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加賀百万石・利家とまつに思いを馳せる!四季折々に楽しめる「尾山神社」

石川県|【更新日】2025年3月30日

加賀百万石・利家とまつに思いを馳せる!四季折々に楽しめる「尾山神社」

金沢の名所として、必ず名前が挙がる「尾山神社」。

加賀藩祖・前田利家公とその妻お松の方を祀るこの神社では、厳かな雰囲気が漂う中に、季節ごとに異なる風情ある景色を味わうことができます。

今回は、金沢の人気観光スポットの一つ「尾山神社」の魅力を、余すことなくご紹介します!

目次

金沢の中心部にある心静まる神聖な空間

「尾山神社」は、金沢随一の繁華街である片町・香林坊の近くにありながら、それを感じさせないほど静かで、清らかな空気が流れる場所にあります。

現在の社殿は、元は加賀藩前田家別邸・金谷御殿があったところ。

金沢城公園・鼠多門から橋を渡ってそのまま尾山神社に

2020年に金沢城公園に続く「鼠多門橋」が完成してから、前田家ゆかりの兼六園・金沢城公園・尾山神社をめぐり、歴史探訪を楽しむ観光客も増えているそうです。

藩祖への揺るがない忠誠心で建設された神社

1873年に建立された拝殿

加賀藩二代藩主・前田利長は、1599年に逝去した父・利家の霊を祀るために神社創建を考えましたが、当時外様大名であった前田家は徳川幕府の許可なく勝手に建てることができませんでした。

そのため、守護神としていた神様を遷座することを名目に卯辰山麓に卯辰八幡宮を建立して、利家の霊を合祀しました。(現在ここは、ひがし茶屋街にある「宇多須神社」となっています。)

1873年(明治6年)、祭祀を続けていた旧加賀藩士たちは、藩祖前田利家の偉大なる功績を長く後世に伝えようと、現在の場所に社殿を建立しました。

当時、廃藩置県後の旧藩士たちの生活は、それほど楽ではなかったはず。しかし、利家への敬慕と忠誠心、そして感謝の意を伝えるために、こぞって社殿造営に力を注いだのです。

1998年(平成10年)、利家の正室・お松の方も合祀し、夫婦そろってお祀りする神社となりました。

随所にみえるこだわりの数々

和漢洋を調和させた重要文化財・神門

尾山神社のシンボルともいえる「神門」

1875年(明治8年)に正門として建築された神門は、和漢洋が織りなす独特の雰囲気に、じっくりと眺めていたい気分になります。

一層目の石積みには、金沢市の戸室山で採石された戸室石を使用。

神門第三層内部

三層目には四面に4色のギヤマン(ステンドグラス)がはめ込まれています。かつてはここに御神灯を灯し、金沢の街を照らすだけでなく、遠く海を進む船の灯台の役割をしていたそう。

また、神門の最上部には、日本最古と言われる避雷針が設置されています。

夜間、ライトアップされた神門は、とても幻想的です!ぜひ夜にも見に来てくださいね。

荘厳な景色が広がる境内

神門を進むと目に飛び込んでくるのは、重厚感のある黒瓦で覆われた入母屋造の拝殿。

棟などに菊の紋章があるのは、別格官幣社に列せられたからだとか。

うどんげの花は「吉祥の花」とも言われるそう

拝殿の天井を見上げると、岩絵具で描かれた極彩色のうどんげの花に目を奪われます!

