いざ、東へ!
中標津空港からスタートする冬物語
まずは新千歳空港を経由して、知床の玄関口・中標津空港へ。レンタカーをピックアップして少し走ると、そこはもう別世界。中標津から根室に向かう道はどこまでもまっすぐな道が続き、喧騒から隔離された素敵な風景が広がっています。
中標津町から車を走らせること約1時間。根室市の「明郷 伊藤☆牧場」にある「酪農喫茶GrssyHill」でひと休み。ここはちょっと秘密にしたい、ドライブ休憩にはもってこいの場所なんです。
注文したホットミルクは、ここの牧場で搾乳されたもの。じんわりと体に満ちていく温もりとおいしさ、そして窓の外に広がるのどかな風景に、体の芯からポカポカに。店内に飾られた可愛らしい雑貨たちは、お土産にも自分用にもぴったり。
旅の安全を祈って
本土最東端に位置する神社へ
ここでのドライブの楽しみは、景色だけではありません。運が良ければ、シカやキタキツネなどの野生動物に出会えるかも! ただくれぐれも餌付けは禁物、自然に生きる彼らをそっと見守って。
旅の安全を祈願する人が多く訪れるのが、根室市にある「金刀比羅(ことひら・こんぴら)神社」。人気のステッカータイプの「旅守」をはじめ、いろいろな種類のお守りが並び、じっくり選ぶのも楽しい!
竹製の竿で釣り上げるユニークな「福ざんまいみくじ」を発見! 漁獲量日本一の根室のサンマにちなんだものなのだそう。自分用はもちろん、お土産として何匹も釣っちゃえ!
もうひとつの運試し、「厄割の玉」。自身の悩みや災いを頭の中でイメージして、手の中で軽く握ります。そして…
厄割の岩に向かって「エイッ!」。見事命中して粉々に割れた玉を見ると、なんだか気分もスッキリ。生まれ変わった気持ちで次の目的地へ向かいます。
「奇跡の島」と呼ばれる春国岱で
空と湖のはざまを歩く
風蓮湖と根室湾を区切るように伸びる春国岱(しゅんくにたい)は、数千年の年月をかけて形成された砂州。長さ約8キロメートル、広さは約600ヘクタールにも及びます。手つかずの自然が残っていることもあり、とても砂でできた島とは信じられません。そのスケールの大きさに、しばし見入ってしまいます。
「しばれる」寒さで凍った風連湖を見下ろしながら、木で造られた遊歩道をてくてく進みます。湖と空の境目にいるような、不思議な気分です。
グルメに絶景にお土産も!
道の駅で楽しむ、おいしいもの探し
そろそろお腹が空いてきたな。少しだけ車を走らせ、風連湖の目の前にある道の駅「スワン44ねむろ」にやってきました。
まずはレストラン「バードパル」へ。定番メニューだけではなく、根室といえば思い浮かぶ「花咲がに」やカキを使ったメニュー、北海道名物のスープカレーも。う~ん、どれもおいしそうで迷っちゃう…。
悩んだ末に、根室の名物郷土料理「エスカロップ」と人気メニューだという「花咲がにラーメン」をオーダー。
大きな窓の外に広がる、日本屈指の野鳥の楽園としても知られる風連湖もごちそうのひとつ。
ランチの後は、館内を散策! 望遠鏡から窓の向こうの風連湖を覗いてみると…?
天然記念物のオジロワシを発見! 翼を広げると、なんと2メートル前後にもなるのだそう。空中を舞うその姿はたまらなくカッコイイ。
根室が誇る海の幸や銘菓など、地元こだわりのお土産が揃うショップも必見。ここでは、買おうと決めていた名物「オランダせんべい」をゲット! 柔らか食感で、ドライブのお供にもぴったりのひと品です。
地元愛から生まれた
別海町のオシャレカフェ
根室から中標津の帰り道、別海町にある「カフェ ミルフイユ」でカフェタイム。フランスで修業したオーナーは元々別海町の出身。地元に貢献したいとこの地にお店を開いたのだそう。
ケーキは季節ごとに変わるようですが、1年を通して味わえるのが、猫のシルエットにセンスが光るキャラメルとバニラのケーキ「コハク」。かわいい~と思わずひと言。
別海牛乳と地元産バターがたっぷり染み込んだ、ふわっふわ食感のフレンチトーストをオーダー。お皿に添えられた自家製のりんごのコンフォートやバニラアイスも、おいしいアクセントに!
インパクト大の「別海パフェ」! か、かわいい...。なんと、ブラウニーやサブレ、アイスなど多くがオーナーのお手製。下の方にあるサクサクした食感の正体は、クレープに近い生地を焼いた自家製フィアンティーヌ。
最終地点は「湯宿だいいち」
養老牛の名湯で体を温めよう
スタート地点の中標津町にただいま。今夜の宿は養老牛の名湯を満喫できる「湯宿だいいち」です。ロビーの大きな窓からは、野鳥をはじめ、キタキツネ、タヌキ、冬はエゾクロテンなどの野生動物の姿を眺めることができます。コーヒーをゆっくり味わいながら、しばらくその姿を観察…。
1日の終わりは、これぞ北海道の風情を感じる雪見露天。湯量豊富な源泉を贅沢にかけ流す温泉に肩まで浸かれば、心がするすると解けていくよう。「今日は一日楽しかったね」。心から漏れたそんな言葉は、立ち上る湯けむりとともにそっと空へと消えていきました。