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伊豆半島「丹那断層公園」の見どころをご紹介。北伊豆地震の痕跡から学ぶ旅

函南町|【更新日】2024年5月13日

伊豆半島「丹那断層公園」の見どころをご紹介。北伊豆地震の痕跡から学ぶ旅

日本国内では10地域が認定されているユネスコ世界ジオパーク。静岡県の伊豆半島もその一つです。

半島内には特徴的な景観が広がり、今もなお動き続ける大地の様子を随所で感じます。今回は「丹那(たんな)断層公園」に実際に行った見どころを紹介していきます!

目次

丹那断層公園ってどんな所?

特徴的な地形を持つ伊豆半島の成り立ちとは?

丹那断層公園1

整備された丹那断層公園にはお手洗いも完備しています

丹那断層公園について知ろう!と思ったら、伊豆半島の成り立ちを学ぶことは必要不可欠です。

伊豆半島ははるか昔、遠い南の海からフィリピン海プレートの北上と共に移動してきました。その後、本州に衝突したことで今の伊豆半島の形が作られたのです。

各所には過去の火山活動がもたらす特徴的な景観と、そこから湧き出る豊富な温泉があります。

北伊豆地震によって生じた断層のずれを保存した公園

丹那断層公園2

北伊豆地震について解説するパネルも設置されています

丹那断層公園は伊豆半島の付け根の部分、函南町にあります。

1930年11月26日に発生した静岡県伊豆地方を震源とするマグニチュード7.3の北伊豆地震。伊豆半島の北東部に南北に伸びる丹那断層などの活動により生じました。

この地震によりできた断層のずれは実際に目で確認することができ、それを保存しているのが丹那断層公園になります。

北伊豆地震の痕跡を丹那断層から確認してみよう

丹那断層によって生じた横ずれを実際に見られる場所

丹那断層公園3

北伊豆地震により、丹那断層が“横ずれ”した様子を観察できます

ここでは、当時は一直線だった石垣が丹那断層によって“横ずれ”した様子が観察できます。

写真に映っているのは当時の水路なのですが、もともとはサークル状に石が並んでいたそうです。しかし北伊豆地震により、丹那断層に沿って左右にずれてしまいました。

サークルの上側が左、下側が右にずれているのがわかりますか?距離にしてなんと2m程にもなります。

ジオパークの存在意義を実感しよう

丹那断層公園4

断層によりこんなにズレが生じるとは……。驚きです

別の角度からの写真です。写真奥に赤色の支柱が立っているのが見えますか?これが丹那断層の境目になるのですが、これに沿って横ずれした様子が良くわかります。

資料によると丹那断層は、もともと繋がっていた2つの川までも分断してしまっています。自然の持つ力は計り知れず、時に脅威をも感じますね。

ジオパークは自然の豊かさや恩恵を感じる場所であると同時に、過去を学び、未来を考えていく場所でもあることが納得できます。

断層の動きを地下から観察できる地下観察室も必見

丹那断層公園5

ここには屋根もあるので、雨の日でもゆっくり見学ができます

地上からの観察だけでなく、地層のずれを地下から観察できる地下観察施設もあります。きれいに整備され、わかりやすい解説パネルも設置してあります。

このような施設は地学的に見てとても貴重だそうです。併せて見学してみてくださいね。

地震の痕跡を大切に保存する丹那断層公園

風光明媚な伊豆半島。ですが自然のもたらす恩恵と脅威はいつでも表裏一体です。

地震の痕跡を大切に保存する丹那断層公園は、当時の記憶を風化させないためにも重要な役割を担っています。

楽しむだけではなく、学ぶ旅も時にはいいのではないでしょうか?普段より深い旅の味わいを発見できるはずです。

丹那断層公園へのアクセス

  • 【住所】 静岡県田方郡函南町畑字上乙越253-4

    【駐車場】 あり(無料)

    【営業時間】 なし

    【定休日】 なし

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。

ライタープロフィール

新井夏海

新井夏海

神奈川県横浜市出身。静岡県の大学に進学し海洋学を学ぶ。卒業後は地元で海系旅行誌を発刊する出版社の編集ライターを経験。“自然のそばで暮らしたい”という思いから静岡に戻りフリーライターへ。現地の魅力を取材・執筆しながら、趣味の旅行、マリンスポーツ、キャンプ、車中泊旅を楽しむ。