
佐賀・川上峡(かわかみきょう)の名物といえば、「白玉饅頭(しらたままんじゅう)」。つややかな白い皮に包まれた一口大のまんじゅうで、口に入れて噛めば、もっちりとした米粉の皮の中から、小豆あんのやさしい甘みが広がります。
この白玉饅頭のルーツは、同地域で昔から祝い事や祭りのときに作られていた菓子。神功皇后(じんぐうこうごう)の妹・与止日女(よどひめ)が、この地を通った際に献上され、「かくの如く色あくまでも白く、きめこまやかにして玉の如き子供のほしまくも」と言わしめたと伝えられています
以来、「白玉饅頭」と名付けられ、“九州の嵐山”と称される佐賀・川上峡の名物として親しまれています。観光客向けに初めて商品化したのは、明治15年(1882)創業の「元祖 吉野屋」。自家精米したうるち米と北海道産の小豆を使い、創業以来の製法を守り続けているといいます。