古湯在住の家具職人が開いた“暮らしの道具”の小さなショールーム

古湯在住の家具職人・前田優介さんが自宅の一室を改装し、木工作品のショールームとして平成28年(2016)9月にオープンした「地球木工(ちきゅうもっこう)」。
前田さんはIT関連の会社勤めから転身して、東京の職業訓練校の木工科で学んだ後、“家具の街”である大川市の家具メーカーで修業。2年前に独立して、富士町の合瀬地区に最初の工房を構えた。その後、富士フェスティバルのイベント手伝いを通じて、「古湯キッチン10」に集う仲間たちとの交流が深まり、一家で古湯へと移ってきたのだという。

これまでに、腰痛に悩む人でも負担なく座れる椅子や、大型のこたつ用テーブルなど、注文客の要望に合わせた完全オーダー品を制作してきたという前田さん。今後は、オーダーを受けるだけでなく、オリジナル作品を提案する場としても積極的に活用していきたいと語る。
地球木工には、スプーンやカッティングボードなどのキッチン用品のほか、写真立てやハンガーラック、靴べら、おもちゃなどが並ぶ。展示されている木工作品は、どれも木のぬくもりを感じさせるものばかりで、日々の子育てや注文客との会話から生まれたアイテムも多い。
中でも好評なのは、子ども用の折り畳みハンガーラック。鮮やかなブルーの底板がアクセントのポップな仕上がりで、丈が低いので3歳程度の子どもでも、自分で洋服や帽子をかけることができる。軽く柔らかな材質を使い、安全な造りなので、“何でも自分でやりたがる”年頃の小さな子どもにうってつけだ。

贈り物などにいい赤ちゃん用のおもちゃ「しゃかしゃか」も人気だ。幼児でもつかめる程度の大きさのさいころ型のしゃかしゃかには、中に米や小豆、小石などの天然の素材が入っており、手に持って振ると違う音が鳴る。手頃な価格の小物雑貨も充実している。