静岡を代表する日本酒「開運」を造る「土井酒造場」の直売所に潜入!
掛川市|【更新日】2024年1月1日

明治5年(1872年)創業の静岡県掛川市にある土井酒造場。以来、日本酒一筋で酒造りを続け、静岡を代表する銘酒「開運」を造っています。
地元、小貫の発展を願って「開運」と名付けられた日本酒。酒蔵には直売所も併設していて、多彩な「開運」に出会えます。
今回、5代目蔵元の土井弥市さんにお話を伺いました。
目次
食の宝庫、静岡!食事に合わせやすい味わいの「開運」
料理の邪魔をせず、その良さをさらに引き立てる食中酒
華やかな甘い香りで、それだけで楽しめるような日本酒が最近の流行りですが、土井酒造場ではそういった酒は造りません。
日本一高い山の富士山と、日本一深い湾の駿河湾。海と山に囲まれた静岡は、おいしい食材の宝庫です。
それらを使って作るさまざまなスタイルの食事に合うように、香りが穏やかで、透明感のある味わいを「開運」は追求しています。
だからすっきりとしていて食事と合わせやすく、飲み飽きしにくい味わいとなっています。
さまざまなコンテストで受賞歴がある実力派の銘酒
「開運」はさまざまな賞も受賞しています。
魚介類に合うのはもちろんですが、イタリアなど海外で行われたコンテストでも受賞歴が多数あり、プロシュートなどの洋食とも合うというのだからびっくりです。
伝統を継承し続けながらも変化を続ける「開運」
飲み飽きない味の決め手となるのは「静岡酵母」
使用している酵母は、県内でしか使用が許されていない「静岡酵母」です。静岡酵母にも数種類がありますが、土井酒造場がメインで使っているのは3種です。
なかでも約40年前に土井酒造場の蔵から発見されたという「HD-1」は欠かせません。
昭和61年の全国新酒品評会において、静岡の酒が大量入賞したときの立役者となった酵母でもあります。
創業以来、150年以上変わらない仕込み水
戦国時代に徳川・武田の両雄が攻防戦を繰り広げた決戦場の「高天神城」。その高天神の麓から汲み上げた南アルプスの伏流水が仕込み水に使われています。
これは創業から150年ずっと変わりません。今でも酒造りが始まると、3キロほど離れた場所から、毎日蔵へ運び入れています。
おいしい日本酒が造れる自然環境に感謝し続ける
土井酒造場では、環境に配慮した酒造りを行っています。酒造りでは洗米するときの排水が、川を汚染する原因となります。
土井酒造場では大型の浄化槽設備を導入していて、排水が100%処理できます。また、太陽光発電パネルも敷設しています。
米、麹、酵母、水のみによって造られる日本酒は、豊かな自然環境の上に成り立っています。
「自然を大切にすることが、酒造りをする私たちの使命です」と土井弥市さんは語ります。
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さまざまな「開運」が並ぶ直売所へ潜入!
暑い夏が続いた2023年の「開運」の出来栄えは?
酒造りは雑菌が繁殖しにくく、蒸米を冷ます作業が行いやすい、10月〜翌4月の寒い時期に行われます。特に12月は最盛期。寒さが深まったときに最高級の酒が仕込まれます。
2023年は日照量が多かったため、硬い米が育ちました。硬い米で造った酒は、キリッと締まってきれいな酒になるそうです。
土井酒造場の酒蔵には直売所もあります。併設しているからこそラインナップが素晴らしく、サイズ違いも含めて、年間約50種ほどが入れ替わりで並ぶそうです。
これを選べば間違いなし!王道の「祝酒 特別本醸造」
「開運」の王道は「祝酒 特別本醸造」。初めての方はこれを選べば間違いないでしょう。
2回の火入れを行い、半年熟成させています。
冷やしてはもちろん、燗にしてもおいしいのが特徴で、飲みやすくて普段使いにもぴったりです。
新酒の時期のお楽しみはしぼりたての新酒
新酒の季節、毎年一番はじめにしぼる酒で、できたてをそのまま瓶詰めした生酒が「生しぼりたて」です。
アルコール度数は19%と高めですが、フルーティーな香りで度数の高さも気にならないそうです。
創業150年を記念して造られた数量限定の特別版
創業150年を記念して造られた「純米大吟醸 諸法無我 New fortune since 1872」。
土井家の家紋「沢瀉(おもだか)」がデザインされた金箔押しのゴージャスな化粧箱に入っています。
土井酒造場初となる25%精米の贅沢な純米大吟醸です。
葛の花の酵母を使う、地元ならではの逸品
掛川市の伝統工芸である葛布。日本三大古布の一つです。その原料である葛の花から採取した花酵母を使ったのが「葛の里」です。
土井酒造場の酒の酸度は1.5が平均ですが、これは2.5もあります。白ワインのような風味もあり、三ツ星レストランなどでも提供される逸品です。
食中酒はもちろんのこと、デザート酒としても楽しめます。
歴史の風格を感じる蔵元へ「開運」を買いに行こう
「酒造りは10月に始まったら翌年4月まで止まることができません。
働く人たちの家庭と仕事の両立のために、機械化できるところは変えていったり、柔軟に対応していく必要があります」と語る土井弥市さん。
守るべき伝統は守り、時代とともに変革すべきところは変革する土井酒造。「開運」を購入しに訪れてみてくださいね。
「土井酒造場」へのアクセス
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【住所】静岡県掛川市小貫633
【営業時間】8:00〜17:00
(定休日:会社のカレンダーに準ずる。冬場は日祝休み。夏場は土日祝ですが、事務所にスタッフがいれば購入可能)
【駐車場】あり
【公式サイト】https://kaiunsake.com
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。