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60年のこだわりが詰まった“サザエ最中”とは?伊豆大川の古き良き和菓子処「清月堂」

東伊豆町|【更新日】2024年10月7日

60年のこだわりが詰まった“サザエ最中”とは?伊豆大川の古き良き和菓子処「清月堂」

実は隠れたお菓子処である伊豆。伊豆にはその土地土地で生まれた独特のお菓子が数多くあり、銘菓として親しまれています。

伊豆大川にはそんなローカル銘菓のロングセラーがあります。創業70年以上の老舗・清月堂が作るサザエ最中こと「波の子」。今回はその地域の銘菓を求めて、伊豆大川・清月堂を取材します。

目次

創業70年!伊豆大川の老舗菓子店・清月堂

駅前店は伊豆大川駅の目の前

駅前店は旅行の外国人客なども多いのだとか

伊豆急大川駅の目の前にある清月堂駅前店。創業は1951年、今から70年以上前に先代が伊豆大川で始めたそうです。

清月堂はこちらの駅前店と、ここから歩いて3分の場所にある本店があります。今回は駅前店で店主の稲葉さんにお話を伺います。

始まりは成金豆、今の目玉はさざえ最中

レトロな看板がまた旅情を誘います

開店当初、当時の看板商品は成金豆というお菓子でした。その頃の伊豆大川は絹さやえんどうの栽培で御殿が建つほど潤ったそうで、その豆を成金豆と呼んだそうです。

その絹さやえんどうを模したお菓子が成金豆で、お店の入り口にも看板が見えます。残念ながら成金豆はもう販売していないのですが、今回はその隣に書いてある「さざえ最中」をいただきます。

こだわりと伝統を引き継ぐ二代目店主

話し上手な上に人柄も抜群の店主・稲葉さん

こちらが二代目店主の稲葉さん。高校を卒業し、京都や伊東の菓子店で修行を積んで二代目となったそうです。

以来、お菓子一筋50年の職人です。こだわりは昔ながらのお菓子作り。保存料や余計なものを足さない素朴にして味わい深いお菓子を作り続けています。

サザエ最中には60年のこだわりが詰まっている

サザエの最中種は日本でここだけ

最中種が餅米だったとは知らなかった…

こちらが清月堂の看板商品「サザエ最中  波の子」。発売から60年以上経つロングセラーです。日本広しといえど、この形の最中はここだけではないでしょうか。

実は最中の皮は最中種といって、種専門の業者がいます。その業者が餅米を特注のサザエの型に入れて伸ばして焼いて出来上がりとなります。

柔らかいのに粒がしっかり残る秘伝の粒あん

夜な夜な店主が鍋で仕込む絶品あんこ!

最中の中身はたっぷりの粒あんがぎっしりです。粒がしっかり残ったあんこは昔と同じ製法で作る伝統の味。2日に分けて7時間かけて作るその製法は、家族も知らない秘伝だそうです。

ポイントは粒が弾けないように丁寧に煮ること、形が残った粒あんの食感と、モチッとした最中種の味わいが絶妙です。

手作りパイ生地がアンコと栗を包みこむ

「適当に作ってみたら美味かった」というパイまんじゅう

こちらはもう一つのヒット商品、パイまんじゅう「伊豆の山」です。あんこと栗の甘露煮をパイ生地で包んだ和洋折衷のお菓子、栗が1粒丸ごと入っています。

ご主人は和菓子の修行をしただけでなく、洋菓子の修行もされたそう。パイ生地ももちろん手作りで、栗とあんこの相性が抜群です。

若い人や外国人にウケている懐かし洋菓子

人気はシュークリーム、エクレア、プリン

懐かしい見た目がそそるんです♪

清月堂では洋菓子も充実しています。そのラインナップもエクレア、シュークリーム、プリンと昔ながらの洋菓子で懐かしいような嬉しいような気持ちになります。

この懐かしい味が外国人旅行者や若い世代にウケているそうです。他にもレモンパイやチーズケーキなどショーケースにはたくさんの洋菓子が並んでいます。

素朴なカスタードクリームが美味い!

洋菓子も懐かしくて優しい味わい

洋菓子の人気はシュークリームとエクレアです。シュークリームは生クリームだけのものとカスタードが入った半生の2種類があります。

写真は半生シュークリームです。エクレアの中身はたっぷりのカスタードクリーム。牛乳と卵、砂糖、コーンスターチだけで作った素朴ながら絶品のクリームが詰まっています。

お客さんの愛が伝わる絵画や写真

飾られている絵や写真はプロ顔負けの作品ばかり

店内にはたくさんの写真や絵が飾られています。ご主人は絵が大好きだそうで、お店の常連さんが寄贈してくれたものだそうです。

ちなみにこちらの水墨画は、歌手の久保田利伸さんの叔父が描いたものだそうです。国立美術館などにも展示される本格派の画家で、清月堂の常連だったそうです。

手作り無添加にこだわった昔ながらのお菓子

手作り&無添加スイーツバンザイ!

冷蔵ケースにはケーキやシュークリームなど洋菓子が、向こうのショーケースには和菓子、窓際の陳列棚にはクッキーなどの焼き菓子が並べられています。

種類も量も豊富ですが、これらは全て手作り!手作り無添加にこだわってお菓子作りをしているそうです。

シンプルにして美味、昔ながらのお菓子が楽しめる

店主の稲葉さんはお話上手で、時間があっという間に過ぎていきました。

その中で印象に残ったのは「お菓子はゼリーやフルーツでごまかさない、添加物も入れない、昔ながらの材料で美味いお菓子が作れる」という言葉です。

今では逆に味わうことが難しいシンプルにして美味なお菓子、ぜひ試してみてくださいね。

清月堂 駅前店へのアクセス

  • 【住所】静岡県賀茂郡東伊豆町大川253-13

    【問い合わせ】0557-23-2603

    【営業時間】8:00〜18:00

    【定休日】水曜日

    【駐車場】あり(3台)

    ※掲載時の情報です。

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ライタープロフィール

石井省

石井省

茨城のだっぺ地区出身です。東京から伊豆へ移住。週に3回は温泉に入る温泉好きで、伊豆のマイナー温泉を丁寧に探索中。旅は行き当たりばったり、そこで起こる偶然と奇跡の瞬間を愛しています。