「さかくら総本家」は横須賀土産にぴったり!地域に根付く老舗和菓子店
横須賀市|【更新日】2023年4月9日

戦時中の甘味はとても貴重なもの。そんな貴重な甘味のひとつである羊羹を、旧日本軍に納品していた和菓子店が横須賀にあります。
その名も「さかくら総本家」。横須賀の中で1位2位を争う和菓子の老舗です。
今回は横須賀の伝統を大切にしつつ、新しいことにもチャレンジし続ける和菓子店、さかくら総本家をご紹介します。
目次
創業130年越え!横須賀を代表する和菓子店
広々とした店内には自慢の和菓子がズラリ
今回はさかくら総本家久里浜店にお邪魔しました。最中や羊羹など、バラエティ豊かな和菓子が一同に介す店内は、広々としていて買い物もしやすそう。
箱入りの和菓子だけでなく、自分用にも買いやすいバラ売りの和菓子も多く揃います。
なんとさかくら総本家の主要な和菓子は全て、社長自ら作っているそうです。社長であり、製造も担当。
1人何役もこなす社長の姿に驚きを隠せません。
賞味期限は1年!海軍羊羹は脅威の日持ち
さかくら総本家イチオシの商品は、海軍羊羹です。賞味期限は約1年。驚異の日持ちです。
かつて、旧帝国海軍陸軍の御用商人をしていたさかくら総本家。戦時中は同商品を海軍に納品していました。
当時の味をそのまま再現したのがこの海軍羊羹。驚異の日持ちの理由は寒天、砂糖、小豆のみを使用した完全無添加ゆえ。
余計なものを入れず、減菌処理後すぐに密封するため、実際には約5年ほどは日持ちするともいわれています。
さかくら総本家おすすめの和菓子は?
3種のあんこはお好みで。「角なしさざゑ」は大人気
さかくら総本家おすすめの和菓子1つ目は、「角なしさざゑ」です。こし餡、つぶ餡、柚子餡の3種類あり、神奈川県の指定銘菓にも選ばれています。
可愛らしいさざえの形の中に餡がぎっしり。1個でも満足感のある最中です。
柚子餡には細かく刻まれた柚子が入っており、食感のアクセントになっています。
噛むたびに柚子の香りが口いっぱいに広がり、まさに「口福」。爽やかな甘さがくせになる一品です。
ずっしり重量級!ちょっと硬めの「海軍羊羹」
さかくら総本家おすすめの和菓子2つ目は、「海軍羊羹」です。
見た目は小さめの箱ですが、持ってみてびっくり、ずっしりとした重みを感じる、重量級の羊羹です。
羊羹は少し硬め。上品な甘さがクセになります。ぎっしりと小豆が詰まっているので、薄く切っても満足感は十分。
甘味が貴重だった時代、海軍の人たちにとってこの羊羹は、つかの間の安らぎを与えてくれる存在だったのかもしれません。
「どら焼き」はバタークリーム入りで濃厚な味わい
さかくら総本家おすすめの和菓子3つ目は、「どら焼き」です。今回はバタークリームと、若者に人気のコーヒークリーム味を頂きました。
あんことまろやかなバタークリームが絶妙にマッチ。濃厚ですがくどくありません。
今回の発見は、あんことコーヒーが意外にも合うということ。
ほろ苦いコーヒーがあんこの甘さを引き立てる素晴らしいコンビネーションです。
鼻に抜けるコーヒーの香りは午後のリラックスタイムにぴったりです。
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横須賀らしさあふれる新商品も続々登場!
「姫様のたまご」シリーズは地元ブランド卵を使用
横須賀にある岩沢ポートリーのブランド卵「姫様のたまご」を使用した新商品もいただきました。
横須賀らしい和菓子を作りたいという、社長の思いが溢れる商品です。今回は「ひめたま」と「姫様からの贈物」をいただきます。
ひめたまは一口サイズが可愛い小さなお菓子。口に入れるとスッと溶けるような白あんが病みつきになります。
姫様からの贈り物は、濃い黄色の生地が特徴。通常のどら焼きに比べ、より濃厚な味わいが楽しめます。
胡桃の食感がアクセント!「横須賀赤レンガ」
横須賀にある赤レンガの名所、浦賀ドックと猿島のトンネルをイメージして作られた「横須賀赤レンガ」。
胡桃が入ったお餅にきなこがまぶされており、まさにレンガのような見た目です。
黒糖の素朴な甘さと、カリッとした胡桃の食感が楽しめます。少し大きめのお餅で、1個でも満足感があります。
胡桃ときなこの香ばしい香りと黒糖の甘さが、やみつきになる一品です。
季節の和菓子も充実のラインナップ
月替わりの上生菓子はお土産にも
お茶席で出される上生菓子は常時6種類を用意。毎月ラインナップが変わるこだわりっぷりです。
上生菓子を作るには繊細で高度な技術が必要。横須賀でも作れる職人が少なく、貴重な和菓子といえます。
季節のお花を模しており見た目も美しい上生菓子は、海外の方にも大人気。お土産で買われる方が多いようです。
上品な甘さとなめらかな口当たりを、濃いめのお抹茶と一緒にゆっくり味わいたい一品です。
四季折々の和菓子は早々に売り切れ
さくら餅、かしわ餅など、さかくら総本家では季節ごとの和菓子も用意しています。
この時期はいちご大福でしたが、お昼過ぎには売り切れてしまったとのこと。
季節の和菓子は人気が高く、毎回早い時間に売り切れてしまうそうです。食べたいときは、早めにお店に足を運んでみてくださいね。
手間暇かけて作られた「安針の瞳」は買えたらラッキー!
(提供写真)
透き通るようなライトブルーが印象的な琥珀糖、「按針(あんじん)の瞳」。
オランダから日本に漂着した航海士、三浦按針(ウィリアム・アダムス)が愛した横須賀の海をイメージして作られました。
市の職員の方のアイデアを商品化した同商品。和菓子の中でも一際手間暇のかかる按針の瞳は量産できず、なかなか買えないレア商品です。
海に漂着したボトルメールのような瓶に、キラキラの琥珀糖がたっぷり。一度は食べてみたいですね。
「ストーリーのある和菓子」で横須賀の舵を取る
「和菓子屋だからどら焼きを売る、ではありません。なぜ販売するのか、背景にストーリーがあり、横須賀に根付いた和菓子を作りたい」。
社長の坂倉さんはそう語ります。
海軍の御用商人だったさかくら総本家。海軍羊羹を軍に納品していた背景から、今なお同店の看板商品として販売しています。
このように歴史やストーリー性のある和菓子を作りたい。強い信念を持つさかくら総本家は、横須賀の街を盛り上げる舵をとる存在になるでしょう。
横須賀愛を感じる和菓子店、さかくら総本家に行ってみよう
横須賀らしい和菓子が揃う老舗和菓子店、さかくら総本家をご紹介しました。横須賀の歴史を感じる和菓子は、お土産にぴったりです。
老舗和菓子店ながらも新しいことにも積極的に取り組む同店。横須賀中央店では、横須賀を舞台にしたアニメとコラボした商品も販売しています。
既存の常連客も、新しい若い顧客も大切にするさかくら総本家。横須賀の手土産に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
さかくら総本家のアクセス
- 【住所】
神奈川県横須賀市根岸町3-3-5
【駐車場】なし
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。