掛川のことだまのお社「事任八幡宮」。あなたの願いを言葉にしてみよう
掛川市|【更新日】2023年11月29日
今、あなたが神様にお願いしたいことはなんですか?
「事任(ことのまま)八幡宮」は静岡県掛川市に古くからある神社。願い事が“ことのまま”に叶う言霊のお社といわれています。
由緒ある神社の境内の様子や、珍しいお参りの仕方などをご紹介しましょう。
目次
枕草子にも書かれた由緒ある古社「事任八幡宮」
多くの旅人が訪れた東海道・日坂宿に立地
事任八幡宮があるのは、東海道が日坂宿に差し掛かろうとする地点。
東に向かう旅人にとっては、東海道三大難所の小夜の中山と“箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ”大井川へこれから向かおうとする場所にあたります。
旅人が道中の無事を事任八幡宮でお祈りしたことが、十六夜日記などさまざまな古典の紀行文に記されているんですよ。
願いが“ことのまま”に叶う言霊のお社
お祀りされている主祭神の己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)は、「言の葉で事を取り結ぶ働きをもたれる」神様、言の葉を通して人々に加護を賜う「ことよさし」の神様として大切にされてきました。
八幡大神の三柱の神様とあわせ、事任八幡宮には四柱の神様が祀られています。
枕草子にも名前が記された遠江国一の宮
平安時代、清少納言は枕草子に「ことのままの明神いとたのもし」と事任八幡宮について記しました。
鎌倉時代までは「遠江国一の宮」、遠江(現在の静岡県西部地域)で最も社格の高い神社とされ、京の都まで名が知られていたようです。
なお、創建年代は不詳ですが、弥生時代後期の成務天皇の代、西暦190年頃に創立され、平安時代の807年に現在の場所に遷されたと伝えられています。
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大樹に包まれる里宮の境内
澄んだ空気と緑豊かな本殿
こちらは南口鳥居からの本殿境内の様子です。
大楠をはじめ、たくさんの緑に包まれ、境内は清らかな空気が満ちているよう。思わず深呼吸をしたくなってしまうかもしれません。
まず拝殿にご挨拶を
鳥居をくぐって手水舎で身を清めたら、石段を登って拝殿へ。
お願い事はいろいろ考えてきたのですが、いざご挨拶する時になると出てくるのは特別な言葉ではなく、いつもお願いしている「みんなの幸せと健康」。
ちょっと漠然としていて、神様を困らせてしまったでしょうか。
迫力ある大楠にさわってみよう
大きく枝を広げて本殿境内を覆うのは大楠。隣の鳥居や、石段、拝殿と見比べていただくとその大きさが伝わるでしょうか。
高さ31メートル、根回り19.3メートルと迫力がありますが、木のそばに立つと守られているような安心感を感じます。
後ろに回ると、幹に近付いて触れられるようになっていますので、ぜひ手を当ててみてくださいね。
ちょうど拝殿の屋根と同じくらいの高さにある穴が耳のようで、人々の言葉を聞いているといわれています。
ご神木「八幡宮の大杉様」
拝殿の右奥に立つのはご神木の大杉。「東の宮様」、親しみを込めて「八幡宮の大杉様」とも呼ばれているそうです。
こちらも高さ35.6メートル、根回り11.2メートルの大樹。大杉の前に祈願ろうそくを立ててお祈りすると、願い事が天に届くとされています。
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少し珍しい本宮参りのお作法
本殿から本宮山へ歩く
事任八幡宮の本殿は「里宮」、807年に神様が遷された場所です。
それ以前に神様がお祀りされていた本宮は少し離れた場所にありますので、歩いて行ってみましょう。
現在は本殿と本宮の間に道路が通っていますので、こちらの歩道橋を渡ります。
272段の石段にチャレンジ
歩道橋から階段を降り、少し歩くと本宮入り口があります。ここからは272段の石段を登っていきましょう。鳥居をくぐり、奥へと進みます。
遠い昔からことのままの神様がお祀りされるお宮
272段の石段をそれほど大変と思わず、軽い気持ちで登り始めたのですが、心拍数がかなり上がりました。
