強羅で外せない観光スポット「箱根美術館」に込められた世界平和への想い
箱根町|【更新日】2023年4月9日

箱根美術館のある神仙郷(しんせんきょう)は強羅の国指定名勝。日本人の美しい心が園内のいたるところに感じられます。
緻密に計算されてつくられた美しい庭園や建物、貴重な芸術品の数々には、美術を通して創立者の世界平和への願いが込められています。真善美に満ちた世界を求めて園内を散策してみましょう。
目次
朝だけしか見られない箱根美術館の美しさ
澄み渡る朝一番の空気と自然を楽しむ
開園直後の庭園は澄んだ空気が広がり、庭園の自然をより一層鮮やかに見せています。
より濃く鮮やかな緑の苔と、朱く染まっている紅葉のコントラストの美しさは、朝一番にしか見ることができない特別な瞬間です。
澄んだ空気の中で新鮮な空気を吸いながら、秀麗な庭に出会えるのは朝のひとときだけ!箱根美術館の自然を満喫するなら、開園すぐがおすすめです。
開園直後がおすすめ!ひときわ美しい苔庭
開園直後の苔庭の上にはほとんど落ち葉がありません。開園前に職員の方たちで落ち葉を拾ったり、掃除をして丁寧に庭のお手入れをしているそう。
時間の経過とともに庭園には落ち葉が増えて庭の表情が変化していきますが、一面に広がる美しい苔の絨毯は朝一番の秘密の風景です。
地面いっぱいに広がる苔庭のグリーンを楽しみたい方は、ぜひ開園直後に訪問してくださいね。
緻密に管理された庭園の美しさ
強羅の由来になった岩石をはじめ、花や木々の一つ一つまで、全てが緻密に計算された上で設計されています。徹底した美しさへのこだわりが箱根美術館の庭園の魅力。
園内に植えられている紅葉や竹は、定期的な植え替えをして常に同じ景観になるように管理されています。いつ来ても美しく、その美しさが永遠に続く場所が箱根美術館の神仙郷です。
世界平和を発信する国指定名勝「神仙郷」
約130種類の苔がおりなす圧巻の「苔庭」
創立者の岡田茂吉は、日本一種類の多い苔庭をつくりたいと考えていたそうです。そのため全国から苔を集めて、その中から厳選した苔を使って苔庭をつくりました。
現在は箱根美術館の環境に合わせて生育されている、約130種類の苔が園内を鮮やかに彩っています。
足元をよく見るとさまざまな苔が茂っていて、苔好きでコケ活をしている方はもちろん、苔庭を見てコケ活を始めたくなるほどに魅力を感じる場所です。
「石楽園」で岩の造形美を堪能
開放感溢れる庭、石楽園は園内でも眺めのいい場所。岩の一つ一つが計算の上で積み上げられて力強さに溢れるエリアです。
樹木や草木と岩のコントラストが美しく、日本庭園の良さを存分に表現しています。箱根の山を「借景」として、雄大な自然を感じることができますよ。
空気が澄んでいる日には遠くに相模湾を見ることもできるそうです。
「竹庭」は異国感漂う雰囲気が魅力
箱根美術館の本館から別館に向かっていく道に広がる竹庭。猛宗竹という大型の竹の種類ですが、定期的に竹を植え替えて庭の景観が保てるように管理をしているそう。
そのため常に美しい状態の竹林を楽しむことができます。箱根美術館の本館が中国風な趣のため、竹庭が続く空間は異国感溢れており、この道を通ると中国にトリップしたような気分を味わえますよ。
「美術館本館」は絶景を楽しめる隠れた穴場スポット
実は窓から見える風景がとても綺麗な箱根美術館の本館。美術品だけではなく庭園の美しさを楽しめる穴場スポットです。
階段を登った先にある2階の大きな窓からは、遠くの箱根外輪山と海が見えることも。
各展示室にある窓からも神仙郷の美しい庭を上から見下ろした景観が楽しめるので、お気に入りの風景スポットを見つけてみましょう。
安らぎを与えてくれる美しい庭園
美しいものを美しいと感じる豊かな心を日本人は持っている、そういった心が世界の平和に繋がっていくと考えていた創立者の岡田茂吉。
世界に日本と日本人の心の美しさを発信するためにつくられた神仙郷は、まさに美を集めた場所です。
自然と人工の美が調和した庭はどこを歩いても美しく、心が穏やかになっていくのを感じることができます。
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箱根最古の美術館から平和を願う
縄文時代から人間の心に宿る美の意識
箱根美術館では縄文時代の「やきもの」が展示されています。縄文時代にも美意識があったことが感じられる「やきもの」がありました。細かくつけられた縄の模様。
よく見ると複雑な構造になっており、ただの道具ではなく見た目にもこだわりを持ってつくられていることが分かります。
縄文時代の日本人も美しいものを好む気持ちがあったのかもしれない、そう感じる不思議な土器です。
古墳時代の埴輪!愛嬌のあるうさぎの形
