旭川の歴史と自然環境を学ぶ。「旭川市博物館」で豊かな時間を過ごそう
旭川市|【更新日】2025年3月21日

北海道第二の都市・旭川市。その中心部には先住民族であるアイヌ民族が使用していた多くの生活道具が出土し、竪穴式住居の跡地も見つかっています。
アイヌ民族がどのような生活をして今に至るのか、旭川にはどのような自然環境があるのかを展示・紹介するのが「旭川市博物館」です。
旭川の歴史を探訪しつつ、さまざまな体験もできる博物館についてご紹介しましょう。
目次
旭川市博物館の由来と歴史の入り口を知る
旭川市春光の偕行社からクリスタルホールへ
真っ白い洋館が素敵な旧偕行社!今も美しい佇まい
旧陸軍第七師団が旭川に設営された際に、将校たちの社交場として1902年に建設された旧偕行社。旭川市博物館の前身である「市立旭川郷土博物館」として保存・再利用されていました。
現在は「中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館」として利用されており、人気アニメ「ゴールデンカムイ」に登場した場所でもあります。
現在の旭川市博物館があるクリスタルホール
その後、旭川市博物館は1993年に大雪クリスタルホールの中へ場所を移し、展示物などが増えました。2008年にはリニューアルも行われ、より見やすくスタイリッシュな博物館となっています。
入り口には「クマとオルゴールメリー」その意味とは?
クマの骨とオルゴールメリーの組み合わせが目を惹く
旭川市博物館の入り口は、アイヌ民族の紹介からスタートします。入り口にはクマの骨とオルゴールメリーが展示されていますが、どういった意味があるのでしょうか。
アイヌ民族では、人間にない力を持ったモノすべてを「カムイ=神」とし、動物・植物・モノ・川・病気・災害なども精神を持つ「カムイ=神」と考えられています。
生活道具などの役割が終わると、カムイの魂を「神の国」へ送り返す『イワクテ』というもの送りをしていたそうです。
1968年、旭川市内嵐山で確認されたアイヌの送り場には、動物の骨と共にオルゴールメリーの部品が置かれていたとのこと。
アイヌ民族の世界観が現代に受け継がれていること、また、「現代人の世界観から失われかけているモノへの感謝を忘れないように」という思いを込め、入り口に展示されているのです。
時代の流れに沿った飽きないつくり
1階は先住の民・アイヌの歴史と文化
アイヌの伝統的な住居チセはダイナミックな大きさ!
1階では、サハリンや本州の影響を受けながら複雑な社会を生み出したアイヌ民族の歴史・文化を展示しています。テーマは「先住の民・アイヌの歴史と文化」です。
さまざまな交易品を外国や道外へ持っていき、鉄製品など生活に必要なものを手に入れていたアイヌ民族。乾燥させたサケ、樹皮性の衣類などを作り交易していたため、「交易の民・アイヌ」とも呼ばれています。
アイヌ民族の伝統的な住居「チセ」や、囚人労働により建てた「屯田兵屋」を移築復元した展示も。中に入ることもできるので、生活様式をよく観察できますよ。
地階は旧石器から現代と、大雪山系の自然
こんなにも野鳥の種類がいるの?と驚くはず!
吹き抜けになった地階は、「厳寒を生き抜く動植物と人」というテーマで、大雪山系の地形と周辺に暮らす野生動物や野鳥の剥製が展示されています。
旭川にはこれほどの動物や野鳥がいるのかと驚くばかり。また、現代にいたるまでの市民の生活用品やイベント、文化、まちの移り変わりも展示されています。
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自分でできるアイヌ文様制作体験や刺繍講座を開催
専門講師が教えてくれる、アイヌ文様の刺繍
アイヌ文様の刺繍はコツを覚えると誰でもできます
アイヌ文様はさまざまな模様があり、それぞれに意味があるのだとか。文様には魔除けの呪力があると信じられていたそうです。
写真は筆者が以前、旭川市博物館で年一回開催されるアイヌ文様の刺繍講座に参加をしたときのもの。型紙に文様を書き写し、文様の形に布をカットしたら、違う布に縫い付けて刺繍をしていきます。
刺繍はアイヌの女性の仕事だったそうで、母から娘へと受け継がれていくものでした。静かな時間の中、思いを込めて刺繍をしていたのでしょう。
※講座の開催情報については旭川市博物館のホームページをご確認ください
アイヌ文様の切り紙は子どもでもできる楽しさ
刺繍はむずかしくても、折り紙などで文様を作ることができますよ。とても簡単にできるのでお子さんでもOK。作り方のプリントは、旭川市博物館で無料配布されています。アイヌ文様を作ってアイヌ文化に触れてみませんか?
ホール内にはレストランやミュージアムショップも
レストラン「シンフォニー」でお食事を楽しめる
レストランのごちそうメニューの定番が詰まった逸品♪
大雪クリスタルホールのロビーにはレストランやショップがあります。レストラン「シンフォニー」では、カレーやパスタなどのお食事、コーヒーなどの飲み物がいただけますよ。
筆者は「エビフライオムカレー」をいただきました。上品なカレーの味わいと卵のまろやかさがぴったり。2匹の大ぶりなエビフライは食べ応えがありました。
博物館見学に疲れたら休憩に立ち寄ってみませんか。
ここにしかない!キャラクター商品のあるショップ
土偶の「ドグー」は思わず手に取るかわいらしさ!
旭川市博物館にはオリジナルキャラクターがいるのだとか。その名は「ドグー」です。見た目とネーミングから、「土偶」が由来かな?と思った方は多いはず。
のほほんとした表情のかわいらしいドグーは、ここだけの限定販売です。旭川市博物館の出受付から少し離れた場所にショップがあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
北海道の交通手段はレンタカーがおすすめ
歴史に思いを馳せ、旭川をもっと深く知ってみませんか
旭川がどのように生まれて発展し、今があるのかを壮大なスペースでわかりやすく教えてくれる「旭川市博物館」。見ごたえありの博物館を訪れて、旭川のことをもっと深く知ってみませんか。
「旭川市博物館」へのアクセス情報
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【住所】北海道旭川市神楽3条7-1-45(大雪クリスタルホール内)
【営業時間】9:00〜17:00 (入館受付16:30まで)
【定休日】10月から5月の毎月第2・第4月曜日(祝日に当たる場合はその翌日) · 年末年始(12/30から1/4まで)
【入館料】大人350円、高校生230円、中学生以下は無料
【アクセス】 JR旭川駅南口西側からクリスタル橋経由で約800メートル(徒歩で約10分/車で約3分)
【電話番号】0166-69-2004
【公式サイト】https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/hakubutukan/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。