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シーサーの元祖!?手彫りで作る「スタジオde-jin」の 石獅子たち

那覇市|【更新日】2024年5月15日

シーサーの元祖!?手彫りで作る「スタジオde-jin」の 石獅子たち

「首里城公園」や「首里金城町石畳道」など、沖縄の歴史と趣が残る「首里」。
昔ながらの茶屋をはじめ、ローカルな雰囲気が楽しめるさまざまなジャンルのお店が並んでいます。

その中のひとつが「スタジオde-jin(デージン)」。コロンとしたフォルムがかわいらしい「石獅子(いしじし)」工房です。

今回は、店主の若山さんご夫妻から石獅子の歴史と魅力を伺ってきました。

目次

工房を営むご夫婦と石獅子たちがお出迎え♪

de-jinの店舗前に並ぶ石獅子

琉球石灰岩を削って作られ作品たち♪中にはクワッチー弁当も!

ゆいレール儀保駅・首里駅から徒歩8分の距離にある「スタジオde-jin」。

ガラス越しに見える「石獅子」たちがすでに可愛く、入る前からワクワクします♪

お店の中に入ると、大きさも表情もさまざまな石獅子たちがズラリ。初めて来る方は、その数の多さに圧倒されてしまいます。

ぽってりとしたフォルムのシーサーに目が釘付けになりますよ。

対の石獅子のように仲良しな若山ご夫妻

de-jinを営む夫婦

一緒に県内の石獅子を見に行くこともある程仲良し♪

工房を営むのは、若山ご夫婦。

大地さんが石獅子を彫り、恵里さんが村落獅子(石獅子)のある場所、どんな種類のものがあるか調べています。

今では石獅子作りに夢中の大地さんですが、実はシーサーを作るのが嫌だったんだとか。しかし、那覇市上間にある「カンクウカンクウ」という名の石獅子に出会ったとき「ビビビッと」感じたのが、キッカケだったと言います。

「自然に生まれる感情感覚で作られたような、技術だけじゃないその魅力に衝撃を受け、直感的にコレだ!と思ったんですよね〜。」と話してくれました。

その後、恵里さんも石獅子の魅力にどっぷりハマり、今では40年前の石獅子の資料を片手に県内を巡ったり、自身で本を出版するほどに。

石獅子とシーサーって違うの?

de-jinの石獅子

いろーんな表情の石獅子たち、優しい雰囲気が若山ご夫妻に似ているかも…。

気になるのは、「石獅子」と「シーサー」の違い。

作っている素材が違うだけなのかな?と思っていたのですが、実は「石獅子」が陶製シーサーの元祖!これは、沖縄県民でも知らない人が多いのではないでしょうか。

1689年頃に設置された「富盛(ともり)の石彫大獅子」が村落獅子の始まりと云われており、当時、火事の多かった富盛村(現在の八重瀬町富盛)の人が、風水師の蔡応瑞(さいうんずい)に相談したところ「火山(ヒーザン)のひとつ八重瀬嶽(岳)に向かって、口を開けた獅子を置け」と指示。

その通りに石獅子を設置したところ、火事は見事に落ち着いたといわれています。

その後、周辺村落に広まり、庶民でも手に入れやすい琉球石灰岩を削って作られた、石獅子を守り神として村を囲うように置きはじめたそうです。

ちなみに、漆喰シーサーは明治中頃、1889年に民家への赤瓦使用が解禁された後に、瓦職人によって余った漆喰や瓦を使って家主へのプレゼントとして屋根獅子が設置されたのが始まりのようです。

一方、陶製シーサーは戦後、壺屋で陶器作りを許された職人が作ったのが始まりです。

石獅子を作る工程を見学させてもらいました!

de-jinの琉球石灰岩

色、形の違う琉球石灰岩の量の多さに驚き!

