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湖西市の由緒ある寺「本興寺」で重要文化財と名園を巡る

湖西市|【更新日】2025年4月21日

湖西市の由緒ある寺「本興寺」で重要文化財と名園を巡る

静岡県湖西市に佇む「本興寺」をご存知ですか?

1383年に開かれた由緒あるこのお寺には、国の重要文化財に指定された本堂や「遠州三名園」の一つに数えられる美しい庭園など、見どころがたくさんあります。

今回は、歴史好きにはたまらない「本興寺」を参拝してきました。

目次

室町時代から続く歴史ある古刹「本興寺」

本興寺_門

参拝客を出迎える、堂々たる雰囲気の門構え

静岡県湖西市に位置する「本興寺」は、1383年(永徳3年)に開山された法華宗陣門流の東海本山で、現在の境内地は8.5ヘクタール(約26,000坪)という広大な面積を誇ります。

室町時代には、戦国大名の今川氏をはじめとした地方王族の帰依を受け、江戸時代に入ると徳川幕府から御朱印地並びに十万石の格式を与えられた由緒ある寺院です。

国指定重要文化財に指定されている荘厳な本堂は必見

本興寺_本堂

本仏釈迦年尼世尊及び十界勧請の諸尊を祀る本堂

本興寺の中心的建造物である本堂は、室町時代に建てられたとされる茅葺(かやぶき)屋根の荘厳な建物で、国の重要文化財に指定されています。

この本堂は日本・中国・インドの建築様式を取り入れた室町期の代表的な建築物で、特に壁土や釘を一切使用せずに建てられていることが特徴です。

遠州三名園の一つ「小堀遠州」作の庭園

自然の山を借景とした四季折々の風景

本興寺_庭園

取材時は春の景色が広がっていました

本興寺の庭園は、遠江国(現在の静岡県西部)に残る「遠州三名園」の一つとされています。

この庭は、江戸時代初期に徳川家康に仕えた大名で作庭家でもある小堀遠州(こぼりえんしゅう)が手がけたものと伝えられています。

「蓬莱式池泉観賞式庭園」と呼ばれ、左に亀島、右に鶴島、その右に出島という三島一連の構成が特徴です。

本興寺_庭園と廊下

座布団に座りながらゆっくりと庭園の景色を堪能できます

庭園は自然の山を背景に、四季それぞれの趣を活かした造り。木石の配置も巧妙で、どこから眺めても美しく感じられるデザインは、遠州流の名園としての風格が漂います。

昭和7年には歌人の北原白秋もこの庭を訪れ、「水の音ただに一つぞ聞こえける、そのほかは何も申すことなし」と詠んだことでも知られています。

「文晁寺」とも呼ばれる、本興寺に保存される作品の数々

本興寺_大書院入口

庭園は大書院や奥書院から見られます。本興寺の大書院には、江戸時代を代表する画家・谷文晁(たにぶんちょう)の晩年の傑作「四季山水図」が保存されています。

文政10年(1827年)、当時65歳だった文晁が描いた四季の景色は、特に文晁独特の力強さと雄大さが溢れており、有形文化財として指定されています。このような素晴らしい絵画があることから、本興寺は「文晁寺」とも呼ばれています。

また、奥書院とは三河国吉田城内にあった建物で、延宝2年に本興寺に寄進されたものです。木造平屋建ての造りで、使用されている材料や技法は江戸時代初期の建築様式を残しています。

※大書院内には岸良の手による「双竜争珠の図」など貴重な作品も展示されていますが、文化財保護のため内部の撮影は禁止されています。

歴史と文化が息づく「本興寺」へ

本興寺は歴史好きだけではなく、季節ごとの美しさを楽しめる場所としても人気です。

特に春には境内に数百本の桜が咲き誇り、「桜まつり」が開かれるうえ、毎年4月の花まつり期間中には普段は見られない文化財も一般公開されることがあり、歴史と文化を身近に感じられる貴重な機会となっています。

国の重要文化財である本堂や「遠州三名園」の美しい庭園を見に、歴史ある本興寺へと足を運んでみてください。

「本興寺」へのアクセス

  • 【住所】静岡県湖西市鷲津384

    【アクセス】JR鷲津駅から徒歩10分

    【営業時間】9:30-16:00(拝観時間は冬季は15:30)

    【入館料】大人300円/小人150円

    【駐車場】あり

    【公式サイト】https://hamanako-kosai.jp/location/587/(湖西・新居観光協会)

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。

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ライタープロフィール

いせきゆうか

いせきゆうか

全国・世界を旅して撮影や執筆を行うトラベルフォトライター。自然あふれるスポットが好きで、季節の絶景をめぐっています。ご当地グルメは必ず食べたい!