大昔の出土物を展示!「浜松市博物館」で浜松の歴史を知る
浜松市|【更新日】2025年3月3日

原始から近現代まで、浜松の歴史を知ることができる施設をご存知ですか?
蜆塚公園内にある「浜松市博物館」は、およそ20万年前のナウマンゾウの化石をはじめ、さまざまな資料を展示しており、この地域の歴史を楽しく学べるスポットです。
今回は、そんな「浜松市博物館」の見どころをたっぷりとご紹介します。
目次
原始からの歴史を学べる「浜松市博物館」
シンプルな外観。中にはたくさんの展示があります
浜松市博物館は、蜆塚公園内にある博物館です。遺跡や古墳から出土した装飾品や農具などを展示し、浜松の原始・古代から近現代までの数万年に及ぶ地域史を紹介しています。
同公園内にある国指定史跡「蜆塚遺跡」の貝塚のはぎとり標本も展示されており、かなりの至近距離で貝殻の堆積やその間にはさまれている動物の骨や遺物を観察できます。
▼蜆塚公園についてはこちら
縄文時代にタイムスリップ!?「蜆塚公園」で国の指定史跡を見学
時代ごとに分けられた展示エリア
浜松市博物館の常設展示「目で見る浜松の歴史」では、各時代ごとにエリアを分けて展示。
日本列島に人類が住み始めた「原始」や、日本列島の大部分を統一する国家が成立した「古代」、各地の有力武士が集団の権利をめぐって争った「中世」の展示などがあります。
床にプリントされた順路案内の足跡をよく見ると、時代ごとに変わっていくので要チェックです。
恐竜のような足跡が人へと変わり、さらに素足から草鞋、そして現代のような靴へと変化していきます。
人類が住み始め集落を形成する「原始」の展示
大迫力!ナウマンゾウの化石
今にも動き出しそうなほどリアルで大迫力!
展示室に入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、43万年前から3万年前頃まで日本列島に生息した「ナウマンゾウ」の骨格模型です。その体高は約3メートル!
大陸から陸づたいにやってきたナウマンゾウの化石骨は、中央区佐浜町で発見されたのを始まりに、浜名湖周辺で多く見つかっているそうです。
このエリアでは、旧石器時代の道具を展示。石を打ち砕いただけの道具から飛び道具である槍を発明し、やがて大型の獣狩りをするようになるまでの様子がわかります。
弓矢の発明や網を使う漁業も始まり、人々の主食が変化していったそうです。
国指定史跡「蜆塚遺跡」の貝塚
9割以上をヤマトシジミが占めているそうです
博物館では、蜆塚遺跡の4つの貝塚の中でも最も保存状態の良い、第1貝塚の断面はぎとり標本を展示。
かなり至近距離で観察でき、貝殻をはじめ、シカやイノシシの骨、土器の破片なども見つかっています。
出土品から再現。弥生時代の生活
伊場遺跡や梶子遺跡の環濠から出土したたくさんの土器や、鎧を付けた弥生人(再現)が展示されており、水田を作り耕し、ムラを発展・拡大させていく人々の生活が見られます。
弥生人が背中につけているのは、木甲と呼ばれる木製の鎧です。表面には細かく文様が刻まれ、黒色と赤色の顔料で彩られている装飾性豊かなこの木甲は、実践用ではなく儀式用だと考えられています。
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国家の形成が始まった「古代」の展示
古墳時代の祭祀に用いられた「金銀装円頭大刀」
鞘(さや)から抜いた状態で川底に沈められたよう
「伊場大溝」と呼ばれる古代の河川跡から出土した「金銀装円頭大刀」。これは祭祀に用いられ、柄(つか)には、連続波頭文や龍が彫られ、金板や銀板が被せられています。
類似した特徴の大刀が国内にないことから、朝鮮半島で製作されたと考えられています。
儀式への使用や製作時期と製作地、補修を伴う使用過程などが確認できるため、静岡県の指定有形文化財に指定されている重要な資料です。
地方役所の機能を果たした伊場遺跡群
地方遺跡の出土遺物に文字が書かれているのがこれだけ多いのは珍しいそう
古墳時代にも有力な集落だった伊場遺跡群は、7世紀後半になると、奈良に宮都をおいた国家にとりこまれ、地方役所の機能を果たしていたそうです。
伊場遺跡から出土した木簡からは古代の文字資料が発見されており、墨書土器など日本古代史における重要な発見となった出土品が展示されています。
有力武士の争いが本格化した「中世」の展示
中世の展示エリアでは、阿仏尼が引間宿の様子を記した「十六夜日記」の展示や、戦国時代から安土桃山時代の浜松城の出土品をはじめ、名だたる武将たちに関わる多くの展示物が見られます。
浜松の歴史を知れる「浜松市博物館」へ
浜松の歴史を一堂に集めて展示する浜松市博物館。むかしの人々の暮らしぶりや滅多に見られない貴重な展示品から、さまざまなことを学べる施設です。
歴史好きはもちろん、家族でのお出かけにもぴったりなので、ぜひ訪れてみてくださいね。
「浜松市博物館」へのアクセス
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【住所】静岡県浜松市中央区蜆塚4丁目22-1
【アクセス】浜松駅バスターミナル2番のりば「蜆塚・佐鳴台」方面行「博物館」下車1分
【問い合わせ(電話番号)】053-456-2208
【開館時間】9:00〜17:00
【定休日】月曜日(休日の場合は開館)・祝日の翌日・年末年始(12月29日~1月3日)
【駐車場】あり(45台)
【料金】常設展(特別展は別料金):大人310円/高校生150円/小中学生無料
【公式サイト】https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/hamahaku/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。