入ってすぐ目に入ったのは、山積みにされた大小さまざまな琉球石灰岩。

小さいものは片手で持てるサイズでしたが、大きいものは両手で持つのも一苦労。中には大地さん1人では持てないほどの大きさの石も。

一つひとつ全て手作業

de-jinの彫り師さん

早いときは1日で20個近く作る時もあるそう。

スタジオde-jinで作られている「石獅子」は全て手彫り。

四角くカットされた琉球石灰岩を、各種類に合わせて整えていきます。

工具を使い可愛らしい表情へと仕上げる

石獅子の顔を作る姿

どんな表情の石獅子に仕上がるのかワクワク♪

形が整ったら大地さんの出番。

万力に挟み、顔など細かい部分を彫っていくのですが、その姿はまさに職人。

あっという間に石獅子の表情が浮かび上がってきました。

この作業を一日に何回も繰り返し、いろんな表情の石獅子を作っています。

スタジオde-jinで人気の石獅子たち!

de-jinで人気の石獅子top3

de-jinで人気の石獅子TOP3をご紹介☆

丁寧に手彫りで作られた石獅子たちですが、その中でも人気なのがこの3体。

真ん中に位置する「スクチャーシーサー(ひょうきんもの)」。

この石獅子(シーサー)は大地さんが初めて対の石獅子を意識し作った作品。

石獅子は本来1体で置かれている物が主流だったため、1体づつ販売していたそうですが、対の石獅子を求める人が多く作るようになりました。

右下にあるのは「振り返りシーサー」

このカタチは「de-jin」オリジナル。小中大と大きさも選べるので、他では手に入らない石獅子をGETしたい方におすすめです♪

左下の茶色い子は「チッピルーシーサー(小さい)」

「粟石」という星砂などが推積しできた柔らかい海の石を使い作られています。

元々は口を閉じているものしか無かったそうですが、お客さんからの多くのリクエストあり口を開けているタイプも作り、今では人気商品の1つに。

プレゼントにも最適!オリジナル石獅子を作ってもらおう

いろんな種類の石獅子

石獅子の中に紛れて沖縄の人気フードも♪

スタジオde-jinでは、オリジナルの石獅子制作依頼もOK!

最近は赤ちゃんの出生体重と同じ重さの石獅子も作ったそうですよ。

ウェイトドールならぬ「ウェイト石獅子」。

赤ちゃんの成長を見守る、素敵な守り神になってくれそうですね♡

名前を彫ることもできるので、名入れやオリジナル制作の依頼がある場合は、若山ご夫婦に相談してみましょう。

ミニサイズの石獅子、塩守りストラップは旅行のお土産にも。

de-jinのお守りストラップ

塩が災いを避けてくれると言われているため、沖縄では塩をお守りとして持つことも!

大きな石獅子は重くて持ち運びにくい・・・。でも欲しい!という方におすすめなのが、ミニサイズの石獅子、石敢當、塩守りストラップ♪

小さめのサイズなら約0.3~0.6kgの重さと持ち運びやすい大きさです。

塩守りストラップは、奥さんの恵里さんが首里の旗頭を元にデザイン。

全部で17種類あるので、お気に入りのデザインを探してみてはいかがでしょう。

コロンとしたフォルムが可愛い「石獅子」に会いに行こう

那覇市首里にある「スタジオde-jin」をご紹介いたしました。

「沖縄を好きな人、これから沖縄を知っていきたいと思っている人に石獅子の魅力を伝え、知って欲しい」と語る若山ご夫婦。

沖縄好きのリピーターの方、あるいは沖縄を始めて訪れる人にこそ、チェックしておいて欲しい場所の1つです。

工房の中には、今回の記事では紹介しきれないほど沢山の石獅子が並んでいたので、是非かわいいフォルムの彼らに会いに行ってみてくださいね。

「スタジオde-jin(デージン)」へのアクセス・基本情報

【住所】沖縄県那覇市首里汀良町1-2 1階

【問い合わせ(電話番号)】098-887-7466 (fax兼)

【営業時間】10時~18時

【定休日】日曜日、不定休(来店される際には電話していただけると助かります)

【駐車場】店舗横に1台(大型は入りません)

【公式サイト】http://www.de-jin.com/

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ライタープロフィール

運天杏奈

運天杏奈

生まれも育ちも沖縄!沖縄の魅力をもっと多くの方に伝えてみたい、まだ見ぬ沖縄の魅力を発見したいと思うようになりフリーライターへと転身。ビールと海が大好きで、休日は息子とビーチクリーンをやったり、気になるビールを買いに行ったりと県内各地をウロウロするのが私の楽しみです。