大正ロマンを感じる建築

佐賀市は、明治や大正期の歴史的建造物を後世に伝えたいと保存・復元。現在7館の歴史的建造物群を総称して、「佐賀市歴史民俗館」としています。その中の一つである「旧古賀銀行」は大正ロマン漂う建物。洋風のなかにも日本建築の粋をあわせ、明治期の床の一部や、装飾的な暖炉「マントルピース」が残っており、往時を偲ばせます。
古賀銀行は明治18年(1885)、両替商の古賀善平が設立。明治から大正にかけ、九州の五大銀行に数えられるまでに成長しましたが、不況により昭和8年(1933)に廃業しました。その後は商業会議所として改装されましたが、現在は大正5年(1916)古賀銀行として活躍していた頃の姿に復元され、平成7年(1995)には佐賀市重要文化財に指定されています。
観光や見学施設として無料開放され、通帳や行員の写真など当時の資料のほか、山口亮一画伯の絵画や有田焼、肥前びーどろを展示。また、「レストラン&カフェ 浪漫座」も併設しており、落ち着いた音楽が流れる空間でランチやお茶が楽しめます。定期的にライブやコンサートも行われているので、生の音楽を楽しみながら雰囲気に浸ることもできます。