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掛川名物の葛湯「丁葛」といえば桂花園。老舗和菓子店の銘菓に心うるおう

掛川市|【更新日】2024年1月11日

掛川名物の葛湯「丁葛」といえば桂花園。老舗和菓子店の銘菓に心うるおう

古くからの葛の名産地、静岡県掛川市の名物「丁葛」をご存知でしょうか。

ころんとした昔ながらの包装も懐かしい「丁葛」は、鍋を使わずに一人分の葛湯を手軽に作ることができる銘菓。

今回は「丁葛」はじめ、おいしいお菓子を作り続ける老舗「桂花園」をご紹介します。

目次

掛川で明治から続く老舗和菓子店「桂花園」

松をくぐって覗きたくなる風情漂う店構え

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掛川駅から北東へ10分ほど歩くと、やがて「丁葛」の看板が見え、明治時代に創業された桂花園の老舗らしい風情ある店舗が現れます。

手入れが行き届いた門かぶりの松をくぐって、お店を覗いてみましょう。

屋号「桂花園」の由来は郷土の偉人に

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女将さんの中村泰子さんが、屋号「桂花園」の由来を教えてくださいました。

中村家のご先祖、中村葛嶺さんは江戸時代に掛川藩の藩学者を務めた郷土の偉人。この方の俳号、「桂花園葛嶺」から屋号をいただいたとのことです。

きびきびと立ち働く店員さんの活気あふれる店内

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店舗内にお客様が途切れることはなく、店員さん達がきびきびと立ち働きます。入店するとすぐに試食の「丁葛」が出され、目配り気配りを実感。

お店の奥には「丁葛」のほか様々なお菓子を作る工房が続きます。

掛川名物の葛湯「丁葛」とは?

「おいしい葛湯を手軽に多くの人へ」と作られた銘菓

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かつては病人食だった葛湯。私も風邪をひくと母が小鍋をかき回しながら作ってくれた遠い記憶があります。

「おいしい葛湯を多くの人に手軽に楽しんでもらいたい」と明治に作られた「丁葛」は、掛川を代表する銘菓となりました。

昔、掛川の家庭では葛粉を四角く固めて藁ひもで縛り、軒先に吊るして干していました。

「丁葛」の名は、葛粉の塊が豆腐に似ていたため、一丁・二丁と数えられていたことに由来します。

好きな味を1つから楽しめるのも嬉しい

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定番のくず湯、葛汁粉、くず茶の他に、体が温まりそうなしょうがやゆず、お子様も喜びそうなココア。

健康に気を付けている方に喜ばれそうなウコンや高麗人参、ピンクの包装がかわいらしいコラーゲン、目と舌で楽しめる金箔入りもあります。

どれも一つから購入でき、様々な組合せの箱入りセットも。

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この包装の筒袋やラベル貼りは全て手作り!葛粉を筒袋に詰めてこよりで口を結ぶのも手作業で行われています。

懐かしさや温かみを感じるのは、全てが人の手で丁寧に作られているからなのでしょうか。

必ず熱湯で一気に作る!夏は冷やしてもおいしい

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おいしく作る秘訣は、必ず熱湯で一気に作ること!器も熱湯で温め、「丁葛」を器に入れたら130~150ccの熱湯を一気に注ぎ、手早く透明感が出るまでかき混ぜるだけです。

寒い時期はこのまま熱々で。暑い時期は粗熱をとって冷蔵庫で冷やし、お好みのフルーツなどを添えるのもおすすめ。

熱湯の代わりに、熱々の牛乳でくず湯やくず茶、葛汁粉、熱々の紅茶でしょうがくず湯を作るアレンジレシピも寄せられているそうです。

さくっと軽い!梅の花の形がかわいい「小夜乃梅」

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桂花園には「丁葛」以外にもおいしいお菓子がたくさんあります。

こちらはその一つ、丸みを帯びた梅の形がかわいい「小夜乃梅」。掛川の名所、「小夜の中山」に由来する小さな最中です。

特に人気なのは紅白の皮に柚子餡が入った「ゆずっこ」。お年賀のお土産にも良さそうですね。

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今回は“季節限定”の文字に惹かれて栗あんのものをいただきました。

自家製の皮がさくっととても軽く、掛川産の栗を使ったあんととても良く合います。濃いめに淹れた掛川の深蒸し茶と一緒に楽しみました。

明治からの焼き型と作り方を伝承する「昔かすていら」

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こちらの「昔かすていら」は、明治からの焼き型を使い、当時の製法を守って作られるお菓子。

カステラには焼いてから切り分ける製法と、型で一つ一つ焼く製法があり、「昔かすていら」は後者にあたります。

焼き色を揃えるのが難しく、手間もかかるのですが、創業以来の作り方を大切に伝承。こんがりとした焼き目がとてもおいしそうですね。

夏にひんやり、冬はこたつで「丁葛あいすバー」

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今年デビューの新商品、「丁葛あいすバー」。葛が使用されていますので、溶けても形は変わりません。

冷凍庫から出してすぐにかじるか、少し溶かしてシャリシャリの歯触りを楽しむか、もう少し我慢してひんやりプルプル食感になるまで待つか。お好みのタイミングでどうぞ。

つぶあんは甘さ控えめ、小豆の味をしっかり感じました。

お土産に喜ばれる。自宅にも常備したい掛川名物「丁葛」

掛川では、葛の茎から作った糸を織って葛布を、根からデンプンを取り出して葛粉を、生活の中で活用してきました。

現在、桂花園の店主は4代目。中村泰子さんの息子さんが務めます。

明治から続く菓子作りの伝承と、古くから掛川で大切にされてきた葛の活用。その両方を担い、今日もおいしいお菓子を作っています。

「丁葛」は掛川旅行のお土産にぴったり。また、自宅に常備してあると疲れた時にもさっと作ることができて安心ですよ。

桂花園へのアクセス

  • 【住所】静岡県掛川市仁藤町10-1

    【営業時間】9:00~18:00

    【定休日】水曜

    【駐車場】あり

    【公式Instagram】https://www.instagram.com/keikaen/

    ※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。

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ライタープロフィール

芦馬 実

芦馬 実

静岡県浜松市出身。現在はフリーランスのライターとして静岡県の魅力を発信中。牛乳やヨーグルト、チーズが大好きで、旅先では地元産の乳製品を必ずチェックする。直売所と道の駅にはついつい寄ってしまう。