「八丹堂」は見学可能な線香の工場!日光杉を使用した栃木の伝統工芸品を紹介
栃木県|【更新日】2023年10月11日

日光杉並木で知られるように、日光には多くの天然杉があります。
歴史のある日光杉を生かし作られたのが、「八丹堂」の線香です。
「とちぎの伝統工芸品」に選ばれた経歴をもつ線香工場は、一般客でも気軽に見学が可能。
線香の製造過程や八丹堂の取り組みについて、ご紹介します。
目次
創業1940年、日光杉に囲まれた土地に建つ線香工場
八丹堂は1940年、日光杉に囲まれた豊かな自然のなかで誕生しました。
3代目代表取締役の飯野さんを中心に、地域のスタッフと作業をされています。
創業当初は、日光の山から杉の葉を集めて粉砕し、線香の元になる「杉粉」の製造・販売を行っていたそうです。
線香は杉の粉から作られる!製造過程を見学してみよう
線香のもととなる粉づくり
八丹堂では事前予約をすれば、工場内の見学が可能です。工場に入ると、杉のいい香りがふわっと漂い、心安らぎます。
まずは線香の原料となる杉粉を見せていただきました。杉粉に本粉と呼ばれるサラサラした粉と水をたっぷり加え、専用の機械で混ぜていきます。
線香に香りや色を付ける場合は、この段階で色素・香料を加えるんだとか。
専用の機械を使って細く長く成型
線香の元素材ができたら四角い釜の機械に入れて、圧力をかけていきます。
機械の下は穴の開いた金具プレートになっており、上から押すことでところてんのように、細い線香が出てくるそう。
金具プレートの穴の大きさによって、線香の太さを自由に変えられます。
線香の長さを設定してカット
釜から押し出されると、長い線香ができあがります。
そのままでは長くて使いづらいので、専用のカット用機械にかけて、短くしていきます。
線香の長さを調整したい場合は、この段階で行うそうです。
じっくり乾燥させて積み直し、手作業で包んでいく
乾燥ルームでしっかりと風を通す
できた線香は段ボールの板に並べて、乾燥させます。
段ボールは穴が開いているため通気性がよく、線香との相性がいいそうです。
乾燥はまる一日かけて、しっかりと行います。
太さや色の違う線香がたくさん!
室内には太さや色の違う線香がたくさん。
八丹堂では、すべて合わせると120種類ほどの線香を製造できるそうです。
既製品の他に、お客さんの要望に応じてカスタマイズできる商品も。太さや長さ、香りに色まで自由にオーダーメイドできます。
機械化できない繊細な作業
しっかり乾燥させたら、いよいよ出荷準備です。
線香はデリケートな製品なので、包む作業は機械化できないんだとか。
熟練のスタッフが見事な手さばきで、次から次へと線香を包んでいきます。
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杉やラベンダー、白檀までさまざまな香りの線香を販売
贈答用にもぴったり!箱入りの線香セット
八丹堂の線香は、香りや色も豊富です。
取材の時点では杉2種・白檀・ラベンダー・いちごの香りがありましたが、今後は新しい香りを追加していくそう。
贈答用にぴったりな、箱入りのセットも販売されています。
八丹堂の線香は、お香として外国人に人気
八丹堂の線香は、外国の方に人気があるそうです。
杉のいい香りをお香として使うことで、リラックスできるそうですよ。
外国人の需要に合わせて、線香スタンドやケース付きの商品も開発しました。
もっと香りに触れてほしいと、ワークショップを実施
好きな香りを選べる、香り袋作り体験
代表取締役の飯野さんは「もっと香りを身近に感じてほしい」と話します。
最近ではマルシェに出店し、香りのワークショップを行っているんだとか。
自分でブレンドした世界でひとつだけの香り袋が作れるとあって、大人にも子どもにも人気があります。
敷地内に直売所や体験スペースを開設予定
八丹堂では今後、敷地内に香り体験をしたり線香を購入したりできる施設を作る予定だそうです。
飯野さんの「香りの良さを多くの人に知ってほしい」という、熱い気持ちが伝わってきました。
気軽に見学できる線香の工場で、日光の伝統文化に触れる
線香の製造過程を見学できる機会は、なかなかありませんよね。
日光だからこそできる体験がしたいならば、八丹堂の工場見学は非常におすすめです。
杉の香りに癒されながら、線香ができる過程を楽しんでみてください。
八丹堂へのアクセス
- 【住所】
栃木県日光市小百2058-2
【電話】0288-21-8336
【工場見学受付】11:00~16:00 (事前予約制)
【駐車場】あり(大型バスは1台までOK)
【公式サイト】https://www.hattando.com/
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。