海の恵みは海産物だけじゃない!焼津「深層水ミュージアム」で楽しく学ぼう
焼津市|【更新日】2024年2月16日

“深層水”という言葉を聞いたことはありますか?私は「海の深いところの水で、普通の海水よりきれい」くらいの曖昧な知識しかありませんでした。
しかし今回「深層水ミュージアム」を訪れ、駿河湾深層水の秘密について楽しく学ぶことができましたので、ご紹介します。
目次
駿河湾深層水ってどんな水?
日本一深い駿河湾から汲み上げられる深層水
海洋深層水とは、日光が届かない水深200メートルより深いところの海水のこと。それに対し、海面近くの海水を表層水といいます。
最も深い場所は水深2,500メートルで日本一深い駿河湾。
現在、水深270メートルと397メートルの2箇所の取水口から深層水を汲み上げ、これを「駿河湾深層水」と呼んでいます。
冷たくてきれい、栄養いっぱいの水
深層水の特徴は3つ。
1つめは、年間を通じておよそ10℃以下と水温が低いこと。
2つめは、川などから流れこむ排水の影響をほとんど受けないため、表層水と比べてきれいなこと。
3つめは、表層水では植物性プランクトンが光合成に使う栄養分が消費されず、多く含まれていることです。
こちらの体験コーナーでは、駿河湾深層水に触れてその冷たさを体感することができますよ。
鮮魚の輸送や食品加工、さまざまな場面で役立つ
駿河湾深層水は焼津漁協や小川(こがわ)漁協に送水され、鮮魚の輸送や洗浄に活用。
また、海水魚の飼育や養殖、干物などの食品加工にも利用され、技術開発の研究もすすめられています。
こちらは活魚車、生きた魚を運ぶ車などに給水する施設です。
お隣の「アクアスやいづ」ではタラソテラピーも
深層水ミュージアム隣の「アクアスやいづ」では深層水や海泥などを使った海洋療法、タラソテラピーを受けることができます。
またプールでも深層水が使われており、体が浮きやすいので楽に泳げるそうですよ。
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絶景!駿河湾と富士山を見渡す施設
焼津港と小川港の間、駿河湾岸に立地
深層水ミュージアムは焼津港と小川港の間にあります。
2001年に取水供給施設、2003年に脱塩施設が作られた後、2004年に駿河湾深層水に関する知識や情報を発信するためミュージアムがオープンしました。
展望台から望む駿河湾越しの富士山
2階建ての施設屋上には展望台がありますので、天気が良い日にはぜひ上ってみましょう。
駿河湾や港、船の向こうには富士山がきれいに見えます。この日は小春日和で、のんびりと眺めを楽しむことができました。
取水供給施設、脱塩施設で3種類の水を供給
こちらは駿河湾深層水の原水をそのまま供給する施設。
奥の水色の建物が脱塩施設で、塩分を除いて淡水化した駿河純水と、濃縮して塩分を5%含む駿河濃水を作って供給しています。
駿河湾深層水の原水は200リットルまで100円、駿河純水・濃水は10リットル100円。
駿河純水を汲んでいた方にお聞きしたところ、飲水や料理用の水、特にラーメンを作るときに使っているとのこと。コーヒーやお茶を淹れる方も多いそうです。
駿河濃水は枝豆を茹でるとちょうどいい塩味がつくそうですよ。
とってもクリアな味。駿河純水を飲んでみよう
ミュージアムでは駿河純水を試飲することができます。海水から作られたとは思えないほどすっきりしたおいしい水で、もちろん塩味は全く感じません。
駿河純水を使用したコーヒーなども販売されていますので、ぜひ味わってみてください。
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見て、触って、味わって知る深層水の秘密
「深層水ってなんだろう?」の疑問に答える展示
こちらはミュージアム1階の展示室。工夫を凝らしたパネルや映像で、駿河湾深層水について楽しく学ぶことができます。
かわいい魚たちの水槽にも駿河湾深層水が使われています。
まず自分で考えてみる。それから答えを確認
展示室の壁にはテーマごとにパネルが並びます。「?」マークが付いているパネルは、外に質問、中に答えが書かれていますので、自分で考えてからパネルを開けてみましょう。
こちらは深海の水圧で潰された金属バットとカップ麺の容器。1,500メートルの深海では金属バットの先端はぐんにゃり、カップ麺は深さを増すほどぎゅっと圧縮されていきます。
気分は潜水艇乗組員。シアターで深海の生き物を覗き見
こちらのシアターでは、潜水艇で駿河湾を撮影した映像を放映。深海の生き物たちを潜水艇の窓から覗き見しているような気分になれます。
地球の海水は全てつながっていて、長い年月をかけてゆっくりと循環していることも動画で見ると良く理解することができました。
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不思議な深海生物やかわいい海の生き物の水槽
名前はまだない。謎の深海魚
なんともユーモラスなこちらの深海魚。
2022年に駿河湾の水深2,300メートル付近で捕獲されたもので、ソコボウズという深海魚に似ていますが、DNAや骨格が異なることが研究で分かってきました。
謎が解明され、名前が付けられる時が楽しみです。
生きた化石!サクラエビの網にかかったラブカ
こちらは大井川漁協のサクラエビ漁の網にかかったラブカ。
深海に生息し、詳しい生態はほとんど分かっていない珍しいサメです。原始的なサメの特徴が残っているため「生きた化石」とも。
レアな場面?泳ぐオオグソクムシを目撃!
こちらは深海で暮らし、基本的にはほとんど動かないオオグソクムシ。
この日は1匹だけ、遊泳肢というヒレのような器官を一生懸命動かしながら泳いでいるのを目撃しました。ご機嫌が良かったのでしょうか。
深層水取水管からやってきた駿河湾の住人
こちらも駿河湾の深海の住人たちの水槽。
チゴダラやアカザエビなどは、深層水取水管を通ってやってきました。長いトンネルを抜けて知らない場所に辿り着いた時はさぞかしびっくりしたのでは。
人類の未来を支える大切な資源、深層水に触れる場所
深層水にはミネラルなどが多く含まれ、地球の海水の約95%を占めるほど量が多く、比較的早く再生されるため、人類の未来を支える資源として注目されています。
ぜひ深層水ミュージアムに立ち寄り、海の恵みに触れてくださいね。
深層水ミュージアムへのアクセス
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【住所】静岡県焼津市鰯ヶ島136-24
【営業時間】9:00~17:00
【休館日】月曜日(祝日の場合は火曜日)、12月29日〜1月3日
【駐車場】あり、無料
【公式サイト】https://www.city.yaizu.lg.jp/shisetsu_annai/shinsousui-museum/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。