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犬吠埼灯台を観光したら分かるマニアックな灯台の世界

千葉県|【更新日】2023年4月20日

犬吠埼灯台を観光したら分かるマニアックな灯台の世界

銚子の観光スポットの定番「犬吠埼灯台」。全国に16基しかない登れる灯台の1つです。

江戸の豪商の俳句に「銚子は国のとっぱずれ」とあるほど、海に囲まれた立地なので展望スペースからの眺めも抜群。

資料展示館や霧笛舎も併設されているので、マニアックな灯台の世界を堪能できるおすすめスポットです。

目次

犬吠埼灯台を観光するなら99段の階段を制覇せよ

犬吠埼灯台の階段と九十九里

犬吠埼灯台

銚子の先端に立つ犬吠埼灯台は全国に16基ある拝観灯台のうちの1基。灯台の中を登ることができる貴重なスポットです。

てっぺんまでは99段の階段を登っていきます。

日本の渚百選にも選定されている九十九里海岸にちなんで99段の階段なんだとか。
階段にもしっかり意味があるんですね。

どこまで続く?ぐるぐる目が回る階段

犬吠埼灯台1

犬吠埼灯台の頂上まで続くらせん階段。一気に駆け抜けようとしましたが、60段あたりで目が回ってギブアップ。

ぐるりと回りながら登っていくので普通の階段のようにはいきませんでした。

階段には20段ごとに目印がついているので、休憩を挟みながらのんびり進みました。

人とすれ違うときは、下りの人が優先なので譲り合いながら先を目指します。

てっぺんはもうすぐ!最後の難所を乗り越えよう

犬吠埼灯台2

80段の目印が見えてゴールまであと少しというところで、最後に難所が待っていました。

大人ひとりがやっと通れる幅で、傾斜も急なはしごのような階段のためソロリソロリと足を踏みしめます。

登り切ると、波風の音が聞こえて疲れも吹き飛びました。

こちらの難所は降りるときの方が傾斜がキツく感じるので、階段にお尻をつけながらゆっくり下ると安心です。

潮の香りと海の風が心地よい展望スペース

犬吠埼灯台3

すべての階段を登りきった先には、見晴らしの良い展望スペースが。

岬の先端にある犬吠埼灯台は遮るものがないので、ダイレクトに海の香りや風を肌で感じることができます。

肌にベタっとはりつくような感触は潮風ならでは。風が強く吹くと体をもっていかれそうになるので、しっかり手すりを掴んで絶景を楽しみました。

高所恐怖症の方は、展望スペースの扉付近で景色を見るだけでも十分に楽しめますよ。

水平線が教えてくれる地球のカタチ

犬吠埼灯台4

限りなく広がる海と空。灯台のてっぺんから見渡すと、遠くには水平線が続いています。

10階建てのマンションほどの高さがある展望スペースからじっくりと海を眺めながら、思わず「地球って丸かったんだ」と呟いてしまいました。

地上を歩いているときには気づくことができない体験ができるのも、登れる灯台の醍醐味ですね。

全国で16基だけ!犬吠埼灯台は貴重なのぼれる灯台

世界灯台100選に選ばれた灯台の日本代表

犬吠埼灯台5

世界灯台100選は「歴史的に特に重要な灯台」として選ばれしものたちを指します。

犬吠埼灯台の父「R・Hブラントン」の独創的な設計構造が特徴で、初の日本製レンガを使用している点も見逃せません。

資料展示館にはレンガが展示されています。こんな小さなレンガを積み上げて灯台を作り上げた当時の技術者たちには、尊敬の念しかありません。

技術、歴史の両面から価値の高い建築物として、2020年に国の重要文化財に指定されました。

白亜の灯台のスラリとした姿に惚れてしまうかも

犬吠埼灯台6

灯台と聞いて真っ先にイメージするのはどんな見た目でしょうか?

しましま模様、真っ赤なボディなど個性あふれる灯台もありますが、犬吠埼灯台は海と空とのコントラストが映える真っ白な外観。

空の上までまっすぐに伸びる姿はとてもスマートでカッコよく、思わず惚れそうになりました。

のぼれる灯台スタンプラリーに挑戦しませんか?

