるのもあり。「佐伯農場
レストラン牧舎」は、空港と約20分の距離。農家レストランの始まりとも言われる店で、なんと1987年開業。現在の店舗は2011年に新装したものです。
ここの名物は開業当初から変わらぬ味「牧舎カレー」。今回はチーズも楽しみたいと、このカレーの幼馴染の牛乳豆腐のカツが入った「カッテージチーズカレー」をオーダー。サクサクのチーズフライはもちろん、牛すね肉が煮込まれたカレーが、味わい深いおいしさ。
店内はログハウス調のかわいいデザイン。パンやスコーンが販売されているほか、店のすぐ近くにはギャラリーなどもあります。あっという間の道東2泊3日、この後、空港でのお土産選びでこの旅が終了します。