柏にもこんな場所が?水が湧き出る森「こんぶくろ池自然博物公園」の魅力
千葉県|【更新日】2024年9月4日

こんぶくろ池の名で親しまれている「こんぶくろ池自然博物公園」は、氷河期時代からの種も残る希少な森。
新しいものが次々に生まれ街が発展を遂げていく中、この森だけはまた違った時間が流れているかのようです。
今回はそんな「こんぶくろ池自然博物公園」へ取材に赴き、初めて知った驚きの事実と様子をお伝えしたいと思います。
目次
こんぶくろ池自然博物公園ってどんな場所?
水が湧き希少な植物が自生する、柏の貴重な森
こんぶくろ池自然博物公園は、柏市の北部、都市化がどんどん進む柏の葉エリアにあります。
こんぶくろ池や弁天池の名で親しまれる湧水池や、希少な植物も多数自生している、貴重な森のひとつ。
高層マンションなどがどんどん建設される一方で、柏市にもまだこんな場所があったのかと驚かされますよ。
日本ユネスコ協会連盟「プロジェクト未来遺産」に登録
管理棟には登録証が掲げられていました
こんぶくろ池自然博物公園は、日本ユネスコ協会連盟「プロジェクト未来遺産2022」に登録されています。
こちらは「地球のたからものを100年後の子どもたちへ」と、文化や自然を残すために発足したプロジェクト。
こんぶくろ池自然博物公園が元々掲げていた「市民で育てる百年の森」という理念とも一致し選出されました。
この場所が100年後も豊かに残っていることを願うばかりです。
普段はなかなか見られない植物や昆虫も多数
氷河期時代から生き残る貴重な種も!
画像真ん中に映る木が氷河期時代からの種クロツバラ
こんぶくろ池自然博物公園の敷地内には、数えきれないほど多様な植物が自生しています。
中には、氷河期時代から種が続く、ズミやクロツバラといった暖温帯の千葉県にあることが珍しい植物も。
太古の昔からの植物が生きられる環境が残っていること自体が、大きな驚きでもあります。
運がよければ会えるかも?希少な昆虫や小さな動物も生息
どこにどんな種が生息するか丁寧に教えていただきました
2018〜2019年に行われた昆虫相調査では1786種以上の昆虫を確認。その内、絶滅の恐れがあるとして千葉県レッドリストに挙げられている種は39種もいたのだそう。
また、昆虫だけでなく、ノウサギやタヌキなどの小動物も生息。小動物たちは時折、人前にも姿を表してくれるそうなので、運がよければ一目見られるかもしれませんよ。
千葉の交通手段はレンタカーがおすすめ
氷河期時代〜戦争時代まで歴史の爪痕が今もなお残る
平将門の戦で活躍した馬を管理していたという野馬土手
千葉北西部は、平安時代から江戸時代頃まで、馬を育て管理していたという小金牧の歴史があります。
こんぶくろ池自然博物公園にも、その名残である野馬土手跡があり、歴史の爪痕を確認することができます。
平安時代の武将・平将門が戦で乗りこなした馬も、この小金牧で育てていた馬だという説です。
戦時中は帝国陸軍にとって欠かせない場所として活躍
戦争が激しさを増していた時代、この地域一帯は、帝国陸軍が戦闘機を隠しておく場所としても使用されていたのだそうです。
そのため、木々の間には戦闘機を隠していた掩体壕跡や燃料庫跡が今も残っています。
朽ちてもなお戦時中の緊張感が伝わってくるかのようで、平和が続くことを願わずにはいられませんでした。
こんぶくろ池自然博物公園を守るのは有志の方々
NPO法人として活動、園内の整備や環境の保護に貢献
その貢献度は言葉では言い表せないほど…!
こんぶくろ池自然博物公園を日々整備し守り続けているのは、NPO法人こんぶくろ池自然の森の皆さん。
園内の整備はもちろんのこと、植物・昆虫・小動物の保護や保全再生、周囲への働きかけなど、活動は多岐に渡ります。
特に「きのこ観察会」「夜の昆虫観察会」「クモの観察会」などの企画イベントは大盛況!
この場所が、維持されより良くなり続けているのは、NPOの方々のおかげなのだとつくづく感じました。
訪れる際は自然との共存を考えた服装や行動を
迷わないよう作った手作りの看板からも優しさを感じる
こんぶくろ池自然博物公園は、想像以上に自然の密度が高い場所。中には希少な植物や昆虫も生息しているため、自然を想いやる気持ちを持って訪れたいところです。
動きやすく肌身を守れる服装、自然に配慮した行動など、人も自然も心地良く過ごせるようにしたいですね。
千葉を楽しむ!おすすめバスツアー
100年後の子ども達に残していけるように
今回初めてこの場所を訪ねた筆者ですが、100年後はどのような姿になっているのか気になりました。
未来の子ども達に残していくためには、この場所を知り好きになってくれる人を増やすことも重要なこと。
訪ねてみると分かりますが、とても魅力のある素敵な場所です。
皆さんもぜひ一度「こんぶくろ池自然博物公園」へ足を運んでみてくださいね。
こんぶくろ池自然博物公園へのアクセス
-
【住所】千葉県柏市中十余二399-1
【アクセス】
・電車:つくばエクスプレス「柏の葉キャンパス駅」よりこんぶくろエリア入口まで徒歩約20分
・バス:JR「柏駅」西口バス乗り場から「国立がん研究センター」方面行バスに乗車、「国立がん研究センター」下車、こんぶくろエリア入口まで徒歩約4分
・車:常磐自動車道「柏インター」より約5分【電話】04-7132-8800
【営業時間】24時間
【定休日】なし
【駐車場】あり(無料)
【公式サイト】https://www.konbukuroike.com/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。