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博物館好きにおすすめ!「茅ヶ崎 ゆかりの人物館」で地域の魅力を深堀り

茅ヶ崎市|【更新日】2024年7月1日

博物館好きにおすすめ!「茅ヶ崎 ゆかりの人物館」で地域の魅力を深堀り

「茅ヶ崎ゆかりの人物館」はその名の通り、茅ヶ崎の「ひと」を軸に、地元の魅力を再発見できる展示施設。

過去の展示では茅ヶ崎との繋がりを軸に「加山雄三」や「小津安二郎」の展示が開催されたそうです。

茅ヶ崎のよさを深堀りできる小さなミュージアムに出かけてみましょう!

目次

人をテーマに茅ヶ崎を切り取る新しいスタイルの博物館

茅ヶ崎ゆかりの人物館 テラス1

広々したテラスがある茅ヶ崎ゆかりの人物館

多くのクリエイターやスポーツ選手を生み出している神川県茅ヶ崎市。

「ひと」と「まち」をつなげる施設として誕生したのが茅ヶ崎ゆかりの人物館です。文化的で活気の溢れる茅ヶ崎ですが、昔はのどかな漁村だったそう。

展示棟には、茅ヶ崎の意外な歴史や、著名人の知られざる素顔が。常設の展示はなく、半年単位で企画展が開催されているのが特徴です。

ふらりと訪れて、ウッドテラスでのんびり過ごすこともできます。

半年ごとに行われる企画展はディープで熱い!

知られざる茅ヶ崎の史実に調査研究で迫る

茅ヶ崎ゆかりの人物館 名取先生

今回の企画展の監修を勤めた名取さんに直接お話を伺えました!

取材時に開催されていたのは「茅ヶ崎純水館物語 糸もつくるが人もつくる」という企画展。

茅ヶ崎市にかつてあった純水館茅ヶ崎製糸所の館長・小山房全(こやまふさもち)がメインテーマです。

今回、本館展示は茅ヶ崎市と「純水館ラボ」の運営アドバイザーである名取さんとで企画・運営され、多目的館では純水館ラボ研究員の研究発表展示がそれぞれ行われています。

「今から100年前に茅ヶ崎に製糸工場があったことを、地元の人はほとんど知らないんですよ」と語る名取さん。

地元の埋もれた歴史を知ってもらいたい!と熱い思いで研究を進めたのだそう。

製糸工場の立体模型はボランティアの手作り

茅ヶ崎ゆかりの人物館 模型2

丁寧に作られた模型でかつての工場の姿がよみがえる

展示室のエントランスには、市民ボランティアが作成したという製糸工場の立体模型がありました。

工場の敷地の見取り図や、写真などの資料を基に200分の1スケールで作成したのだとか。

現在の茅ヶ崎に建つ建物の名称も書かれています。

島崎藤村の影響も。百年前の製糸工場の哲学にびっくり

映画上映あり、図書室あり!理想の職場「純水館」

茅ヶ崎ゆかりの人物館 模型1

純水館の生糸の品質はとても高かったのだそう

早速、名取さんに展示内容を案内していただきました。

大正6年に小山房全が開業した純水館茅ヶ崎製糸所。

製糸所というと、厳しい労働環境のイメージがありますが、純水館茅ヶ崎製糸所の敷地にはなんとテニスコートや図書室があり、講堂では従業員たちが映画や講演会を楽しんでいました。

小山房全が大切にしたのは従業員ひとりひとりの教育と福祉。とても100年前とは思えない、先進的な考えを持った経営者だったといえますね。

島崎藤村と親交あり。「真の人」を育てた小山房全

茅ヶ崎ゆかりの人物館 小山房全

キリスト教の理想を追い求めた小山房全

最先端の工場を経営していた小山房全は、島崎藤村の教え子であった妻の喜代野から影響を受け、キリスト教を信仰していました。

展示されている生糸の英文パンフレットには、従業員がキリスト教の集会に参加していること、「真の人」を育てる努力をしていることが書かれています。

さらに小山房全は茅ヶ崎に信用組合や商興会、知友会を作り、文化や教育の礎を築きました。

また、文化勲章受章者であり、茅ヶ崎市名誉市民でもある画家・小山敬三は房全の義弟です。

敬三は房全の勧めで茅ヶ崎市南湖にアトリエを構え、89歳で亡くなるまで制作を続けました。

桑の葉や生糸など実物の資料で歴史の背景を体感できる

茅ヶ崎ゆかりの人物館 資料

つやつやの生糸は実物ならではの質感を体験できる

エントランスには、蚕の餌になる桑の鉢植えや本物の生糸、女工さんが使っていた「繰糸鍋」という道具も展示されていました。

実物を見ることで、より歴史を身近に感じられますね。
撮影は不可でしたが、展示室内の資料は日本各地から集められた貴重なものばかり。

「100年前の歴史をいま掬い上げれば、また100年後につなげられるでしょう」という名取さんの言葉どおり、地元の歴史をつないでいくことの大切さを感じられる展示内容でした。

緑豊かなテラスで海音を聞きながらくつろぐ時間も◎

茅ヶ崎ゆかりの人物館 テラス2

緑豊かなテラスは近隣の人々の憩いの場

展示室の外には広いウッドデッキがあり、緑に囲まれて読書やおしゃべりを楽しむことができます。

海岸線にもほど近い立地のため、耳をすませば海鳴りが聴こえます。

遊歩道を降りていくと、すぐ隣には開高健記念館が。

ふたつの施設のセット券も販売されているので、お得に観覧することができますよ。

茅ヶ崎ゆかりの人物館で学ぶワクワクを感じてみよう

独自の切り口が面白く、知的好奇心をくすぐられる茅ヶ崎ゆかりの人物館。

小規模なのでふらっと気軽に立ち寄れるのも魅力です。

茅ヶ崎ゆかりの人物館で、ぜひ「知る」「学ぶ」楽しさを味わってみましょう!

茅ヶ崎ゆかりの人物館へのアクセス

  • 【住所】神奈川県茅ヶ崎市東海岸南6丁目6−64

    【営業時間】10:00-18:00(最終入館17:30まで)

    【定休日】月~木曜日(金・土・日・祝日のみ開館)

    【料金】200円
    ※開高健記念館との共通観覧券 300円

    【アクセス】コミュニティバスえぼし号東部循環市立病院線・松ヶ丘コース「開高健記念館」下車すぐ
    神奈中バス辻堂駅南口行き/辻02系・辻13系「東海岸北5丁目」バス停より徒歩8分

    【駐車場】あり・8台(開高健記念館と共有)

    【問い合わせ(電話番号)】0467‐81‐5015

    【公式サイト】https://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/bunka_rekishi/1020607/
    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

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ライタープロフィール

餅田佑子

餅田佑子

大学卒業後はモンゴルで1年暮らした経歴あり。現在はフリーライター。たびらいでは三浦半島を中心とした記事を執筆しています。青ヶ島、礼文島など島旅が好き。ご当地ようかん図鑑を作るのが夢。