謝花きっぱん店|日本で唯一の専門店。琉球王朝時代の宮廷菓子はとっておきの沖縄土産に
那覇市|【更新日】2024年6月4日

その土地で長く愛されている銘菓との出合いは、旅の大きな醍醐味!
ここ沖縄にも数多くの美味しいお菓子がありますが、中でも、製造工程に大変な手間ひまがかかることから、県内でもたった一軒のみが製造・販売する「橘餅(きっぱん)」や「冬瓜漬(とうがんづけ)」は、大切な方へのお土産にふさわしい逸品です。
琉球王朝時代から伝わる沖縄伝統のお菓子を求めて、那覇市にある「謝花きっぱん店」へ足を運んでみませんか。
目次
創業から6代にわたって歴史を繋いできた老舗
「謝花(じゃはな)きっぱん店」の創業は1888年ごろ。沖縄が日本に復帰した1972年から那覇市松尾(なはし・まつお)で店を切り盛りしていた4代目の謝花澄子さんから、その孫にあたる6代目店主のひさのさんへと伝統製法が受け継がれ、今年で12年目を迎えます(2024年5月時点)。
過去には秋篠宮皇嗣妃殿下もお越しになったという同店。店内には、大正時代に掲載された新聞広告が飾られており、その長い歴史を感じることができますよ。
砂糖のお化粧をほどこした、気品あふれる「橘餅(きっぱん)」
気の遠くなるような手しごとの末に生まれる、気高い美味しさ
小さな菓子に隠れた歴史と職人の手技に想いを馳せて…
およそ300年前に中国の福州から沖縄に伝わったとされる「橘餅(きっぱん)」は、県産の柑橘類を練って乾燥させた伝統菓子のひとつです。
主原料のミカンは、希少な沖縄在来柑橘類であるカーブチー、九年母(くねんぼ。沖縄方言ではクニブーなどと呼ばれる)、沖縄県北部地域で広く栽培されているタンカンといった香り高い数種類をブレンドして使用。ミカンの皮を剥くところから全て手作業で行われ、5日間もの日数をかけてようやく出来上がります。
特に、ミカンを大きな銅鍋で練る工程においては、火加減の調整が非常に難しく、熟練の職人の目で見極めながら焦がさないように丁寧に練っていくのだといいます。
真っ白な砂糖の衣を纏った「橘餅」は、小さくカットして味わって。
表面が乾燥していたら、両手で表面にコーティングされた砂糖をしっとり馴染ませた後に、包丁を強く押しつけず刃を滑らせるように入れると、きれいにスライスできますよ。
口に運べば、南国特有の柑橘がもたらす濃厚な香りとともに、上品な甘さとほろ苦さが醸す奥行きのある余韻の虜になることでしょう。
こちらには保存料・添加物は一切使用していないため、ぜひお早めにどうぞ♪
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あの野菜がこんなに美味しくなるなんて!「冬瓜漬(とうがんづけ)」
琥珀色の断面がキラリ。ひと口のインパクトに貴方もきっと驚くはず
琉球王朝から伝わる冬瓜漬は、お茶請けにぴったり
そして、「冬瓜漬(とうがんづけ)」もまた、愛情を込めて丁寧につくっている貴重なお菓子です。
地元ではさまざまな料理に利用される冬瓜。県外や海外の方だとあまり馴染みがないという方もいらっしゃるかもしれませんが、店頭にはつややかな緑色の冬瓜が並べられているので、訪れた際には注目してみてくださいね。
そんな県産の冬瓜と砂糖だけで、ゆっくり、ゆっくり、時間をかけて煮詰めてつくられるという「冬瓜漬」。冷凍庫に入れても固まらないので、夏の暑い日には冷やして味わうのも一興です。カリカリ食感と冬瓜の香り、そして中から滲み出る蜜とのコントラストを楽しめますよ。
ワイン×琉球菓子、意外なマリアージュにハマる
ちょっとクセになる甘さは、お酒との相性も◎。例えば、冬瓜漬と一緒に塩けの強いブルーチーズをクラッカーにのせて、ワインをゴクリ…♪なんてアレンジもおすすめです。
“オトナの贅沢”なひとときに、こんな新商品はいかが?
食べると運気もアップ⁉️ハブ酒とコラボした冬瓜漬も
2024年から新たに展開する「冬瓜漬《ハブ源酒》」には、「南都酒造所」産のハーブ入りハブ酒を使用。古くからハブ(蛇)は、滋養豊富・子孫繁栄・金運上昇の縁起物としても珍重されてきたそうなので、自宅でのプチ贅沢なおやつタイムに味わうのもいいですね。なお、こちらにはお酒が使用されているので、お土産に手渡す際はひとこと添えるのを忘れないようにしましょう。
さらに、直接来店したお客様だけのお楽しみとして、冬瓜菓子をつくる際に一緒にできる冬瓜蜜と青切りシークヮーサーの炭酸割りを味わうこともできますよ。環境に配慮した紙コップとキャッサバ(熱帯性作物)のストローを使って提供されている点も、老舗店としてこれからも地域を大切にしたいという温かな想いを感じますね。
伝統を大切に守りながらも、次の世代にも愛され続けるために
希少な伝統菓子を、琉球王族気分で味わってみては?
現在は、新商品を2年に1回のペースで発表するなど、300年以上愛されてきた伝統菓子の歴史と技術を守りながらも、次々と新しいチャレンジにも積極的に取り組んでいる「謝花きっぱん店」。今年も試作づくりに毎日励んでいるとのことで、はじめての方はもちろん、何度も通う常連客の心も、これまで以上にぎゅっと掴んで離さないことでしょう。
最後に、現店主のひさのさんは「今生きている私たちが祖母(4代目)と父(5代目)が大切に受け継いできた伝統をしっかりと守り、これからも皆さんに喜ばれるお菓子を発表し続けていきたいです」と、6代目として胸に秘めた想いを明かしてくれました。
「謝花(じゃはな)きっぱん店」へのアクセス・基本情報
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【住所】沖縄県那覇市松尾1丁目5-14
【問い合わせ(電話番号)】098-867-3687
【営業時間】10時~17時(土曜は10時~16時)※完売次第終了
【定休日】日曜(祝祭日は通常通り営業)※臨時休業する場合あり
【駐車場】なし ※近隣のコインパーキングをご利用ください
【公式サイト】https://www.jahanakippan.com/
【公式SNS】Instagram:@jahanakippan
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。