世界初!幼魚が主役の「幼魚水族館」で小さな体に秘められた大きな物語を探る
清水町|【更新日】2024年12月25日

静岡県清水町の大型ショッピングセンター「サントムーン柿田川」内にある「幼魚水族館」。ここは魚の赤ちゃん=幼魚を集めた、世界初の水族館です。
小さな幼魚たちですが、その生き様からは学ぶことが多く、リスペクトの気持ちも込み上げてきます。幼魚にスポットを当てた水族館の魅力に迫っていきましょう。
目次
ごきげんようぎょ!が合言葉「幼魚水族館」
“令和のお魚王子”鈴木 香里武さんが館長
アカモンガラのシルエットに館長は惚れているそう
2022年7月にオープンした「幼魚水族館」の館長を務めるのは、“お魚王子”としてメディアでも大注目の鈴木 香里武(すずき かりぶ)さん。
海や魚の魅力を伝えるさまざまな活動を行っており、なかでも漁港の岸壁で幼魚を採集して観察する「岸壁幼魚採集家」として、好きを極めた目覚ましい活躍を見せています。
「幼魚水族館」は、香里武さんが惚れ込んだ幼魚にスポットを当てた水族館です。
なぜ幼魚にフォーカスしているの?
金髪とセーラー服がトレードマークの香里武さん
館長が幼魚にスポットを当てた理由は、言葉では説明できないほど幼魚に惹かれているから!
厳しい自然界を小さな体で生き抜く幼魚。一見すると「なぜこんな姿、生態なのだろう?」と疑問に思う個性を持ち合わせていますが、すべてに意味があるのです。
そんな幼魚の自由で大胆、かつ健気でたくましい生き様から、私たち人間にとっても生きるヒントをもらえる気がします。
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7つのコーナーから幼魚の魅力に迫る
漁港 〜幼魚は擬態の天才〜
ウミガメなどはクラゲとポリ袋を間違えてしまうそう
こちらは、館長やスタッフが実際に幼魚の採集を行う伊豆の漁港を再現したコーナー。
水槽内には海で拾ってきた筒や紐なども入り、それらを使って幼魚たちが生きるために身につけた擬態の術を観察できます。
また、海洋ごみの存在を目の当たりにすることで、海の現状を見つめ直す機会にもなるでしょう。
館長が選んだ幼生アイドル
アカモンガラのシルエットに館長は惚れているそう
館長が選んだ、漁港で出会えるアイドルのベスト10が展示されるコーナーです。取材時は、水族館がある清水町が舞台のアニメ「ラブライブ! サンシャイン‼︎」とのコラボ企画が行われていました。
館長のお気に入りは、今も昔もずっと変わらず「アカモンガラ」。どこが赤いの?と思った方は、ぜひ「幼魚水族館」で実際に確認してみてくださいね。
危険な幼魚
館内にはいたる所にかわいいイラストが!
こちらは毒や棘を持つ危険な幼魚を紹介するコーナーです。小さな体だからこそ、海で生き抜くための戦略がたくさん詰まっていることがわかります。
展示されていた幼魚の中にいた「ヒョウモンダコ」は、きれいな柄が美しいものの、実は猛毒を持つ小型のタコです。
実はこちらは、魚類学者の「さかなクン」が海で見つけた成体をもとに、大学教授と一緒に孵化・生育に成功した生き物!生後2ヶ月の赤ちゃんが「幼魚水族館」にやってきて、現在展示されています。
幼魚と成魚を比べる
渦巻き模様が美しいタテジマキンチャクダイの幼魚
生活スタイルの変化によって、成長とともに見た目が変化する魚たち。このコーナーでは、幼魚の姿と成魚の姿を比較しやすいよう、隣同士の水槽で展示されています。
たくさんの水族館がありますが、こういった形の展示は珍しいですよね。
渦巻き模様が残りつつ、名前の由来となる縦模様が出現
なかでも今回、「タテジマキンチャクダイ」の幼魚から成魚へと変化途中の柄が見られたことがラッキーでした!
自然界で暮らす生き物だと、このような一瞬のタイミングを見届けるのはなかなか難しいものです。
他にも、さまざまな幼魚と成魚が比べられています。どんなタイミングの姿の生き物に出会えるかはその時々のお楽しみですね。
深海の幼魚を科学する
深海のカニ、タカアシガニの赤ちゃんです!
「幼魚水族館」の広報であり、“海の手配師”という異名で世界中の水族館に海洋生物を届ける石垣幸二さん。
石垣さん監修の漫画「マグメル深海水族館」とのコラボコーナーでは、漫画に登場するキャラクターが過酷な環境で生きる深海幼魚の生き様を8つの科学的視点から紐解いています。
「幼魚水族館」近くの駿河湾は日本一深い湾として、多種多様な深海魚が暮らしているそう。
なかには浅場で幼少期を過ごす魚もいて、特に冬場は遭遇チャンスがアップ!たくさんの深海幼魚が採集され、本コーナーで展示されるそうです。
本物の海を知らない幼魚
今までなかった!食育が学べる水族館
水産庁とコラボしたコーナーでは、人工繁殖によって誕生した食卓でも目にする魚たちが展示されています。
最近では、「魚は切り身で泳いでいる」と思っている子どもたちもいるのだとか。普段食べている魚たちの本来の姿や、育てた人のストーリーを動画で見ることで、食育にもつながります。
水辺の幼魚
どの水槽も幼魚が棲む環境を忠実に再現していました
最後のコーナーには、海以外の水辺に暮らす幼魚が展示されていました。壁面に掲示された「海が豊かかどうかは、山を見ればわかる」という言葉の通り、海と陸は密接な関係にあります。
身近なところにいる生き物に目を向けることで、それらを支える環境にもやさしくいなければという気持ちになりました。
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館長&スタッフによる手作りの魚名板が楽しい!
独特なタッチのイラストもかわいい
各幼魚には、館長やスタッフが手描きで作った魚名板が設置されています。これがとてもわかりやすく、思わずクスッと笑ってしまうおもしろさ!
専門用語などを用いた詳しい説明ではなく、あえてシンプルに紹介することで、自ら考えてもらえるようにしているそう。
また、館内にはスタッフが巡回していて、会話を通して幼魚の魅力を紹介してくれるのも「幼魚水族館」らしさです。
大人になった幼魚は“卒魚式”で全国各地の水族館へ
立派になったら、どこかの水族館でまた会おうね♪
幼魚たちが大きくなったその先が心配な方もいるかもしれませんが、ご安心を。「大きく育った子は毎年3月に“卒魚式”を行い、国内外の水族館に進学。第二の魚生を送ります」とのことです!
どこまでも魚への愛情を感じる水族館にほっこりした気持ちになりました。
ショップ「幼魚屋」でオリジナルグッズをゲット!
ほかでは見られないアイテムがずらり!
館内を出たあとも、幼魚たちの魅力をまだまだ堪能しましょう。併設するミュージアムショップ「幼魚屋」では、オリジナルグッズを購入できます。
魚の目や肌を再現したマグネットやチャーム、魚類板のキーホルダーなど、そこに着目する!?という驚きのアイテムばかり。
館長の「ここにしかない物を作ろう!」という想いのもと、お客さんからの声を商品化する企画なども行っているそうです。
個性あふれる幼魚の世界へ
幼魚たちは、なぜそれぞれに個性を持つ必要があったのか。間近にじっくり見ることで、幼魚たちから答えが聞こえてくるような水族館でした。
単発で行くのももちろん楽しいですが、年パスを購入して、幼魚たちの成長を見届けるために足繁く通うのもおすすめです!
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「幼魚水族館」へのアクセス
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【住所】静岡県駿東郡清水町伏見52-1 サントムーン柿田川 オアシス3階
【営業時間】10:00~18:00(最終入館 17:00)
【定休日】なし(サントムーン柿田川に準ずる)
【駐車場】あり(無料)
【電話番号】055-928-6429
【公式サイト】https://yo-sui.com
【公式Instagram】https://www.instagram.com/yogyo_aquarium
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。