春の花絵巻、夏の竹灯り、秋は紅葉に酔いしれる

「御船山楽園」は、標高210メートルの御船山山麓にある武雄領主鍋島茂義の別邸跡で、造園は弘化2年(1845)。広さは15万坪で、約3年の歳月をかけて造られた池泉回遊式庭園です。
例年3月下旬になるとソメイヨシノやヤエザクラなど約2000本の桜が、中国の山水画のように切り立った御船山を鮮やかに彩ります。また、4月中旬から5月上旬にかけては、約20万本のツツジ(久留米つつじ・霧島つつじ)や、フジ(白房・紫房)、シャクナゲなどが咲きます。
そして秋には、紅や黄色、橙に色づいた木々が、しっとりした秋景色を見せてくれます。平成21年(2009)には、江戸時代に自然景観を取り込んで造られた庭園が、近代以降も発展してきたことが評価され、国登録記念物に指定されました。
また、7月中旬から8月まで開催される「納涼竹あかり」では、庭園内に約5000個の灯籠や光のオブジェなどが灯されます。