甲州の伝統工芸を伝える「印傳博物館」印伝の歴史や施設の見どころをご紹介
山梨県|【更新日】2024年4月3日

山梨県の地場産業である「印伝(いんでん)」。
ショップだけではなく、印伝の歴史や貴重な資料が鑑賞できる「印傳博物館」をご存じでしょうか。
買い物のついでに立ち寄れる「印傳博物館」の魅力をご紹介します。
目次
印傳博物館には古典作品や武具・参考資料が所蔵
江戸時代以前から昭和初期の鹿革工芸品や古典作品
貴重な鹿革工芸品がずらりと並んでいる。
印傳博物館は、革工芸文化普及と、後世へ技術を伝えることなどを目的として作られました。
館内には鹿革工芸品や漆工芸品などの印傳作品を中心に、江戸時代以前から昭和初期の古典作品や、現代作品、関連する参考資料が1,500点ほど収蔵されています。
昭和から現代までに作られたバッグの展示や、印伝製品が作られるまでの過程が分かる映像を鑑賞することもできます。
映像からわかる繊細な印伝の製造工程
貴重な合切袋がたくさん展示されていました。
印伝の製造工程は、革の選別から模様付け、仕上げまでそれぞれの工程で専門の職人が制作しています。
館内にある映像で、印伝の製品がどのように作られているか、模様がどのように付けられているかわかります。
山梨出身の筆者は印伝の存在はもちろん知っていましたが、製造工程は見たことがなかったので大変学びになりました。
親子三代で盛り上がれる!歴代バッグの展示コーナー
「当時これ使ってた!」など親子で会話をしながら懐かしむお客様もいるそうです。
昭和から平成まで作られてきたオリジナルバッグが。階段上がってすぐにあるブースの一角に展示されています。
印傳博物館は親子連れも多く「自分たちがどのバッグを使っていたか」を和気あいあいと話しながら鑑賞する姿も。
バッグを通して親子の歴史が分かる貴重な展示物となっています。
シーズン限定の展示物は希少性が高く鑑賞が楽しめる
普段は撮影NGですが、特別に貴重な信玄袋を撮影できました。
印傳博物館では、シーズン限定の展示物が楽しめます。
取材時は、信玄袋と合切袋が展示されており、写真真ん中にある、紫色の信玄袋が特に印象的でした。
印伝は山梨県の伝統工芸品であり地場産業のひとつ
初代「上原勇七」が創案した伝統工芸品
繊細な模様が間近で見られるのも博物館の強みです。
印伝は、鹿革に漆づけなどの技法によって模様付けされた伝統工芸品です。
山梨の地場産業として有名であり、上原勇七が創案。創業は1582年。印伝の由来は「印度伝来」が語源です。
創業440年の老舗である印傳屋は、2022年に「14代目上原勇七」が誕生しました。
印伝の歴史はかぶとや鎧などの武具の装飾が始まり
レザークラフトが趣味の筆者ですが鎧革を見たのは今回が初めてでした。
印伝の始まりは、武具でした。初代上原勇七は、武将のかぶとや鎧などの武具の装飾を手がけていました。
江戸時代に入ると巾着や財布、大正時代に入るとハンドバッグが作られるように。印伝が武具始まりだと知らなかったので、間近で見られる良い機会でした。
印伝の商品は鹿革と漆の特性が活かされている
1階のショップに入ると可愛い鹿の絵がお出迎え。
印伝は、鹿革と漆の特性が活かされた製品が多数。
鹿革は軽くて柔らかいことが特徴で、使うほど馴染んできます。漆は漆の木の樹液のことで、水をはじく性質があります。
財布やバッグを実際に触ってみると、軽くて持ちやすいことが印象に残り、革をよく知らない方でも使い心地の良さが分かると感じました。
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1階のショップでは豊富な数の印伝商品が勢揃い
がま口や財布・キーホルダーなどの小物がたくさん
小銭入れだけでも種類が豊富。見ていて飽きることがありません。
1階のショップでは、がま口や財布などの小物が約600点ほど揃っています。
甲府本店で一番人気がある商品は、印鑑入れや小銭入れだそうです。
筆者は「薔薇柄の印鑑入れ」をいただいたことがあり、今でも大切に使っています。年齢を重ねても使えるデザインであることも魅力のひとつですね。
人気の商品「そよか」シリーズは売り切れになるほど
気になる商品がある場合はすぐに予約することがおすすめ。
筆者が訪れた際「そよか」シリーズが人気で、すでに売り切れていました。白い花のように見えて可愛らしい印象の模様です。
「そよか」が白黒のコントラストで描かれていることから、これまでにないタイプの印伝の製品であると感じました。気になる方は予約してみてくださいね。
山梨県以外に首都圏や関西にもショップが
店内には複数の休憩スペースが設置されている。
山梨県甲府市の本店だけではなく、東京都や大阪府など大都市まで拡大しています。
お近くにショップが無い方は、山梨観光がてらに印伝ショップに寄ってみるのもおすすめです。
定期的な人気商品は、小銭入れなどの財布類でお土産などの贈答品として選ばれています。
印傳博物館で歴史を感じつつ買い物を楽しもう
歴史や工芸品が好きな方におすすめのスポットです。
印傳博物館は印伝の歴史が学べるだけでは無く、買い物も楽しめます。
印伝を知らない方でも博物館に立ち寄ることで、より印伝の魅力がわかりますよ。
買い物ついでに、ぜひ立ち寄ってみてください。
印傳博物館までのアクセス
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【住所】山梨県甲府市中央3-11-15 印傳屋本店2階
【アクセス】JR甲府駅から徒歩15分
【電話】055-220-1621
【営業時間】10:00~17:00 本店:10:00~18:00
【定休日】本店休業日
【料金】200円
【駐車場】あり
【公式サイト】https://www.inden-museum.jp/