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鎌倉で立ち寄りたい美術館。日本画に魅せられる鏑木清方記念美術館に行こう

鎌倉市|【更新日】2024年8月16日

鎌倉で立ち寄りたい美術館。日本画に魅せられる鏑木清方記念美術館に行こう

鏑木清方(かぶらききよかた)は美人画で知られる日本画家です。鎌倉市鏑木清方記念美術館は、観光名所である鎌倉の小町通からほど近い場所にある、小さな美術館。

鏑木清方の画風は淡い色使いでふんわり繊細。旅先でほっと安らぐ日本画の世界を体験してみましょう!

目次

鏑木清方記念美術館は気軽に日本画と出会える場所

鏑木清方記念美術館 入り口2

小町通りからふらりと路地に入ると現れる小さな入口

観光客の多い鎌倉・小町通。にぎわう通りから1本左へ折れた静かな路地に鎌倉市鏑木清方記念美術館があります。

日本画の巨匠、鏑木清方の晩年の旧所跡に建てられた美術館は、竹垣と瓦屋根の小さな門構え。

鏑木清方の日本画を中心に展示を行っている美術館で、日本画をあまり見たことがない人にもわかりやすい展示が魅力です。

美術ファンの大人から子どもまで気軽に立ち寄れるアートスポットになっています。

人々の生活を描くことを好む日本画家・鏑木清方とは?

鏑木清方記念美術館 写真

前列の右が鏑木清方。隣の日本画家で挿絵画家の水野年方に師事した

鏑木清方は明治・大正・昭和時代に活躍した日本画の巨匠です。

挿絵画家としてスタートを切り、代表作の「築地明石町」など多くの女性を描いたことから美人画で有名ですが、実は家族や市井の人々の生活を描くことを好みました。

随筆家としての一面もあるなど、とても多才。

鏑木清方記念美術館では、展覧会のために描いた粋で優美な肉筆画や、日常の1コマを描いたスケッチなどを鑑賞することができます。

ふわっと柔らかな線と淡い色彩が心地よい日本画の数々

2024年夏の企画展は「清方一家の夏休み」がテーマ

鏑木清方記念美術館 あさすず

爽やかな色使いの「朝涼」、「水汲」が並び、奥には浴衣が

さっそく、展示室に入ってみましょう。

鏑木清方記念美術館では年に8回の展覧会が行われ、テーマに沿った展示を楽しむことができます。

編集部が訪れた8月に開催されていたのは「夏のきらめき―清方一家の夏休み―」という企画展。

「朝涼(あさすず)」は、夏の朝、一緒に散策をした長女を描いた作品。

人物のリアルな存在感と淡いグラデーションの背景が特徴で、鏑木清方が日本画家として新たに自信を得るきっかけとなった特別な作品です。

会期中、2024年8月25日まで展示されています。

挿絵や半纏などさまざまな形の作品が展示されている

鏑木清方記念美術館 展示1

ゆったりとした雰囲気の展示室で作品を楽しめる

人の暮らしを描くことが好きだった鏑木清方。

作品には人の何気ない仕草が、愛情深い目線で描かれています。

幼い長女が日傘を差す姿や蟹釣りの様子を記した絵日記作品など、見ていると心が温まるような絵に、ほっと心が安らぎます。

また、家族が別荘で着ていた印半纏が飾られているなど、絵画以外にも作家の生活が垣間見える展示もありました。

引出しの中にも作品が!お気に入りの作品を探してみて

鏑木清方記念美術館 引き出し

作品が収納されている引出しを開いてみよう

鏑木清方記念美術館の収蔵品の多くは、鏑木清方の遺族から鎌倉市が寄贈を受けたものです。

そのため、下絵やスケッチなど、多数の貴重な資料を間近で見ることができます。

引き出し式の展示ケースを開くと、海で拾った貝殻や、つやつやと美味しそうな茄子のスケッチが。

ゆっくりと「これ、好きかも!」と思える1枚を探すのも楽しそうですね。

鏑木清方のアトリエを再現したスペースも!

鏑木清方記念美術館 アトリエ

卓上の眼鏡と座布団に亡き作家の姿が浮かぶ

鏑木清方が最晩年住んでいた建物の跡地に建てられた鏑木清方記念美術館。

生前に使用していたアトリエを再現したコーナーがあります。

今は1階の入り口から入って右側にありますが、当時は2階、同じ向きにあったのだそう。

筆や硯、乳鉢、画材などが並び、巨匠の往年の制作風景を想像することができます。

絵画に登場する植物を眺められる図書コーナー

鏑木清方記念美術館 図書コーナー

仲が良かった泉鏡花の全集も揃う

展示室の左側には図書コーナーがあり、関連書籍を手に取って読むことができます。

窓からは鏑木清方の絵画に登場する花木が植えられた日本庭園を眺めることができ、鎌倉散策で疲れた足を休めるのにぴったりです。

台風の影響がなければ、秋には楓もきれいに色づくのだとか。

取材時には百日紅の花が真夏の光のなか、鮮やかに咲いていました。

ミュージアムショップには絵葉書などが充実!

鏑木清方記念美術館 ミュージアムショップ

絵葉書や一筆箋は旅先から送りたい

ミュージアムショップには、多数の作品の絵葉書が揃っていて、お気に入りを選ぶことができます。

さまざまなデザインの和服をまとった美人画は、着物好きな女性に喜ばれそうですね。

大正時代の少年・少女向け雑誌の表紙がプリントされたクリアファイルは、レトロでかわいらしいデザインです。

公式サイトから通販で購入することもできます。

鏑木清方記念美術館で日本画を身近に感じてみよう!

専門性が高い印象の日本画ですが、鏑木清方の日本画は生活に根差した何気ないシーンを切り取ったものも多く、親しみを持てる絵が多いです。

優美な曲線と色使いは、眺めているだけでリラックスできますよ。

鎌倉散策の合間に、ぜひ訪れてみてくださいね。

鎌倉市鏑木清方記念美術館へのアクセス

  • 【住所】神奈川県鎌倉市雪ノ下1‐5‐25

    【営業時間】9:00~17:00(最終入館は16:30まで)

    【定休日】月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日を休館)

    【料金】
    〇企画展 一般300円(210円)/小・中学生150円(100円)
    〇特別展 一般450円(310円)/小・中学生220円(150円)
    ※( )は20人以上の団体料金

    【アクセス】JR横須賀線、江ノ電「鎌倉駅」下車、小町通りを北に7分左折。

    【駐車場】なし

    【問い合わせ(電話番号)】0467-23-6405

    【公式サイト】https://www.kamakura-arts.or.jp/kaburaki/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

餅田佑子

餅田佑子

大学卒業後はモンゴルで1年暮らした経歴あり。現在はフリーライター。たびらいでは三浦半島を中心とした記事を執筆しています。青ヶ島、礼文島など島旅が好き。ご当地ようかん図鑑を作るのが夢。