受け継がれし伝統。遠州綿紬の魅力を届ける浜松「ぬくもり工房」
浜松市|【更新日】2024年8月8日

遠州地方(静岡県の西部)で作られる伝統的な織物「遠州綿紬」を知っていますか?
温暖な気候と豊かな自然に恵まれた遠州地方でかつて生産が栄えた「遠州綿紬」は、縞模様が特徴的な織物。やさしい質感と使うほどに馴染む独特の風合いで日常使いにもぴったりの代物です。
今回は、浜北区染地台の工房で遠州綿紬の販売を行う「ぬくもり工房」についてご紹介します。
目次
「遠州綿紬」とは?起源や特徴について紹介
発展のはじまりは温暖な気候と豊かな自然
入口横のプランターでは棉が育てられています
温暖な気候と天竜川の豊かな水のおかげで、古くから綿花を育ててきた遠州地方は、泉州・三河と並ぶ「日本三大綿織物産地」。棉(わた)作りの繁盛に伴い織物産業も発展しました。
2013年秋に実店舗をオープンした「ぬくもり工房」では、生産量が減りつつも今でも職人の手によって作られる「遠州綿紬」を後世に残していきたいという想いから、遠州綿紬の反物はもちろん、遠州綿紬を使ったオリジナルアイテムを取り揃え販売しています。
遠州綿紬の特徴は豊富な種類の縞模様
色合いにこだわって陳列された反物
遠州綿紬はさまざまな縞模様が特徴のひとつ。多彩な縞模様が整然と並べられていました。
日本の四季をイメージして生まれた優しく温かみのある色を使用し、タテ糸とヨコ糸を組み合わせることで表現された縞模様は、趣ある美しさ。江戸時代から現在に至るまでになんと数千種類の縞柄が生まれてきたそうです。
100年以上前に制作された希少な小巾織機を展示
見た目から歴史的価値を感じる佇まい
店内中央に展示されているのは100年以上前に製作された小巾(こぎん・生地幅の狭い布)織機。2023年11月のぬくもり工房のリニューアルをきっかけに、スズキ株式会社より借りた希少な産業遺産だそうです。
遠州綿紬ができるまでの工程には、縞模様になるように並べた糸を1本ずつ櫛に通す「経通し(へとおし)」と呼ばれる作業があるのですが、話を聞いただけではあまりイメージのつかないもの。
実物の織機を見ることで、この工程がいかに気の遠くなるような作業であるかがわかりました(写真右側に注目です)。
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豊富に揃うカラーバリエーション
ヨコ糸が違うだけでも見た目が変わる
ヨコ糸が変わるだけでこんなに雰囲気が変わるなんて!
タテ糸とヨコ糸とを組み合わせて作られた縞模様には豊富な色展開がありますが、写真の布3種類は全て同じ並び・同じ色のタテ糸を使用。じつはヨコ糸の色が異なるだけなんです。
ヨコ糸の色の違いだけでここまで違う雰囲気になるなんて、表現の幅が広がりますね。
染めることで縞模様以外のデザインも
縞模様以外の染めたデザインもまた魅力的…
タテ糸とヨコ糸の組み合わせだけでも豊富な色展開があり、十分に素敵なのですが、布を染めることでさらに色や模様の種類を増やすことができるそう。
写真の奥に見えるのが染めて作られたデザインの反物ですが、この2本を見ただけでもかなりバリエーションが増えそうだということがわかります。
思わず手に取りたくなる雑貨に注目!
暮らしを豊かに!日常使いしやすい小物の数々
ふんわりとした手触りの和雑貨は色柄も豊富!
ぬくもり工房では遠州綿紬を使ったオリジナルブランド〈つむぐ〉を展開。スリッパやエプロン、ハンカチ、メガネケースなど、日々の暮らしに取り入れやすい和雑貨を取り揃えています。
優しい色合いで長く愛せるシンプルなデザインが特長。例えばスリッパは窮屈感がなく、足音が少なく静かに歩けたり、コースターやエプロンも綿100%で出来ているので何度でも洗って使えたりと、暮らしに寄り添った魅力もあります。
贈り物にも大人気!趣ある品々
丁寧に区切られた包装箱は特別感を感じられますね
扇子など和の雰囲気のある雑貨は海外の方への贈り物としても人気で、企業の方が海外から来たお客様へお渡しする手土産として購入することもよくあるそうです。
末広がりの縁起物でもある扇子は贈り物にぴったり。遠州綿紬の特徴である縞模様が扇子の起伏によって波打つようなデザインに見え、美しい仕上がりとなっています。
地元店とのコラボ商品はプレゼントにもぴったり
かわいらしいパッケージでプレゼントにうれしい!
ぬくもり工房では、遠州綿紬の和雑貨にプラスアルファできるプレゼントとして、地元のお店とのコラボ商品も販売。
例えば、環境に負担をかけないお茶づくりを目指す浜松市の「まるたま製茶」とのコラボ商品は、深蒸し緑茶のティーバッグとハンカチがセットになっています。
ハンカチだけではなんだか気が引けるけれど、あまり重くなりすぎないプレゼントを贈りたい、という意外とよくあるシーンにぴったりの商品です!
遠州綿紬の魅力を知れる「ぬくもり工房」へ
伝統ある希少な織物・遠州綿紬を育て伝えていく「ぬくもり工房」で、遠州綿紬への想いとその魅力をお聞きしました。
手にとってみると手触りの良さや独特の風合いがわかり、その魅力に気づくことができると思います。
実店舗以外にもオンラインショップでの販売も行っているので、ぜひ一度、暮らしに取り入れてみてくださいね。
ぬくもり工房へのアクセス
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【住所】静岡県浜松市浜名区染地台3丁目12-25
【アクセス】遠鉄バス(聖隷三方原病院方面行)「染地台3丁目」下車すぐ
【問い合わせ】053-545-6391
【営業時間】10:00-18:00
【定休日】水曜定休
【駐車場】駐車場あり
【公式サイト】https://nukumorikoubou.com/
【オンラインショップ】https://nukumorikoubou.com/onlineshop
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。