犬吠埼灯台7

灯台150周年記念事業として、取材時はスタンプラリーが実施中でした。

1冊150円で灯台参観記念スタンプ帳を購入して、登れる灯台を巡りながらスタンプをポン!

16基の灯台スタンプをコンプリートしたら「燈光会オリジナルグッズ」がもらえます。

達成すると公益社団法人燈光会のホームページにお名前がのりますよ。お名前はニックネーム表記も可能です。

犬吠埼灯台資料展示館で日本の歴史を辿る

灯台誕生から現在までのヒストリー

犬吠埼灯台8

航路標識として世界の海を照らしてきた灯台。犬吠埼灯台の隣にある資料展示館では、灯台誕生から現在までの歴史を分かりやすく展示しています。

島国である日本が世界と繋がっていく上で、灯台はとても重要な役割を果たしていることを知り、ますます灯台にハマりそうです。

海とともに歴史を見守ってきた灯台

犬吠埼灯台9

海の安全を守るため、灯台はいつの時代もその灯りで船乗りたちを導いてきました。

戦争中は草木でカモフラージュして存在を隠していた灯台。海の道標でもあり重要なポイントのため、真っ先に狙われてしまう危険な場所です。

危険と隣り合わせの中、灯台守の人たちが必死に守り抜いた灯台の姿を写真で見て、改めて平和を尊ぶ気持ちを大切にしたいと思いました。

萩尾望都先生と犬吠埼灯台はどんな関係?

