三重津海軍所跡|地上からは見えない世界遺産を見に行こう!/諸富
【投稿日】2024年10月11日(金)| 佐賀発

平成27年(2015)に世界遺産に登録された、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産である「三重津海軍所跡」。江戸時代の安政5年(1858)に、佐賀藩が所有の和船を管理する船屋(ふなや)があった三重津に御船手稽古所(おふなてけいこしょ)が設けられ、これが三重津海軍所の始まりとされています。
三重津海軍所跡の発掘調査で見つかったドライドック(船を造ったり、修理したりする施設)は、産業化の初期の姿を現す重要な遺産です。西洋の船舶技術を導入し、佐賀藩が自力で近代化を目指した過程を知ることができます。西洋のドックは主に石やレンガで作られましたが、三重津海軍所のドックは木や土、和船に使う「船釘(ふなくぎ)」など日本の伝統技術を駆使して作られました。
しかし、三重津海軍所跡の遺構は風化を防いで保護するために地中に埋め戻され、地上からは実物を見られず、“見えない世界遺産”と話題に。そこで当時の様子が想像できるよう隣接する「佐野常民記念館」では、約160年前の三重津海軍所の様子をイメージしたパノラマCG画像を見ながら史跡散策できる「みえつSCOPE(スコープ)」を貸し出ししています。
他にも時空を超えて幕末の三重津海軍所へ移動、360度見渡せるなどコンテンツ「オキュラスリフト」は、臨場感抜群。同館では、パネルや映像、復元模型などで三重津海軍所跡をさらに詳しく知ることができるので併せて訪れてみてくださいね。
【投稿日】2024年10月11日(金)【投稿者】たびらい編集部