梅花紋を透かし彫りにした欄間は、約八寸もの厚さがある欅の一枚板で作られているとのこと。

どちらも、旧金谷御殿から移築したものだそうです。

透塀の玉垣から本殿を垣間見ることができます

三間社流造の崇高な本殿の右側面には、レンガ造りの玉垣があります。

前田家の「剣梅鉢」の御紋透かしがある塀となっていて、金沢で初めてレンガを使用した建造物は、ぜひ見ておきたいところ。

摂社である金谷神社には、二代藩主・利長から十七代までの藩主・当主とそのご正室が祀られています。

金沢城の大火を免れた唐門・東神門

金沢城公園の鼠多門・鼠多門橋に通じる東神門は、元は金沢城の二の丸御殿にあった唐門を移築したもの。

見事な彫りの二匹の龍

幾度も火災にあった金沢城はそのほとんどが焼失してしまいましたが、この唐門が焼けずに残ったのは、門に彫られた二匹の龍が水を呼んだからと伝えられています。

当時の二の丸御殿の格式が窺い知れる、貴重な建造物の一つと言えるでしょう。

古代舞楽の楽器をかたどった名園・神苑

旧金谷御殿の庭園だった神苑は、笙や琵琶など古代の楽器を模した島があることから「楽器の庭」とも呼ばれています。

池泉を中心に、島々にはそれぞれ趣向を凝らした橋が架けられていて、桜や藤など季節の花を楽しみながら巡ることができます。

尾山神社にしかない御守りやおみくじも

2015年に新設された独創的な授与所

境内にあるガラス張りの授与所は、伝統と革新が融合されたモダンな建物。

武将をお祀りしていることから勝負運・出世運が、また夫婦で祀られていることから夫婦円満・子宝安産にもご利益があると言われています。

格式のある御守りから、可愛らしいものまで、目移りしてしまいます!

白いひもを引っ張ると、中には梅の鈴が

尾山神社ならではのおみくじを引きたいなら、「小梅みくじ」がおすすめ。

授与所と社務所のみで引けるおみくじなので、ぜひ探してみてくださいね!

風情ある見どころもいっぱい!じっくりと探訪を

取材時には、ちょうど早咲きの梅が見頃を迎えていました

尾山神社の境内では、四季折々の花も楽しむことができます。

濃紅、薄紅、白と色が移る菊桜を、ぜひGWにご覧あれ

例年ゴールデンウイークに見頃を迎える「兼六園菊桜」。1つの花に300枚以上の花弁をつける見事な菊桜を、尾山神社でも愛でることができます。

本殿前にある大きな「獅子形香炉」。

これは、豊臣秀吉愛用のもので、朝鮮出兵の戦功として利家が拝領したとのことです。

「槍の又左」と呼ばれた利家

神苑のそばには、利家とお松の方の像が建てられています。

戦国時代に、赤母衣衆のリーダーとして活躍した利家。

大きな母衣を担ぎ、槍を持って馬にまたがる像を見ると、利家が戦場を駆ける勇壮な姿が目に浮かぶようです。

初夏には像の前にシャクナゲの花が植えられます

利家とともに加賀百万石の礎を築いたお松の方。

学問・武芸に通じ、才能豊かな女性と知られ、出陣する利家を見守る姿に、凛とした佇まいを感じます。

長きにわたって愛される「尾山神社」に感服!

ご案内してくださった権禰宜の厚見さん

長く地元・金沢の人たちから親しまれ、初詣やご祈祷のために訪れる人も多い「尾山神社」。

季節ごとに異なる景色と風情が楽しめるため、何度訪れても飽きません!

金沢観光のメインの一つとして、ぜひ足を運んでくださいね。

「尾山神社」へのアクセス

  • 【住所】石川県金沢市尾山町11-1

    【アクセス】JR金沢駅からタクシーで5分、北陸鉄道バス南町・尾山神社下車徒歩3分、北陸道金沢東インターから車で20分・金沢西インターから車で30分

    【電話番号】076-231-7210

    【営業時間】終日解放(お祓い時間 9:30~15:30、授与所・御朱印受付時間 9:00~17:00)

    【定休日】年中無休

    【駐車場】あり(15台)

    【公式サイト】http://www.oyama-jinja.or.jp/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

西田千佳

西田千佳

石川県在住。持ち前のコミュ力で、旅先で出会った人たちと仲良くなるのが得意。趣味は旅行とドライブ。愛車でドライブ中に穴場スポットを見つけるのが大好き。地元ならではのレア情報をお届けします!