犬吠埼灯台10

2階には「霧笛」の複製原画が展示されています。

少女漫画家初の紫綬褒章を受賞した萩尾望都先生の漫画作品で、作中に灯台が描かれています。

犬吠埼灯台140周年事業で犬吠埼ブラントン会主催のもと、萩尾望都先生の講演会を実施。

そこから銚子と萩尾望都先生のご縁ができたそうです。ファンの方が聖地巡礼で訪れることもあるのだとか。

約100年の間、沖ノ島灯台から海を照らしたレンズに出会う

国産第一号大型一等レンズの圧倒的な存在感

犬吠埼灯台11

展示室の中央には1922年から2007年まで、福岡県宗像市の沖ノ島灯台で海を照らしてきたレンズがどどーんと鎮座しています。

大型一等レンズの横幅は身長150センチの大人が二人分、高さはサッカーゴールよりやや高いくらい。

ダントツの大きさで、見る角度によっては巨大な扇風機のようにも見えます。

大正時代に作られた国産第一号という貴重なレンズは歴史的な重みはもちろん、大迫力の大きさに圧倒されること間違いなし。

はるか遠くまで明かりを届ける秘密

犬吠埼灯台12

レンズの中をよく見ると、小さな電球が。この小さな電球の明かりをパワーアップするのが、電球を覆うフレネルレンズ。

デコボコした表面が特徴的で、光を効率的に集められる灯台にうってつけのレンズです。

犬吠埼灯台にはフレネルレンズが複数展示されているので、大きさや光の加減を見比べながら回るとおもしろいですよ。

小さな電球も過酷な環境に耐えながら、明るく光るものを試行錯誤しながら作り上げていったことを思うと、とてもワクワクした気持ちになりました。

回転装置と一体の第一等レンズが見られるのはここだけ

犬吠埼灯台13

灯台の光がくるくると回るには、回転させるための装置が必要ですよね。

資料展示館では、回転装置と一体になった灯台用大型レンズを見学することができます。

レンズの方に目がいきがちですが、この回転装置にもぜひ注目を。2.65トンの重さのレンズと比較すると何とも小さな歯車。

巨大なレンズを支えながらまわり続けた回転装置は、まさに縁の下の力持ちのような存在です。

まるで牛の声?犬吠埼霧信号所霧笛舎の不思議な音

かまぼこ屋根がかわいい真っ白な霧笛舎

犬吠埼灯台14

白くて半円のカタチが特徴的な霧笛舎。見た瞬間「巨大なかまぼこみたい!」と、思わず声に出てしまいました。

100年以上も前からこの場所で、大きな音を出して灯台の位置を知らせる重要な役割を努めてきたそうです。

GPSの普及で2008年に引退するまで、犬吠埼灯台とともに海の安全を守ってきた歴史ある建物です。

灯台特有の様式を取り入れた現存する最古の建物

犬吠埼灯台15

霧笛舎の中も見学ができるので、さっそく中へ。足を踏み入れると、鉄とオイルが混じり合ったような独特のにおいが。

創業すぐの官営八幡製鉄所製の鉄が使われており、歴史の重みを醸し出していました。

かまぼこ屋根で鉄造の霧笛舎は、明治時代特有の様式。現存するのは犬吠埼灯台のみという非常に貴重な建物です。

犬吠の牛の声ってどんな声?

犬吠埼灯台16

ボタンを押すと霧笛の音を実際に聞くことができます。「ぶもぉー」と大きく低い音は、まるで牛の鳴き声のよう。

風向きによっては陸の奥の方まで響き渡ることから「犬吠の牛」とも呼ばれていたそうです。

目を閉じて体に振動とともに伝わってくる霧笛の音を聞くと、大きな海を航海する船の情景が浮かびました。

明治34年から海の安全を守り続けた場所

犬吠埼灯台17

犬吠埼周辺は黒潮(暖流)と親潮(寒流)がぶつかり、利根川が流れ込むことで濃霧が発生しやすい環境条件。

岩場も多く、座礁などの海難事故の危険があるため霧笛の「音」は海の安全を守る上で絶対に必要なものだったそうです。

約100年近く現役で責務を全うした霧笛舎が、現在も綺麗な状態で保全されているのは多くの人の支えがあってこそ。

霧笛舎を眺めながら、先人たちへの感謝の気持ちが溢れてきました。

おもわずうっとり。近くで見ると不思議なレンズ

犬吠埼灯台18

霧笛舎の中央には、横浜に行幸された明治天皇が視察した歴史的なレンズが展示されています。

かなり近い距離でレンズを見ることができるので、上から眺めたり、下から覗いたりと思う存分レンズを観察しました。

見る角度によって、虹色のような色合いが出たり、不思議な歪みの世界が広がります。

何枚も写真を撮ったのですが、肉眼で見るものと何だか違った写りに。ぜひ自分の目で体感してほしいスポットです。

まるで親子?灯台の足元にある真っ白ポスト

犬吠埼灯台19

犬吠埼灯台の門の前には真っ白なポストがちょこん。灯台と並ぶと、なんだか親子のように見えてきます。

国内初の白いポストは、2012年のホワイトデーに設置されたので「恋愛成就のポスト」とも言われてるとか。

銚子郵便局からの風景印つきで手元に届くので、旅の記念にもぴったりです。

近くの犬吠テラステラスでポストカードが販売しているので、記念に1枚いかがでしょうか。

犬吠埼灯台観光をすると色々な灯台に出会いたくなる!

銚子のシンボル、犬吠埼灯台はただの観光スポットではありませんでした。

99段の先にある絶景を見れば、地球の壮大さに心奪われること間違いなし!

灯台の歴史や光を届けるための科学的な秘密など、知れば知るほど面白い灯台の世界の入り口としておすすめのスポットです。

訪れた際はぜひじっくり時間をかけて楽しんでくださいね。

犬吠埼灯台へのアクセス

  • 【住所】

    千葉県銚子市犬吠埼9576

    【料金】

    拝観料 大人300円、小学生以下無料(要保護者同伴)

    【駐車場】

    なし 周辺に無料駐車場あり(灯台前はロータリースペースのため駐車厳禁)

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式ホームページにてご確認ください。

    銚子市公式観光情報サイト

ライタープロフィール

こじまちはる

こじまちはる

千葉県出身。学生時代は夜行バスや青春18切符を利用して旅行に。現在は主にLCCを利用して沖縄、北海道へ。生まれ育った千葉県の魅力を伝えるため、県内の観光地を取材。自然や文化財をはじめ、美味しいものがいっぱい、ちーばくんの出身地をご紹介します。