途中にある「あと○○段」の看板に励まされながら登り、ようやく鳥居が見えた時の喜びは格別です。
こちらが、遠い昔からことのままの神様がお祀りされていた本宮。かわいらしいお社が見えます。
心を込めて石を磨いて福を授かろう
少し珍しい本宮のお参り方法。
本殿の社務所にお参りの説明が掲示されています。こちらを読んでから「ふくのかみ」を1枚いただき、本宮へ向かいましょう。
本宮のお社の周りには白い石がたくさんありますので、3つ選んで「ふくのかみ」で磨きます。
1つめは神様のため、2つめはみんなのため、3つめは自分のため。心を込めて磨いたら石は元の場所に戻しましょう。きっと福を授かることができますよ。
なお「ふくのかみ」を持ってこなかった場合は、持っている布や紙を使ってもかまいません。
本宮遥拝所でもお参りできる
272段の石段を登るのはちょっと難しいと思う方には、本殿の敷地内、歩道橋の手前に本宮遥拝所がありますのでご安心ください。こちらからも本宮を拝むことができます。
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水流を守る龍神様に会いに行く
茶畑を抜けて龍神社へのんびりお散歩
本殿の裏手には、水の神様、龍神様をお祀りするお社があります。南口鳥居から境内を出て、表示に従って進みましょう。
茶畑が広がる景色を楽しみながら、のんびりと歩いていきます。
龍神様をお祀りする社
水音を聞きながら進むと、逆川のほとりにたたずむ龍神社が見えてきます。
事任八幡宮境内の水流を守る龍神様。ことのままの神様が天と地と人を結ぶ時に、天と地を行き来する龍神様が力をあらわすといわれているとのことです。
逆川の禊場
龍神社のすぐそばには禊場もあり、神聖な気持ちになります。逆川は蛇行しながら掛川市内を流れ、昔は暴れ川としてたびたび水害をもたらしてきました。
川によって「堤が欠ける」ことから「欠け川」、やがてこの地が「掛川」と呼ばれるようになったと伝えられています。
夫婦杉や御霊石、たくさんある境内の見どころ
若い木々を守るように倒れた夫婦杉
本殿境内にはまだまだ見どころがあります。こちらは根の部分で仲良く繋がっていた夫婦杉の根株。
数百年前から境内の中央に立っていましたが、残念ながら平成30年の台風で倒れてしまいました。
大きな木でしたが、周りの若い木々や鳥居などを避けるように倒れたため。他への被害はなかったとのこと。根株になっても屋根をかけてもらい、今も大切にされています。
夫婦杉の木片は、今はこちらの円満守に入れられています。また、一部はテーブルの天板に生まれ変わり、休憩所で参拝客を迎えていました。
むすびの神様に良縁祈願
こちらは種類の違う2本の木が石を抱くように立つ「むすびの神様」。カヤとアラガシの根が絡まり合いながら、石を支えています。縁結びや子授けのお願いに訪れる方も多いようですよ。
くじら山の伝説を伝える御霊石
事任八幡宮の南には「くじら山」という山がありました。
くじら山の伝説です。
竜宮の竜王が事任八幡宮で姫を見初め、2頭のくじらを使いに出します。くじら達はことのままの神様に伝言を伝えますが、神様は姫を嫁に出すことを断りました。神様との争いの後、くじら達は本宮に頭を向けて山になってしまったというお話です。
平成6年にくじら山がなくなるとき、長年の働きをねぎらって御霊を遷した石がこちらに祀られています。
願いを言葉にすることの大切さ
言霊とは「言葉に宿る不思議な力」のことですが、言葉にすることで自分の願いが具体化され、叶えるために自分がすべきことを考え、行動を変えるきっかけになるのかもしれません。
事任八幡宮の神様の前で、あなたの願いを言葉にしてみませんか?
「事任八幡宮」へのアクセス
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【住所】静岡県掛川市八坂642
【駐車場】あり、無料
【公式サイト】http://kotonomama.org
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご覧ください。





















