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トヨタグループの原点!「豊田佐吉記念館」で日本の発明家精神に触れる

湖西市|【更新日】2025年4月26日

トヨタグループの原点!「豊田佐吉記念館」で日本の発明家精神に触れる

トヨタグループの原点が静岡県湖西市にあるのを知っていますか?

トヨタの創業者・豊田佐吉の生家と発明の軌跡を伝える「豊田佐吉記念館」では、木製人力織機から世界が認めたG型自動織機まで、佐吉が40年かけて完成させた発明品の数々を見学できます。

全周1kmの緑豊かな敷地で、日本の発明家精神と創業の想いに触れられる「豊田佐吉記念館」を紹介します。

目次

豊田佐吉の生家と発明の原点「豊田佐吉記念館」

豊田佐吉記念館_入口

豊かな自然と調和した趣のある門構え

静岡県湖西市にある「豊田佐吉記念館」は、トヨタグループ創業者・豊田佐吉の誕生120年を記念して、1988年10月に開館しました。佐吉の生家を中心に、佐吉が発明した数々の織機やゆかりの品々を展示しています。

この記念館では、自動織機の発明にとどまらず、自動車をはじめとする日本の産業の発展に尽力した、佐吉の志と情熱を肌で感じることができます。

40年の歳月をかけた発明の軌跡

豊田佐吉記念館_佐吉像

正門を入って左、母屋の前に佐吉像が置かれています

豊田佐吉は慶応3年(1867年)2月14日、現在の静岡県湖西市に大工の長男として生まれました。教科書を兄弟で使うほど貧しい家庭で育ち、父の大工仕事を手伝いながら新聞や雑誌を読む「奇妙な少年」だったといいます。

佐吉は生涯60余年のうち、実に40年を発明に打ち込んだそうです。「男のくせに機を織ってばかりで働かない」という周囲の目を気にせず、ひたすら織機の改良と発明に没頭した佐吉は、その生涯にいくつもの特許を取得しました。

豊田佐吉記念館では、佐吉がこれまでに発明し日本の産業に貢献してきた織機が展示されています。

画期的な織機の数々を展示

佐吉が発明した最初の織機「豊田式木製人力織機」

豊田佐吉記念館_豊田式木製人力織機

織りムラがなく品質向上に貢献した発明品!

1890年(明治23年)に佐吉が発明した最初の織機「豊田式木製人力織機」は、それまで両手で織っていたものを、片手でおさを前後させるだけで、シャットルも左右に走るように改良したものです。

この発明によって、従来の織機よりも4~5割も速く織れるようになりました。

日本初の動力織機「木鉄混製動力織機」

豊田佐吉記念館_木鉄混製動力織機

1896年(明治29年)に完成した「木鉄混製動力織機」は、佐吉が発明を志した当初から目指した、日本で最初の動力織機です。1人で3~4台も運転ができて生産性が20倍も向上。織物の品質も非常に良く、大変高評を得たそうです。

その後、1903年(明治36年)に完成した「杼換式自動織機(T式)」が、佐吉が世界で最初に発明・完成させた無停止杼換式自動織機。

機械の運転を止めることなく、よこ糸を自動的に補給する自働杼換装置ほか、各種の自働化装置を備えたことで織物品質も飛躍的に向上し、日本の織物の輸出も盛んになりました。

トップメーカーに認められた究極の発明「G型自動織機」

豊田佐吉記念館_G型自動織機

1924年(大正13年)に完成した「G型自動織機」は、佐吉が究極の目標に定め、当時、世界で最高性能の完全なる自動織機として完成させた織機です。

この発明は日本における産業近代化の先駆けの一端をなし、1929年には当時世界の繊維機械産業をリードしていたイギリスのプラット社がその特許権の買い取りを申し入れてきたそうです。

10万ポンドという当時としては破格の金額で特許権が譲渡され、この資金をもとに国産自動車開発が進められました。

豊田佐吉記念館_G型詳細

G型自動織機は、高速運転中にスピードを落とすことなく杼(ひ)を交換し、よこ糸を自動的に補給できる自働杼換装置が組み込まれています。

他にも、たて糸が切れると自働停止する機構や安全機構が装着され、生産性や織物品質で世界一の性能を発揮しました。

全周1kmの緑豊かな敷地を散策

豊田章男氏おすすめ!佐吉が研究に没頭した「納屋」を見学

豊田佐吉記念館_納屋

佐吉が研究を始めたころ、父親に隠れて研究をしていた小屋

トヨタ自動車(株)の豊田章男会長は、「時間がない方は納屋の屋根裏だけでも見るべき」と、この「納屋」を特におすすめしています。

家業に励めという父の目を逃れ、変わり者扱いをする村人の目に耐えて、当時の佐吉はこの納屋にこもって手織機の改良、発明に打ち込んだそうです。

トヨタ初の研究開発センターともいえるこの場所は、佐吉が家族に隠れながら研究に没頭した場所であり、ここがなければ今のトヨタはないと言っても過言ではありません。

展望台からの眺望

豊田佐吉記念館_展望台

散策は歩きやすい靴がおすすめです!

記念館の敷地内にある裏山の遊歩道を登ると、展望台があります。ここからは晴れた日には富士山を見ることができます。特に冬は風が強く雲が流れるため、富士山が見やすいそう。

豊田佐吉記念館_生家の佐吉と母

農具なども多数展示されています

展望台から下った先には、佐吉生家があります。佐吉が生まれた場所であり、後にトヨタ自動車を創設した佐吉の長男・喜一郎もここで生まれました。

茅葺きの屋根が印象的なこの建物の中には、機を織る佐吉の母とそれを後ろから見つめる佐吉の彫刻像が展示されており、当時の様子を連想することができます。

豊田佐吉の魂が息づく「豊田佐吉記念館」へ

世界に冠たる「トヨタ」の原点は、浜名湖湖畔の寒村に生まれた一人の少年が、母に楽をさせたいという思いから織機の研究に寝食忘れて没頭した納屋にありました。

最初は母のため、そして国のために研究と創造に打ち込んだ佐吉。佐吉のモノづくりの情熱は絶えることなく、今もなお多くの人に受け継がれています。

豊田佐吉記念館は織機の展示施設にとどまらず、日本の産業の夜明けを体感させてくれる貴重な場所です。豊田佐吉記念館に立ち寄り、佐吉の志・情熱を感じてみてはいかがでしょうか。

「豊田佐吉記念館」へのアクセス

  • 【住所】静岡県湖西市山口113-2

    【アクセス】JR東海道本線「鷲津駅」から2km、東名高速道路 三ヶ日I.C.から30分

    【開館時間】4月1日~9月30日…9:30~17:00、10月1日~3月31日…9:30~16:30

    【休館日】月曜日(休日の場合は翌日)、年末(12月26日~12月31日)、年始(1月6日~1月8日)、2月最後の月曜日の直後の火・水曜日、9月第1月曜日の直後の火・水曜日

    【入館料】無料

    【駐車場】あり

    【トヨタ自動車(株)ホームページ】https://global.toyota/jp/company/profile/museums/sakichi/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。

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ライタープロフィール

いせきゆうか

いせきゆうか

全国・世界を旅して撮影や執筆を行うトラベルフォトライター。自然あふれるスポットが好きで、季節の絶景をめぐっています。ご当地グルメは必ず食べたい!