美しくも恐ろしい名爆「浄蓮の滝」。伊豆天城に伝わる女郎蜘蛛の伝説とは
伊豆市|【更新日】2023年4月9日

日本百名爆に数えられる天城の「浄蓮の滝」。大量の水が流れ落ちる姿と、深く青い滝壺が訪れた人々を魅了しています。
今回は浄蓮の滝の魅力や滝に向かうまでのルートを、この地域に伝わる「女郎蜘蛛の伝説」という恐ろしい昔話と一緒に紹介します。
目次
体力勝負!?長〜い階段の先に名爆「浄蓮の滝」あり
神秘的な青さの滝壺に目を奪われる
高さ25メートルから水が流れ落ちる姿は圧巻。水量が多く、辺りに爆声が轟いています。水しぶきが舞っているので肌寒く、真夏でも16度程度しかないそう。
何より目を奪われたのが真っ青の滝壺。深さ15メートルで、深く続く青色が神秘的な雰囲気を放っています。
谷底へ向かう階段が難関
広い駐車場に車を停めて、歩いて名爆を目指し長い階段を降ります。階段はおよそ200段。
それなりに体力が必要なため、小さいお子さん連れや足腰の弱い方はお気をつけください。
言わずと知れた「天城越え」にも登場
約1万7千年前、伊豆半島にある火山が噴火し、流れ出た溶岩が浄蓮の滝をつくりました。
滝の壁面には、溶岩が冷え固まったときにできる柱状節理という割れ目が見られます。
浄蓮の滝は、歌手・石川さゆりさんの名曲「天城越え」に登場することでも知られ、滝のそばに歌詞が書かれた石碑があり苔がむしていて趣を感じます。
浄蓮の滝にまつわる恐ろしい「女郎蜘蛛の伝説」
村人が恐れる滝の主・女郎蜘蛛
浄蓮の滝にまつわる「女郎蜘蛛の伝説」という恐ろしい話があります。今日まで言い伝えられている伝説です。話をかいつまんで紹介します。
「滝壺の近くで畑仕事をしていた老人の足に、美しい女郎蜘蛛が糸を巻きつけています。気づいた老人は、糸を外して切り株に移しました。
その途端、切り株が音を立てながら引き抜かれ、深い滝壺に飲み込まれていきます。恐れおののいた老人は、”あの女郎蜘蛛が滝の主に違いない”と一目散に逃げ、村人たちに知らせました。以降、この滝に近づく人はいませんでした」
時を経て、女郎蜘蛛との約束を破ったきこりは…
「時が経ち、よその村のきこりが滝にやってきました。きこりは斧を滝壺に落としてしまいます。もぐって探しても見つかりません。
すると、斧を持った美しい女性が現れました。返してもらう代わりに、”姿を見たことは口外しない。約束を破ったら命はない”と約束しました。きこりは村で滝の話を聞き回り、女性は女郎蜘蛛の化身だと確信します。
その後、長年約束を守ってきましたが、ある時、酒に酔った拍子で話してしまいました。そのまま眠りについたきこりが目を覚ますことはありませんでした」
最後にきこりが亡くなってしまう、悲しく恐ろしい話です。滝の近くに詳しい看板があるので、訪れた際にぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
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自然の川での「鱒釣り」、生わさびアイスで旅を満喫
名爆を望みながら渓流釣りを
浄蓮の滝のそばには、自然の川を利用した常設の天城国際鱒釣場があり、名爆を眺めながらアマゴやニジマスといった川魚を釣ることができます。
入場料は「1時間」、「2時間」、「1日」の3種類。観光の寄り道か、渓流釣りをじっくり楽しみたいかなど目的に合わせて選べます。
竿は貸し出してもらえるので手ぶらで立ち寄れて、釣った魚は決まった数内であれば持ち帰ることもできます。
青々としたわさび田に土産店も
渓流沿いには天城名物のわさび田が続いており、きれいな水に青々としたわさびが天城らしさを演出しています。
お土産が買える生わさび直営店もあり、休憩がてら名物のわさびアイスに挑戦してみるのもおすすめです。
旅情を誘う「伊豆の踊り子」像
滝に続く遊歩道の入り口にある男女の像は、川端康成の小説『伊豆の踊り子』がモチーフです。
小説の冒頭に、天城峠が登場することにちなんでおり、かつて伊豆を旅した川端康成を思い、旅がより趣あるものになります。
文化の予習で浄蓮の滝への旅をさらに楽しく
日本百名爆の浄蓮の滝、いかがでしたでしょうか。「女郎蜘蛛の伝説」をはじめ歌や小説といった文化芸術とのゆかりも深い浄蓮の滝。
『伊豆の踊り子』を読み、「天城越え」を聞いてから向かうと、より風情を感じられます。ぜひ足を伸ばしてみてください。
浄蓮の滝へのアクセス
- 【住所】
静岡県伊豆市湯ケ島892−14
【料金】なし
【駐車場】あり
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください