鎌倉・浄妙寺の茶室「喜泉庵」で五感を満たす抹茶のひととき。
鎌倉市|【更新日】2024年12月28日

鎌倉の東側に佇む禅宗のお寺、浄妙寺。境内にはお抹茶をいただける茶室「喜泉庵(きせんあん)」があります。
建物の中の茶室は広々としていて、椅子席もあるのでお抹茶初心者にもおすすめ。枯山水の景色、水琴窟の澄んだ音色の中で五感を感じながらお抹茶を楽しめます。
四季の移ろいを感じながら、心落ち着くひとときを過ごしてみませんか?
目次
鎌倉五山・第五位のお寺・浄妙寺の茶室「喜泉庵」
鎌倉時代から続く古刹・浄妙寺とは
銅板葺きの大きな屋根が美しい浄妙寺
喜泉庵があるのは、歴史ある古刹、浄妙寺の境内。浄妙寺はJR鎌倉駅からバスで10分ほど東側に移動したエリアにある、臨済宗建長寺派(りんざいしゅうけんちょうじは)の禅寺です。
1199年に足利義兼によって創建されました。多くの名僧が住持を務め、鎌倉五山の第五位のお寺となっています。
素朴ながら威厳のある本堂の佇まいと、すっきりと整えられた境内の草木が美しいお寺です。
枯山水の庭園や四季折々の花々が楽しめる「喜泉庵」
喜泉庵から眺める枯山水庭園で四季の移ろいを楽しむ
喜泉庵の縁側からは、丁寧に整えられた枯山水の庭園を見ることができます。時が止まったような枯山水の庭を眺めていると、すっと心が落ち着いてきますよ。
また、喜泉庵へ向かう途中の道でも、四季折々の植物の姿が楽しめます。
編集部が訪れたのは、十一月中旬。黒光りするシャリンバイの実や、パッと光が刺すようなツワブキの花が出迎えてくれました。
誰でもゆっくりとお抹茶を楽しめる喜泉庵のお茶室
開け放たれた縁側から望む枯山水の風景に心が落ち着く
広い!縁側からの風が心地いい茶室
喜泉庵のなかは、緋毛氈(ひもうせん)の敷かれたお座敷になっています。畳の席と椅子席があり、一般的な茶室に比べてかなり広いです。
喜泉庵はかつて僧侶が一堂に会してお茶を喫していた場所で、現在の建物は平成3年に復興させたものなのだそう。
僧侶が集まってお茶を飲む光景を想像すると、とても趣がありますね。
初心者にも飲みやすい!お抹茶と可愛らしい干菓子
淡い桜色の干菓子が可愛らしい抹茶のセット
今回はお抹茶と干菓子のセットを味わってみました。干菓子は足利家の家紋をかたどったもの。
ほろりと崩れる干菓子の甘さを味わった後、お抹茶をいただきます。さらっとした薄茶で、苦みはなくとても飲みやすい味わいでした。香り豊かなお茶の風味が心地よく口に広がり、とてもリラックスできました。
お茶碗の持ち方など、わからないことがあればスタッフの方が丁寧に教えてくれるので、お抹茶を初めて味わう方でも安心です。
水琴窟を聞いてみよう!澄み渡った水音が心に沁みわたる
喜泉庵の縁側の左端には長い竹筒があります。その先にあるのは、水琴窟(すいきんくつ)。
地中に縦長のドーム状の焼き物を埋め、その底に水を溜め、さらに上から水滴が落ちるようになっています。
落ちた水滴の音が空洞の中で反響し、竹筒から「ポチャン」と澄んだ音を聞くことができるのです。
実際に聞いてみると、音の波紋が宇宙のどこまでも広がっていくような美しい音でした!ゆっくりと水琴窟の音を楽しんでいるうちに、心が癒されていく感覚が味わえます。
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江戸時代に使われていた?漆塗りの籠も必見
漆塗りが上品な雰囲気の住職の籠
喜泉庵の玄関に飾られているのが、江戸時代の「籠」です。
ゆるやかに弓なりになった心棒の間に、黒い漆塗りの籠が下がっています。歴代の住職が江戸城へ参じるときに使用したものを修繕したものなのだとか。
時代劇などに出てくるものよりも、立派で洒落たデザインは一見の価値ありです。
喜泉庵で五感を磨こう!自分と丁寧に向き合う時間
抹茶を味わうだけでなく、枯山水の景色、水琴窟の音など、五感で楽しむことができる喜泉庵。日常のなかで、つい忘れてしまいがちな、自分自身の感性を思い出させてくれる場所です。
穏やかに流れる茶室の時間を自由に楽めば、きっと新しい自分を発見できますよ。
喜泉庵へのアクセス
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【住所】 神奈川県鎌倉市浄明寺3-8-50
【営業時間】
・浄妙寺 開門9:00~閉門16:30
・喜泉庵 夏 10時~16時半 閉庵/冬 10時~16時 閉庵【定休日】
・浄妙寺・喜泉庵 定休日なし【料金】浄妙寺拝観料 100円
【アクセス】JR鎌倉駅 東口下車 京急バス4番線口乗車 「浄明寺」下車 徒歩2分
【駐車場】あり
【問い合わせ(電話番号)】0467‐22‐2818
【公式サイト】https://www.ishigama.info/kisenan.html
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。