滝と海が繋がる八重瀬(やえせ)の絶景スポット「ギーザバンタ(慶座絶壁)」
八重瀬町|【更新日】2024年7月1日

沖縄県南部に位置する八重瀬町(やえせちょう)は、手つかずの豊かな自然と最大最古の村落獅子がある、歴史溢れる町です。
そんな八重瀬町で有名なのが、滝と海が繋がる「ギーザバンタ(慶座絶壁)」。
迫力ある滝を間近で堪能でき、壮大な海を一望できる絶景スポットです。今回は特別に、その魅力と歴史について八重瀬町ガイドの会の嘉数さんにお話を伺ってきました。
目次
水神様が住む「ギーザバンタ(慶座絶壁)」
昔から人々に親しまれ大切にされていた場所
勢いよく流れる地下ダムの余剰水!
ギーザバンタは昔から水が豊富で、崖の中腹あたりから常に水が湧き出ていたのだそうです。その様子がまるで滝のように見えたこともあり、「銀河」と書いて「ギーザ(沖縄の方言ではギージャ)」と呼び親しまれ、地域の人々が使う生活用水として大切にされてきました。
現在では、湧き水を貯めるために長さ1kmほどの止水壁を作り、地下ダムを建設。南部水道企業団が農業用水として使っています。
今では迫力ある滝として有名ですが、実はこんなにもたくさんの水が流れ始めたのは、つい最近の出来事。
「以前は比較的おだやかな流れでしたが、2001年ごろから地下ダムの水が増し余剰水が溢れ、崖から流れ落ち始めた為にこんなにも大きな滝になったんですよ。」と嘉数さんは言います。
ギーザバンタに伝わる「水神様」伝説
その地で聞くからこそ、想像力を掻き立てられます♫
昔から人々に親しまれているギーザバンタには「水神様伝説」という話があるそうなので、教えてもらいました!
その昔、琉球王国時代、ギーザバンタがある場所は「具志頭間切(ぐしかみまぎり)」という名の土地でした。そこに住む人々は、水神様には「どんな嫌なことも跳ね除けてくれるパワーがある」と信じており、生活用水としてはもちろん、時には祈りの場所として人々は使っていたのだそう。
祈りの方法は、水で綺麗に手を洗い、額に3回水をつけ、願いを伝える「みじなでぃー(水撫)」という儀式が用いられていました。そうすることで、水神様からパワーが貰えると具志頭間切(ぐしかみまぎり)の人々は信じていたそうです。そのため、何か叶えたい願いがあるときは、ギーザバンタで水神様に祈りを捧げれば叶うという言い伝えが語り継がれました。
しかし、この話には注意点があるんだとか。なんでも、水神様が嫌いな「赤い色」を身につけて訪れてしまうと、逆に災いが降りかかると言われています。そのため、赤い色を身につけてギーザバンタに行くことは、昔から禁止されているそうですよ。
もし訪れるなら、赤い色を身につけていないかチェックしてくださいね。
崖上と崖下!まったく違うアングルから大自然を堪能できる絶景スポット
どこまでも続く青い海!崖上から見える景色を堪能
この日は干潮ということもあり、ちょっとだけ海が遠くに見えました。
青い空、青い海、沖縄ならではの雄大な景色が一望できるギーザバンタは、太平洋に面した位置にあるため、崖上からは広大な海を見渡すことができます。
この絶景が一番映える時間帯は、太陽が真上にある午前11時~午後14時頃がベスト。青い海を見るなら、この時間帯を狙って行ってみてくださいね。
取材時は前日が大雨、当日は曇りということもあり海の青さは半減していますが、快晴の日は美しく煌めく海を見ることができますよ。
蝶々がヒラヒラと舞う木々のトンネルを抜けると…
木々のトンネルを進んでいくと、目の前に広がるのは青い海♡
崖下に向かう途中には、地下ダムから溢れ出た水が通る水路が通っています。この時点で、話声をかき消すほどの水音なのですが、崖下はもっと迫力満点なんだとか。
ワクワクドキドキしながら、進んでいきます。
急勾配の坂を下っていくと、開けた場所に到着。ここは丁度、崖の中腹よりも少し下の位置にあるため、崖上から見える景色とは一味違う景色を見ることができました。
そこから、更に崖下へと移動。ここからは全く整備されておらず、自然に削られた琉球石灰岩をつたい降りて行くため、安全のためにも慎重に歩を進めていきましょう。
大自然の迫力を間近で体感できる滝壺
大迫力の光景!荒々しく流れる滝の向こう側に広がる景色は…。
崖下に到着!そこには、息を呑むほどの壮大な景色が…。思わず見入ってしまいました。
また、この日は前日が雨だったということもあり、水量が普段よりも多く滝から流れ出る水の勢いも倍増。雨量によって滝の勢いが異なるのも、ありのままの自然が残る絶景スポットならではの現象です。
どこまでも続く広い海!見ているだけで心も癒されます♫
ギーザバンタの魅力は、なんといっても滝と海が同時に見られるということ!
海と滝それぞれを楽しめる場所は幾つもありますが、同時に見られるのは滅多にありません。
普段目にする海とは違う景色を見たい、沖縄の豊かな自然に触れたいという方は是非行ってみてくださいね。
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ギーザバンタに行く時の注意点!
歴史的にも大切な場所、訪れる際は節度ある行動を大切に。
ギーザバンタは戦時中、多くの市民が避難した壕が残る場所の1つ。
戦跡国定指定公園の1つでもあるギーザバンタは、戦時中多くの市民が避難した場所とも言われています。今でこそ、絶景スポットとして多くの観光客が訪れていますが、歴史的に貴重な場所という事は変わらないためモラルを守って訪れるようにしましょう。
また、滝下に降りるのであれば安全面にも十分な注意が必要です。例えば、滝下に降りる道は整備されていないため足元に気をつけること、一番下まで降りるのであれば、波によるトラブルを避けるためにも干潮の時間帯に訪れるなど、安全面に関する事前確認も忘れないようにしましょう。
おすすめの服装
急勾配の坂を下ったり、崖を降りるため動きやすい服装がおすすめです。足元は安全のためにも、歩きやすいスニーカーかマリンシューズを用意しましょう。ヒールのある靴やビーチサンダル、裸足などは危険なので絶対に禁止です。
最寄りの観光スポット
ギーザバンタの近くには、観光スポットも豊富にありました。
例えば、最寄りには八重瀬町で採れた新鮮な野菜、お土産、フードが味わえる「南の駅やえせ」。少し離れた場所には、沖縄県営平和記念公園、琉球ガラス村、おきなわワールド文化王国・玉泉洞などもあるので、ギーザバンタで絶景を楽しんだあとは、周辺の市町村にある観光スポットに足を運んでみてはいかがでしょうか。
ギーザバンタへのアクセス・基本情報
【住所】〒901-0514 沖縄県島尻郡八重瀬町
【駐車場】無し(タクシーなどの公共交通機関をご利用ください)