小さな可愛いが大集合!壮観な稲取・雛のつるし飾りまつりの見どころを紹介
東伊豆町|【更新日】2023年4月9日

お雛様といえば上からお内裏様、官女、五人囃子と段飾りになっているのが一般的ですが、稲取では吊るし雛と言って人形を天井から吊るす風習があります。
その雛の吊るし飾りを一堂に集めて展示しているのが、雛のつるし飾りまつり。毎年1月中旬から3月末にかけて行われ、多くの人が訪れる稲取の人気イベントです。
今回は稲取でしか見られない、たくさんのカワイイが降ってくる雛祭りをお伝えします。
目次
稲取でしか見られない吊るし雛
子を想う母の心が生んだ手縫いの雛
ひとつの吊るし雛に110個の飾りが下がっています。外側は着物の端切れ、中には綿が詰まっていて全て手縫いなんだそうです。
雛のひとつひとつから稲取の母の想いが伝わってきます。
うさぎに桃、ほおづきとかわいらしい雛が舞う
吊るし雛の種類は伝統的な柄で28種類。桃や羽子板、ほおづきなど女の子を連想させる柄のほか、ハトや枕、鶴など縁起が良いものばかり。
金目鯛なんていう稲取ならではのおめでたい雛もあります。
ちなみに吊るし飾り自体が珍しい風習で、他に九州柳川の「さげもん」、山形県坂田の「傘福」しかありません。
吊るし仲間ということで、入り口付近には「さげもん」、「傘福」の見本展示があります。
幸せが降ってくる圧巻の吊るし雛
小さなカワイイが大集合
雛のひとつひとつは小さいですが、吊るし雛としてまとまると迫力があり、下から見上げるとたくさんの雛が降ってくるようで人形のシャワーを浴びている気分になります。
近くで見てみれば、手縫いの温かみ、布地の模様、とぼけた表情などこれまた違ったカワイイに出会えます。
会場はやはり女性の姿が多く見られ、遠くで近くで念入りに観賞する姿が多くみられました。
目を引くモダンスタイルの吊るし飾り
伝統的な柄のほか、吊るし飾りの進化系も展示されています。こちらの写真はスワロフスキーの雛のデコ吊るし飾りです。
100時間の制作時間をかけて、4万個のスワロフスキーエレメントを全て手作業で作ったそうです。輝きが見事ですね。
珍しい「鯛の鯛」の飾り雛
この半透明の雛はなんと鯛の骨なんです。鯛には骨が鯛の形にそっくりな「鯛の鯛」と呼ばれる骨があって、その骨を使った珍しい飾り雛です。
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母が雛人形に込めた思いとは
28種類の吊るし雛にはそれぞれ願いが込められています。
ハトはむせないという言い伝えから赤ちゃんがお乳をむせないように、ほおづきは婦人病の薬効と安産を、唐辛子は虫がこない=変な男が寄り付かない、などそれぞれに意味が込められています。
ちなみに写真の俵ねずみは金運の象徴です。
無料の足湯コーナーでひと休み
展示会場を出て、広場の一角にはなんと足湯コーナーがありました。さすが温泉どころの稲取です。
中には漫画も置いてあって、ゆっくりしていってね、という稲取のウェルカム感が伝わってきます。
目の前の広場では吊るし飾りを見に来た子どもたちがはしゃいでいて、心も体もほっこりしました。
稲取の母の愛を感じるほっこり祭
吊るし雛の始まりは、立派な雛壇を揃えることができなかった稲取の母親たちが、子のために始めたものです。
そうした母たちの思いが吊るし雛には込められていて、写真では伝えきれない温かみがあります。
立派で高貴なだけがひな祭りではなく、子を思う親の気持ちが原点だということに気付かされるお祭りです。
稲取文化公園 雛の館へのアクセス
- 【営業時間】
9:00~17:00
【住所】静岡県賀茂郡東伊豆町稲取1729
【入館料】500円(小学生以下無料)
【駐車場】無料
※雛の吊るし飾り祭期間中とそれ以外では定休日、営業時間が異なります。
※掲載時の情報です。最新の情報は公式ホームページにてご確認ください。