人形の埴輪はよく見かけますが、こちらでは「うさぎの埴輪」も展示されています。少し短めの耳、くびをかしげているような表情の可愛らしい埴輪です。
6〜7世紀の古墳時代のものですが、すでにこの時代から可愛いものを造形して残したい気持ちがあったのか、当時に戻って聞いてみたい気持ちになりました。
日本のやきものは先人の知恵の結晶
縄文時代から江戸時代まで、「やきもの」を通じて日本人の歴史を辿っていく面白さがある箱根美術館。
今ある道具も先人の知恵の結晶が形になって今日まで繋がっていると思うと、非常に感慨深いものを感じます。
現在まで生産が続いている越前・瀬戸・常滑・信楽・丹波・備前の6つの「やきもの」は世界に誇るものですが、こういった貴重な「やきもの」を近くで見ることができますよ。
美術品と世界の平和は繋がっていた
箱根美術館の創立者、岡田茂吉は「美術品の名品は独占するものではなく、多くの人に高い芸術性に触れてもらうことで、品性の向上と文化発展に繋がる」という想いをもっていました。
多くの人が美術品に触れる機会をつくるために、貴重な美術品の数々を惜しげもなく展示するなど、平和のために尽力したことが美術館を散策すると伝わってきます。
「茶室 真和亭」で過ごす心穏やかな時間
苔庭と紅葉の共演をのんびり鑑賞
「茶室 真和亭」は苔庭と紅葉のコントラストを楽しめる特等席。艷やかなテーブルと椅子に反射した紅葉の苔庭は、ポスターにも使用された美観!
美術館本館にポスターがあるので要チェックです。ゆったりと庭を眺める時間はまさに至福のとき。
絶景が楽しめる人気の茶室なので、タイミングによっては少し待つ場合もありますが、外の茶席からも見事な景色が楽しめますよ。
鑑賞のおともに季節のお菓子と抹茶のセット
のんびりと庭を眺めながら「茶室 真和亭」で季節のお菓子と抹茶をいただきました。栗の風味をしっかりと感じながら濃厚な味が楽しめる栗きんとんは絶品。
抹茶は農薬・化学肥料を使用しないMOA自然農法で生産されています。綺麗に点てられた抹茶は新緑のような緑色で、すっきりとした味わいでした。
抹茶の入ったお茶碗も紅葉が描かれており、細かなところまで美を感じられます。
ひっそり佇む「茶室 真和亭」入り口の紅葉
園内には数多く紅葉がありますが、その中でも「茶室 真和亭」の入り口にある紅葉は、一際美しい佇まいです。見上げれば広がる紅葉のグラデーションに圧倒されてしまいます。
お店の入り口近くにあって少し控えめに佇んでいるため、思わず通り過ぎてしまいそうになる場所ですが、ぜひ立ち寄って見てほしい紅葉のスポットです。
岩の上に立つ神山荘など、園内の建物も見ごたえあり!
鮮やかな青緑の瓦屋根が目印の神山荘。大正10年頃に建てられました。応接室や食堂からは庭園が一望できるようになっており、海外からの要人をもてなす場として使用されていたそうです。
当時訪問した外国の方も、庭園の美しい景色と箱根外輪山の雄大さに圧倒されたかもしれませんね。
岩の上に建築されており、室内の階段を岩の高低差に合わせて設置するなど地形に合わせた構造で見応えのある建物です。
公式オンラインチケットがお得!
予定に合わせて2種類のチケットから選べる
箱根美術館ではオンラインチケットの販売があります。美術館窓口で当日券を購入するよりもお得!
入館券のみ、入館券+抹茶・和菓子セット券の2種類が販売されていますので、予定が決まったら公式ホームページから事前に購入可能です。
苔庭と紅葉を見ながら抹茶と和菓子を楽しみたい方は、セット券の購入がおすすめ。通常価格1,620円がオンラインチケットだと1,300円になります。
申込みも簡単!スマートフォン、パソコンから購入できます
パソコン、またはスマートフォンから購入できるオンラインチケット。画面の案内に沿って申込みをしていくだけなので、とても簡単に購入手続きが進められます。
支払いはクレジットカード、またはd払いが利用可能。当日はバーコードの表示されたページを印刷したもの、またはスマートフォンで画面表示をすればOKです。
箱根美術館と神仙郷の美しさは平和を願う心そのもの
庭園の草木ひとつから、展示されている美術品のすべてに、平和を願う創立者の願いが込められている箱根美術館と神仙郷。
庭園はどこを散策しても美しい風景が広がって、心が穏やかな気持ちになります。自然の織りなす美しさと、人工物の美しさが交わって完成したこの場所は、まさに平和の象徴そのものでした。
箱根美術館へのアクセス
- 【住所】
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300
【駐車場】あり
利用時間9:00〜17:00 無料※掲載時の情報です。最新の情報は公式ホームページにてご確認ください。