静岡県でも珍しい呈茶を体験!名園「清水邸庭園」で感じる日本の侘び寂び
静岡県|【更新日】2024年2月22日

静岡県掛川市、横須賀城の城下町として栄えた横須賀地区。古い家並みが今でも残るエリアです。歴史を感じる建造物や商店が軒を連ねる風景の中に「清水邸庭園」があります。
四季折々に変化する自然の中で、日本人らしい「侘び寂び」を感じながら、ゆるやかに過ぎていく時間に身を任せてみましょう。日常の喧騒を忘れてのんびりできます。
目次
江戸時代の造園の特徴を残す「清水邸庭園」
清水家の風情ある庭園の中を散歩しよう
清水家は江戸時代に回船問屋を営み、藩の御用達を勤めるなどして栄えた旧家です。
「八十様にはおよびもないが せめてなりたや殿様に」と俗謡にも歌われていて、清水家が繁栄した様子が思い浮かびます。
当時はお殿様よりお金持ちだったとも言われているのだとか……! 平成4年に整備され、一般公開されることになりました。
清らかな池を中心に自然豊かな庭園が広がる
大きな池と松が印象的な屋敷の回遊式庭園は、江戸中期に造られたものといわれます。湧水を取り入れた清らかな名園は「静岡県みずべ百選」にも選ばれています。
庭園内では小学生以下の子ども限定でコイの餌を配布していて、子どもたちが餌やりを楽しむ姿も見られました。
目の前でたててもらったお茶を楽しむ呈茶を体験
伝統の和風建築、数寄屋造りの「湧水亭」で呈茶体験を
整備に併せて建設された「湧水亭」では、目の前で本格的にたててもらったお茶と、季節のお菓子をいただく「呈茶」体験ができます。
甘酒・おしるこなどのお椀・茶碗・御猪口は清水家本宅のお蔵にあったものを使用しており、江戸・明治時代のものもあるのだそう。
高校生以上 510円、中学生以下 250円となっていて、一人での参加も大丈夫です。
呈茶体験は、静岡県でも限られた場所でしか行われていないので貴重な経験となります。金曜・土曜はこのあたりで作られた掛川抹茶でお茶をたててくれます。
四季折々に変化する庭園の景色を楽しむ
席はテーブル席もあるので、足腰が悪い方でも安心です。たて出しにはなりますが、縁側でお茶を楽しむこともできます。
1月中旬から2月初旬は梅、春には桜や新緑、11月中旬から12月初旬は紅葉と、四季折々に変化していく景色や、鳥たちの姿を見ながら過ごせます。
季節によりお点前やお菓子が変わるそうで、日本の良さを感じます。取材時の月替りのお菓子は「山茶花(サザンカ)」でした。
正式なお茶の作法では、お茶をたててもらっている間にお菓子をいただきます。
“たてられたお茶”を飲む経験。凛とした空間に少し緊張しましたが「あまり肩張らずに気軽に楽しんでもらえたら。決まりなど意識しないで大丈夫ですよ!」とのことでした。
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日曜限定公開の本宅も見どころたっぷり
このあたりでは見られない「左桟瓦」を見物
本宅は日曜日のみ公開されています。
本宅の瓦に注目してみると、さまざまな地域のものが使われているそう。例えばこれは四国地方の伝統的な瓦「左桟瓦」というもの。
隣の瓦に掛かる桟の方向が通常とは逆になっていて、ごく限られた地域で使われている瓦です。
回船問屋を営んでいた際、帰り荷として積んできたのでは?と言われているそうです。
「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」の会場にも
毎年10月の第4日曜日を含む金・土・日に行われる「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」は人気行事。遠州横須賀地区の古き良き街並みをそのまま美術館にするイベントです。
清水邸庭園も会場となっていますよ。併せて遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
車の場合は無料駐車場を完備しています。公共交通機関を使う場合は、袋井駅からバスを利用(約30分)するのがおすすめです。
自然の中に身を置いて、日本の文化を体験
静かな庭園を見ながらお茶を楽しむ、心安らぐ時間となりました。
忙しい毎日。たまには自然の中に身を置いて、ホッと安らげる時間を作ってあげることが大切ですね。「清水邸庭園」では、そんな時間をお過ごしください。
清水邸庭園へのアクセス
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【住所】静岡県掛川市西大渕5298-2
【営業時間】10:00〜16:00(湧水亭への入館は15:30まで)
【定休日】毎週木曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日から1月3日まで)
【駐車場】あり
【公式サイト】https://www.city.kakegawa.shizuoka.jp/kanko/spot-list/shimizuteiteien.html
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。