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温泉水と自然のコラボ!群馬県「チャツボミゴケ公園」に群生する珍しいコケ

群馬県|【更新日】2023年9月16日

温泉水と自然のコラボ!群馬県「チャツボミゴケ公園」に群生する珍しいコケ

群馬の山奥、まさに秘境のような地に強い酸性の温水が湧出する「穴地獄」と呼ばれる場所があります。

多くの生き物には過酷な環境である中、コケの一種の「チャツボミゴケ」が群生している様子を見ることができますよ。

こちらは平成27年に「芳ケ平湿地群 穴地獄」としてラムサール条約に登録され、平成29年には「六合チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」として、国の天然記念物に指定されました。

一風変わった景観を楽しめるスポットをご紹介します。

目次

受付前まで専用バスがお出迎え。湿原に繋がる公園へ

六合(くに)地域のお土産もあるスタート地点

チャツボミゴケ公園受付

狭い山道が多く大型バスでは行けない観光スポット「チャツボミゴケ公園」。

この地区は「六合(くに)」と呼ばれ、群馬県中之条の中でも山奥に位置しています。

公園入口までは受付から離れた場所にあり、専用のバスで向かいます。

受付事務所の近くにある売店では、カラフルで履き心地の良さそうな工芸品の「こんこんぞうり」や現地の食品などが見られますよ。

誰でも利用できる杖が置いてあって便利!

チャツボミゴケ公園入口

専用バスでしばらく移動すると、チャツボミゴケ群生地までの遊歩道前に到着します。

手前には誰でも自由に使える杖がとても便利!遊歩道はなだらかな坂道ですが、杖があるとぐっと楽に歩けます。

しっかりした遊歩道が続きますが、木の板で作られた階段などもあるので身軽な恰好で向かうと良いですよ。

川の色は赤く染まった「べんがら」色

チャツボミゴケ公園べんがら

遊歩道の脇を流れる川は赤茶色のような「べんがら」色をしています。

これは「褐鉄鉱(かってっこう)」という鉄鉱石の一部が見せる色で、以前にはここから運ばれて赤い色の部分は塗料の材料になっていました。

また、チャツボミゴケは数万年~数億年をかけて鉄鉱石に変わっていくのだとか!

コケがミネラルを作り出すというのはなんとも不思議です。

コケの中で最も耐酸性が強い!「チャツボミゴケ」

奥へ進むと温泉水が湧き出るポイントも!

チャツボミゴケ公園温泉水

「穴地獄」が近くなると、硫黄の匂いがしてきます。

奥までいくと、ポコポコと温水が湧き出ているポイントも間近で見れますよ。

泉質は強酸性ですが、この温水がチャツボミゴケにとっては絶好の生育環境!

コケの種類の中でも酸性に強い特異さを持っています。

「穴地獄」の名前の由来は?

チャツボミゴケ公園穴地獄近辺

以前この地では、鉄鉱石を掘るために「露天掘り」という地面から地下に向かって掘る採掘がされていました。

湧き出る酸性泉の濃度も濃く、動物がこの穴に落ちてしまうと抜け出せなくなり命を落としてしまうことも。

このことから「穴地獄」と呼ばれるようになりました。

現在では堀り崩されており、遊歩道が整備され安全に景観を楽しめるようになっていますよ。

自然現象で生まれる色合いを楽しむ散歩道

ごつごつとした大地にびっしりと生える緑の絨毯は珍しい景観!

チャツボミゴケは夏場には日焼けで枯れてしまう部分もあるので、春~初夏や秋の頃が見ごろ。

紅葉とのコラボも美しく、少し涼しい季節に訪れると良いでしょう。

穴地獄の先には、湿地群の散策ができるハイキングコースもあります。

貴重な高山動植物が見られるエリアですので、健脚の方はぜひチャレンジしてみてください。

チャツボミゴケ公園へのアクセス

  • 【住所】

    群馬県 吾妻郡 中之条町大字入山 13-3

    【入園料】 600円

    【駐車場】 あり

    【営業時間】 8:45~15:30(4月~9月) 8:45〜15:00(10月~11月)

    【定休日】 12月~4月下旬は冬季閉園
    ※年度により開園期間の変動あり

    【公式サイト】https://nakanojo-kanko.jp/kuni/spots/チャツボミゴケ公園/

ライタープロフィール

岡本香織

岡本香織

京都出身、現在は関東在住。沖縄の海と水風呂がある温泉が大好きなフォトライター。 毎月各県を旅行して47都道府県制覇! 旅先ではアクティビティから各地のクラフト体験まで幅広く楽しむスタイル。