江別の魅力を文化産業遺産に凝縮!食の市場「ËBRI(エブリ)」
江別市|【更新日】2025年5月1日

札幌のベッドタウンの江別市は「札幌市江別区」などと揶揄されることがありますが、実際は一次産業から三次産業まで網羅するマルチシティ。
そんな江別市にある商業施設「ËBRI(以下:エブリ)」は、近代産業遺産のレンガ工場が改装され、さまざまな角度から江別の魅力を発信しています。
「赤レンガ道庁何するものぞ!追いつけ、追い越せ、引っこ抜け」と奮闘するエブリを訪れました。
目次
レンガ工場から商業施設にリニューアル
EBETU+BRICK-=EBRI
江別の歴史は、1871(明治4)年に宮城県涌谷領から21戸76人の農民が移住したことから始まります。
1878(明治11)年に現在の緑町・王子周辺(江別太)に屯田兵が入地し、江別村が誕生しました。
市内の野幌地区は原料となる粘土と山砂に恵まれていたため、1891(明治24)年にレンガの製造を開始。基幹産業として地域の発展を支えました。
レンガ製造は1950(昭和25)年に最盛期を迎え、市内には15社もの工場がありました。しかし新しい建材の登場などにより徐々に需要が低下。レンガ工場が徐々に姿を消していきます。
市は窯業の歴史と歴史的れんが建造物を保存するため、1998(平成10)年に自主廃業した「株式会社ヒダ」の工場跡を取得。「江別グレシャムアンテナショップ」として保存事業を開始しました。
2016(平成28)年3月にストアプロジェクト(株)が運営管理を受託し、商業施設「ËBRI(エブリ)」がオープンしました。
館内をざっくり紹介
魅力的なお店がいっぱい
館内にはスペインや北海道産のワインとカラスミの店「WINE SHOP MARCOMAR」、店内で煎りあげた豆を丁寧にドリップする「NOPPORO COFFEE」など、おしゃれなお店が並んでいます。
他にもナチュラルなスタイルで、オシャレを楽しむ女性を惹きつける「MELROSE CLAIRE」や、日替わりでさまざまなイベントが開催される「EBRI MARKET」などがあります。
Ë1出入り口付近にある「ËBRI STORE」は、市内の企業や特産品とコラボしたオリジナル商品、江別にゆかりが深い品など「こだわりフードとくらしのもの」を凝縮したお土産店です。
スイーツや乳製品、お酒やアロマやガラス製品などアイテムが豊富。江別の多様性に驚かされます。
レンガでお会計
この店の会計はちょっと変わっています。まず欲しい商品の前にあるミニレンガの文字をレジで読み取らせます。
画面の案内に従って会計をすると、選んだ商品を店員さんが持ってきてくれます。なんとも遊び心が溢れていますね。
北海道の交通手段はレンタカーがおすすめ
普段使いできるショップが嬉しい
地物の方々も大満足
Ë2側には、オーガニック野菜を中心に、毎日の食卓に欠かせない食品を取りそろえた「おいで屋」や、全国各地の新鮮野菜をお買い得価格で販売する「まちのやおやさん」、子供も楽しいパブリックスペース「ËBRI PUBRICK SPACE」などがあります。
観光客だけでなく、市民向けのお店もあるのが嬉しいです。
江別らしさ溢れる「江別アンテナショップGET’S」
Ë3側にある 「江別アンテナショップGET’S」は、黒板アートのフォトスポットが目印。
姉妹都市のオレゴン州グレシャム市Greshamと江別市Ebetsu、そして友好都市の土佐市Tosaの3都市の特産品と、江別の観光案内を行うショップ&スペースです。
江別ってオチャメ♡
グレシャムは世界的に有名なポートランドに隣接した街です。つまり「似た者同士」ですね。私も江別に住んでいた時は、必ずと言っていいほど「札幌の隣」と紹介していました。
黒板アートには2023年に解体された「北海道百年記念塔」も描かれています。小学校の遠足で行った思い出の場所ですが、残念ながらそこは札幌市厚別区です。
買い物だけで帰らないで!ガイドさんの話を聞けるチャンスも
私に観光案内させて!
「取材も終わったし、さて帰るか」と思っていると、観光協会のボランティアガイドさんが話しかけてくれました。
「みなさん買い物に夢中で、建物に興味を示してくれない!」と寂しそう。せっかくなのでお話を伺いました。
レンガの大きさは、縦10㎝×横21㎝×高さ6㎝という基準があります。縦のハーフサイズは羊かん、3分の1はせんべいと呼ぶそうです。
レンガの組み方にも違いがあり、見た目を重視して凝った積み方をするのは「フランス積み」、実用的に積んでいるのは「イギリス積み」と呼ぶそうです。
「エブリは元工場なので、イギリス積みです。外壁を見ると補修した箇所や増築による違いが分かりますよ」と教えてくれました。増築されたË1側はコンクリートで補強されています。よく見ると古いレンガと新しいレンガの境も見つけました。1941(昭和16)年に設立した工場の歴史にも関心を示してくださいね。
ツウ好みの街・江別の魅力を見つけてみよう!
江別市には北広島市のような球場もないし、恵庭市のように滝や渓谷もない。ましてや石狩市のような鍋料理もありませんが、それ以外は何でもある優秀な街です。
江別の良さを凝縮した「エブリ」を、皆さんもぜひ訪れてみてくださいね。
「ËBRI(エブリ)」へのアクセス
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【住所】北海道江別市東野幌町3-3
【電話】011-398-9570
【営業時間】10:00~19:00
【休業日】年末年始
【公式サイト】https://www.ebri-nopporo.com/
【アクセス】江別西ICより車で10分 / JR野幌駅より徒歩10分
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。