うなぎ激戦区の三島。美味しさの理由と、地元民が通うおすすめの名店
三島市|【更新日】2023年3月29日

静岡のうなぎ処として屈指の人気を誇る三島。今回は三島のうなぎの特徴や地元の人にも人気のお店をご紹介します。
目次
さすがは三島のうなぎ。有名店が集まる街
名店が集まるからこそ、個性広がるうなぎのかば焼き
うなぎといえば串を打ち、濃厚なタレをつけて焼く「かば焼き」を想像しますが、同じかば焼きでも味の違いは様々。
店独自のタレがあるうえ、甘さや濃さの違いから焼き加減まで、名店が集まる場所ではそれぞれ異なる美味しさに出会えます。
また、うなぎ自体の味の良さが分かる、タレを付けずに素焼きする「白焼き」を出しているお店もたくさん。
しっかり味わいたい人へ三島のうなぎはおすすめです。
うなぎの美味しさに秘訣あり!水が育てる三島の味
三島はうなぎの産地ではないのですが、美味しいうなぎ屋が多いことで有名になったのには理由があります。
水の都・三島ならではの、豊富な富士山からの伏流水。
地下水からくみ上げた水で、浜名湖などからやってきた活きたうなぎを2~3日ほど浸します。
こうすると、うなぎの身がキュッと引き締まり、泥臭さや生臭さが抜けていくのだそうです。
三島うなぎの言い伝え
かつてはたくさんのうなぎが川辺にいたものの、三島でうなぎが食べられるようになったのは明治時代以降から。
江戸時代の頃まで、うなぎは三嶋大社の神池にも多く生息しており、水の信仰がある三島では「水神様のお使い」として食べると神罰が当たるという言い伝えまでありました。
しかし言い伝えを知らない旅人が、うなぎを捕まえて食べてしまっていたそう。
その旅人達へ神罰が下らなかったことから、三島の人も食べ始めたといわれています。
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数ある名店から地元民としておすすめする、うなぎ屋
三嶋大社の大鳥居目の前に位置する「すみの坊」
三島ではうなぎの名店が多くありますが、その中から地元の人からも親しまれる「すみの坊」をご紹介します。すぐ目の前が三嶋大社の「すみの坊 三嶋大社前店」。
駅からは少し離れていますが、街歩きにはもってこいの観光にも適した場所にあります。
取材した日は平日でしたが、お昼少し前にはお客さんで満席に。
うなぎが売り切れると終了してしまうので、早めに向かうのが良さそうです。
うなぎが1尾入ったうな重(並)を注文
メニューではうな重とかば焼き定食がありますが、どのように違うのでしょう。
かば焼きがご飯の上に乗って重箱に入っているうな重。対してかば焼き定食は、うなぎが別の器に入っているようです。
お店の人に聞いてみると、うなぎ自体は焼き方も等しく同じ味なので、お好みで選んで欲しいとのこと。
こちらのお店では、少し前まで重箱ではなくどんぶりでうなぎ丼を提供していたそうです。
こちらもうなぎ自体は変わらず、どんぶりの方がご飯が少し多いといった、容器の大きさによる違いのみということでした。
秘伝のタレが染み込む、うなぎの蒲焼に舌鼓
長らく美味しいかば焼きを追及していると言うすみの坊。秘伝のタレがしっかり染みていて、うなぎの身がふっくら香ばしい!
スーパーなどで買ううなぎは、甘辛いタレとうなぎの脂身でもったり感じるものもありますが、ここではそのようなことがありません。
身のしまった三島のうなぎは熟練の職人に焼かれ、ベタっとせずふっくら食感のかば焼きに仕上がります。
次は白焼きでもいただきたくなる美味しさ。三島のうなぎ屋が有名になるのに納得です。
うなぎを引き立てる薬味とお吸い物
テーブルセットには竹さじが付いている山椒が。最初はそのままいただいて、次に山椒をお好みで。
他にもお店秘伝のタレが用意されていて、もう少しタレを濃くしたい人には嬉しいセットです。
お吸い物はうなぎ屋定番の肝吸い。プリッとした身を美味しくいただけます。うな重に付いてくる香の物は上品な味の奈良漬けで、うなぎとの相性がバッチリ!大満足のうな重でした。
この形状はもしや!?小腹に嬉しい一品
発想が面白い、すみの坊の店頭で売られている「うなぎたい焼き」。形状はたい焼きそのものですが…外側がなんとお米!
お米に包まれてかば焼きが入っていて、普通のおにぎりより少し大きく食べ応えがある一品です。
小さい山椒のパックが付いていて本格的に味わえますよ。
お店の中でも召し上がれますが、晴れていれば外のベンチで三嶋大社の大鳥居を眺めながら食べるのも気持ちが良いですよ。
すみの坊 本町店では新しい試み
羽釜(はがま)炊きのお米がうなぎを引き立てる
三島に住む人達が通うビルや、商店街が並ぶ本町エリアにも店舗がある「すみの坊」。
本町店では、かまどにはめ込んでお米を炊く「羽釜」が使われているので、ふっくらと歯ごたえある炊き上がり。
熱伝導が良い羽釜の特徴として、短時間でまんべんなく火を通すからべちゃっとしないお米に仕上がります。
職人による炭火焼きで絶品食感
外はパリっと、中はふんわり と聞くと美味しいパンをイメージしてしまいますが、これはうなぎの焼き上がりのこと。
炭火は強い遠赤外線を発し、これによってうなぎは焼かれるのですが、遠赤外線は中を固くせずに火を通すので、うなぎの旨味を逃さず焼くことができます。
本町店では、職人が慣れた手つきで炭をパタパタと扇いでいる様子が窓越しに見られますよ。
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三島に来たら、うなぎを食べよう!
うなぎの脂っぽい感じや、生臭さなどを気にせず食べることができるのは、富士山からの伏流水である三島の水が秘訣でした。
最近ではテイクアウトが出来るうなぎ屋も増えましたが、お店で食べる焼きたてのうなぎは格別です!
高級食だからこそ美味しいお店で食べたいですし、地元のものを味わうのも旅の醍醐味。
三島でうなぎの名店をまわる旅も楽しそうですね。