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古都・鎌倉で日本の“侘び寂び”に触れる。「鎌倉彫資料館」見どころをご紹介

鎌倉市|【更新日】2025年2月4日

古都・鎌倉で日本の“侘び寂び”に触れる。「鎌倉彫資料館」見どころをご紹介

鎌倉の伝統工芸品「鎌倉彫」について、詳しい制作過程や歴史を知ることができる「鎌倉彫資料館」。

室町時代に遡る貴重な作品の数々は、多くの方にとっての鎌倉彫のイメージを塗り替えるものになっています。今も進化を続ける職人たちの手仕事をじっくりと見てみましょう。

目次

鎌倉駅から5分、観光途中に立ち寄りやすい

鎌倉彫資料館1

鎌倉観光の中心地に位置しています

「鎌倉彫資料館」は、JR鎌倉駅から徒歩5分。鶴岡八幡宮「二の鳥居」のすぐ近くに位置しているので、鶴岡八幡宮を参拝する前後に立ち寄りたいスポットです。

資料館は「鎌倉彫会館」の3階にあり、年間を通じて常設展や、ワークショップの開催など、幅広い世代に鎌倉彫の魅力を普及する活動を行っています。

鎌倉彫資料館2

鎌倉彫を美しく魅せる展示室へ

「鎌倉彫」は木に彫刻をして漆塗りをした、表情豊かな陰影が特徴の伝統的工芸品。

その起源は古く、源頼朝が鎌倉に幕府を開き、その後北条氏が実権を握った時代、禅宗寺院や中国の漆工芸品との関わりの中で誕生したと考えられています。

仏具に始まり、茶道具や日常の家具、器へと広がっていった鎌倉彫。資料館では、その変遷を3つの展示室に分けて紹介しています。

約50点の名品を展示。見どころをご紹介

鎌倉彫の起源とは

鎌倉彫資料館3

ぐるりと一周している模様に注目

こちらは所蔵品の中で最も古い、室町時代の仏具「三足卓」。中国・宋から伝わった、渦巻きや雲に似た曲線からなる模様は「屈輪文(ぐりもん)」と言われています。

武家政治が誕生した鎌倉の地で、仏像や仏具制作に携わっていた仏師らが、舶来した中国文化に影響されながら高度な木彫の技術で鎌倉彫を確立させていきました。

かわいい水鳥型の香合

鎌倉彫資料5

手で包み込みたくなる愛らしさ

江戸時代には鎌倉彫の大衆化が進み、茶道文化の普及とともに茶道具が多く制作されるように。

こちらは珍しい水鳥形の香合(※香を入れる蓋つきの器)。ころんと丸くなった鳥がなんともかわいらしく、手のひらで愛でたくなるような作品です。

現代の鎌倉彫

鎌倉彫資料館6

後藤家・三橋家の対照的な作風を展示

明治維新後、新政府による神仏分離令によって多くの仏師は職を失い、後藤家・三橋家を残すのみとなりましたが、両家はこれを機に生活の中で使われる鎌倉彫の制作に力を注ぐようになりました。

戦後の高度経済成長とともに、鎌倉彫は産業として確立。両家は現在もその伝統を受け継ぎながら、新たなデザインや彫り・塗りの表現による製品を生み出しています。

使い込むほど味が出る鎌倉彫

鎌倉彫資料館7

あなたなら何のお菓子を入れますか?

資料館の赤井裕明館長に、鎌倉彫の魅力を聞くと「使い込むうちに、漆がこすれて黒い部分が出てきたりするのも味わい深い。工芸品は完成した時が最高と思われがちですが、自分で慈しみながら育てていけるところは、日本独特の侘び・寂びと通ずるものがあると思います」と語ります。

資料館では第1・第4土曜日に、鎌倉彫の彫刻を体験できるワークショップも開催。鎌倉観光の貴重な思い出作りに、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

「鎌倉彫資料館」で伝統文化に浸る1日を

資料館に訪れる前は、鎌倉彫に敷居が高い印象を抱いていましたが、鳥や蝶など目にも鮮やかなモチーフもあり、今のインテリアにも取り入れやすいかも…などの妄想を広げながら楽しむことができました。

1階にはミュージアムグッズや鎌倉彫の器、箸、アクセサリーなどを販売するショップ、鎌倉彫の器でランチを提供するカフェも併設されているので、ぜひ鎌倉観光に取り入れて、伝統文化に浸る1日をお過ごしください。

「鎌倉彫資料館」へのアクセス

  • 【住所】 神奈川県鎌倉市小町2丁目15-13 鎌倉彫会館3F

    【駐車場】なし

    【入館料】
    大人300円(団体250円)小・中学生150円(団体100円)
    ※特別展は料金が異なります。

    【営業時間】 10:00~16:00(13:00~14:00は一時閉館)

    【休館日】月・火曜日、夏季、年末年始、その他臨時休館あり

    【問い合わせ(電話番号)】 0467-25-1502

    【公式サイト】https://kamakuraborikaikan.jp/museum/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

山本茉莉子

山本茉莉子

神奈川県藤沢市出身。10年間エンタメ&ライフスタイルニュースサイトのエディターを担当。現在は本業のWebディレクターと並行して、地元・湘南エリアのご当地ライターをつとめる。趣味は朝活、韓国トレンド収集、カフェ巡り。