600年以上の歴史を持つ「圓通寺」益子の文化財と四季折々の景色を楽しむ
栃木県|【更新日】2023年9月14日

豊かな自然に恵まれた益子町にある「圓通寺」は、かつて浄土宗名越派の総本山として栄えた学問寺です。
歴史ある大澤文庫を有した圓通寺には、重要文化財や四季の草花など見どころがたくさん。
益子で日常から離れて落ち着いた時間を過ごしたいときにおすすめの場所をご紹介します。
目次
かつて学問寺として栄えた、浄土宗名越派の総本山
益子町にある「圓通寺」は、1402年に浄土宗名越派第5祖良栄上人によって開山された学問寺です。
圓通寺が有していた「大澤文庫」は、足利学校や金沢文庫と並ぶ学問所として有名。
江戸時代には常時、数百から千名もの学僧が学んでいました。
圓通寺には10の重要文化財が!ゆっくり見て回ろう
「表門」は国指定重要文化財に登録
圓通寺には10の重要文化財があります。
駐車場から本殿に続く道にある「表門」は、国指定の重要文化財です。
切妻造り茅葺き屋根型銅板葺きの建造物で、見上げると重厚感があります。
大沢文庫の面影を伝える「一切経塔」
本堂横から階段を上っていくと、県指定重要文化財の「一切経塔」があります。
もともとは書庫として使われていましたが、1541年に圓通寺が火災の被害に遭った際、再興に尽力した良迦上人により、再建されたそうです。
塔の前にはお釈迦様がお亡くなりになった姿を表した「涅槃像」が安置されています。
圓通寺の歴史を感じながら、境内散策を楽しむ
訪れたらまずはここ「本堂」
圓通寺を訪れたら、まずは本堂に足を運びましょう。
参拝を済ませたら靴を脱ぎ、県指定重要文化財の「銅像阿弥陀如来像・両脇侍」や、「木造阿弥陀如来立像」を眺めます。
自然災害の復興を願い安置された、「和顔地蔵」も必見ですよ。
東日本最大!自然に溶け込む「鐘楼堂」
東日本最大の大きさを誇る「鐘楼堂」は、一切経塔よりさらに上った先にあります。
重量はなんと3750kg!荘厳な御堂のなかで、存在感を放っています。
鐘楼を優しく撞いて、その音色に癒されてみてはいかがでしょうか。
遊歩道から、自然に溶け込む様子を眺めるのもおすすめです。
願いを込めて参拝しよう「願掛け夢観音」
小さな鐘楼を見下ろすように設置された「願掛け夢観音」。
願いを込めてお祈りしたら、鐘をひと撞きしてみましょう。
向かいには馬頭観音が祀られている朱色の建造物、「観音堂」があります。
四季折々の表情が楽しめる、日本庭園や遊歩道
日が沈んだらライトアップも!紅葉の季節が美しい
春夏秋冬それぞれの季節ごとに見られる、美しい景色も見どころのひとつ。
特に紅葉の季節は見事で、モミジやイチョウなど約500本の木々が境内を彩ります。写真を撮りに多くの観光客が訪れるのだとか。
11月から12月中旬にかけては、ライトアップも実施しています。
鮮やかに色付いた葉と、歴史ある建造物とのコラボレーションは必見です。
滝が流れる日本庭園で、ゆったり過ごす
本堂の裏手には、手入れの行き届いた日本庭園があります。
奥には静かに滝が流れ、悠然とした時間が過ごせますよ。
日本庭園から伸びる散歩道を歩きながら、自然に身を委ねてみてはいかがでしょうか。
ご住職が手入れを欠かさない花手水
本堂前には、美しい花手水があります。
ご住職が定期的に花を入れ替えているので、訪れる度に違う季節の花を楽しめますよ。
ゆらゆらと水に浮かぶ花々を見ていると、不思議と心が落ち着きます。
ご住職の願い「参拝する際はマナーを守って」
圓通寺は、自然を楽しみながら遊歩道をゆっくり散策すると40分〜1時間ほどかかります。
ご住職によると、写真だけ撮っていったり、鐘楼を必要以上に撞いたりする人がいるそうです。
御朱印集めを目的で来た人が、何もせずに帰ってしまうことも。
(圓通寺では現在御朱印を扱っていません)
訪れた際はまず本堂へ参拝し、マナーを守って散策をしてほしいとのことでした。
益子の学問寺「圓通寺」で歴史を学び、花を愛でる
かつて大澤文庫を有し、多くの学僧で賑わっていた「圓通寺」。
筆者が真夏に訪れた際は、新緑のなか、百日紅が見頃を迎えていました。
春はツツジや桜、冬は椿やモクレン、そして秋は美しい紅葉など、四季折々の表情を見せてくれます。
現在も残る学問寺の歴史を感じながら、のんびりと散策してみてはいかがでしょうか。
圓通寺へのアクセス
- 【住所】
栃木県芳賀郡益子町大沢1770
【電話番号】0285-72-2724
【駐車場】あり(圓通寺東側)
【公式ホームページ】https://entsu-ji.or.jp/
※掲載時の情報です。最新の情報はサイトをご確認ください。