現役の猟師がオーナーシェフ。九州随一の本格的なジビエ料理店

佐賀は三瀬にある“知る人ぞ知る肉の名店”。といっても、提供されるのは佐賀県のブランド牛ではありません。「GABAI いのしし食彩」は、現役の猟師がオーナーシェフをつとめる本格派ジビエの店で、上質な猪肉の料理を提供しています。
とはいえ、ジビエ料理が珍しいから同店を紹介するわけではないですよ。“三瀬で一番おいしい店といえば”と、三瀬観光の達人・髙栁さんがすすめるのが、いのしし食彩なんです。
まずオーダーしてほしいのは、炭火七輪で焼く「特上いのしし焼肉」。猪肉が“臭い、硬い”という先入観は裏切られ、程よい弾力のジューシーな肉質と、口の中でほどける脂の甘みが楽しめます。

気づけば一枚また一枚と手が伸びるいのしし焼肉だが、不思議なことにどれだけ食べてももたれを感じないといいます。その理由は、オーナーシェフ・山本さんの“さばき”の腕にあります。かつての勤務先である某大手ハム会社で叩き込まれた食肉処理の知識と技術を生かし、血抜きから解体、保存までを全て独りで行っているのです。
いのしし食彩で提供されるのは、脂がのって一番おいしいとされる冬場の肉のみです。夏場の肉は脂ののりが良くないといいます。また、害獣駆除が目的の“罠猟”にかかった猪も、体内にストレスが溜まって味が損なわれるため、罠にかかって長時間が経過した個体は使います。冬の狩猟で仕留めた上物だけをさばいて冷凍保存し、年間を通して提供しているのです。
肉好きはもちろんのこと、普段はあまり肉を食べない菜食派にも、ぜひ一度味わってほしい三瀬グルメです。