大涌谷の生きた火山を間近で見学!必見の「大涌谷引率入場」をレポート
箱根町|【更新日】2023年4月12日
2022年3月に7年ぶりに再開した「大涌谷自然研究路」の引率入場。
大涌谷の噴煙地帯を約40分にわたって歩きながら見学できる貴重な機会です。
火山の息吹を間近で感じられる引率入場の様子をレポートでお届けします!
目次
参加は予約制。受付を済ませ、お地蔵さん前に集合
協力金の支払いは現金不可なので要注意
引率入場の受け付けは開始の20分前までに済ませる必要があります。
受け付け場所は箱根ジオミュージアム内の「大涌谷インフォーメーションセンター」です。
ここで安全確保のための協力金500円を支払いますが、現金が使えないので要注意!
クレジットカードや交通系電子マネー、バーコード決済での支払いになります。
集合場所の目印はお地蔵さん!ヘルメットを受け取って
受付を済ませたら、大涌谷駐車場の方面にある自然研究路の入口へ。大涌谷延命地蔵尊が目印です。
ここで監視員からヘルメットを受け取って開始まで待機します。この間、延命地蔵に参拝をする方もいらっしゃいました。
参加は事前予約制。天気によっては中止のことも
引率入場はオンラインでの事前予約制で、1日4回(10時、11時30分、13時、14時30分)実施されています。
ただ、天気や風の状況で中止になることが多いので、天候の良い日に予定を組むことをおすすめします。
火山性ガスの検知が強いときも実施できないそうなので、中止になる可能性が高いことを覚悟しておいた方が良さそうです。
いざ入場!一面に広がる茶色の大地と噴煙に圧倒される
監視員の後について異世界へ!
いよいよ、監視員の後をついて大涌谷自然研究路へ!まずは口頭で安全のための注意事項を受けてから進みます。
普段は閉鎖されている柵の先へ足を踏み入れると、白い噴煙が上がる茶色く枯れた大地が広がっています。
見たことのない景色に圧倒されるとともに、むき出しの自然に力強さも感じました。
なかなか見ることができない景色なので、ぜひ目に焼き付けてほしいです。
全7つのシェルターは安全対策ばっちり
自然研究路には7つのシェルターが設置されていて、合計700人を収容できるようになっています。
噴火で飛んでくる噴石から一時的に身を守る場所で、直径30cmまでの石に耐えられる構造です。
引率入場では第2シェルターの屋上に登ることができました。天気が良い日には富士山が望めるポイントです。
富士山と金時山、ロープウェイのコラボが絶景
しばらく進むと、富士山と金時山を見渡せる絶景スポットを発見。景色が抜けていて気持ちのいい場所でした。
この時期は定期点検中でしたが、通常はロープウェイが動いている様子も一度に見渡せますよ。
手前には自衛隊の陸上自衛隊東富士演習場があり、午前中は訓練の音が聞こえてきました。春には野焼きが行われるそうです。
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自然の威力を感じる噴火や台風の爪痕も
研究員が使ったシェルターが物々しい
大涌谷では2015年に小規模な噴火が起こり、2022年3月まで自然研究路は閉鎖されていました。
写真の左下に見える建物は、噴火にあたって研究者が使っていたシェルターです。かなり錆びていて物々しさを感じました。
監視員によると、噴火後は安全確保の観点から自然研究路のルートが変更され、入れなくなったエリアもあるとのこと。
火山が生きていることを実感する話でした。
ゴツゴツとした台風の土砂崩れの跡
自然研究路を進んでいると、石や岩が散乱している場所を見つけました。
これは、関東に大きな被害をもたらした令和元年東日本台風の際の土砂崩れの跡とのことです。
かなり大きな石や岩が無数に転がっていて、もしこれが落ちてきたらと思うと背筋が凍る思いに。
自然の怖さを物語る場所でした。
ガスの影響で枯れた植物は鹿の角のよう
2015年の噴火で出た火山性ガスの影響で、大涌谷の木々は枯れてしまったそうです。
今は裸の木々が鹿の角のような形でそびえています。
最近になってようやく再生し始めたようなので、しばらくして訪れると違った光景を楽しめるかもしれませんね。
黒たまごの蒸し場を発見!撮影のおすすめ場所もあり
黒たまごが作られる温泉池を観察しよう
大涌谷名物の黒たまごが作られている場所も観察できました。
分厚い煙が上がっている80度の温泉池に卵を1時間ひたすと、温泉池の鉄分が殻に入りこみ、硫化水素と反応して黒くなります。
その後、天然の蒸気で15分蒸して完成です。
黒たまごは専用のゴンドラで直売所まで運ばれます。タイミングが良いと、作る様子や運ぶ様子を見られるかもしれませんね!
近くの玉子茶屋は営業停止中なので、引率入場後に直売所でいただきました。
勇ましい冠ヶ岳と大涌谷の写真はここで!
温泉池近くの階段下からは、勇ましい冠ヶ岳と大涌谷の看板、白く立ち込める噴煙を写真に収めることができます。
大涌谷らしい一枚を撮れるポイントです。
冠ヶ岳は約3000年前の噴火でできた山で、監視員さんがクジラの尻尾のように見えると教えてくれました。
確かに、先の尖った特徴的な形です!
マリリンモンローの唇を発見!?虫眼鏡で観察
自然研究路沿いにある岩をよく見ると、イオウゴケという赤い花が咲いていました。
監視員さんに虫眼鏡を借りて見てみると、唇のような変わった形!
マリリン・モンローの赤い唇になぞらえて「モンローリップ」という別名があると教えてもらいました。
暖かくなると、酸性土壌に強い植物をたくさん観察できるとのこと。季節を変えて訪れたくなりました。
見たことない景色に圧倒!火山の力強さを身近で感じて
大涌谷自然研究路の中は赤茶色の枯れた大地が広がっていて、見慣れない景色に圧倒されるはずです。
そんな中、白く立ち込める噴煙や災害の跡、たくましく咲く植物などを間近で見ることができ、火山の力強さや自然の生命力を感じられる経験になりました。
ぜひ、近くで大涌谷の魅力を感じてみてください。
大涌谷自然研究路へのアクセス
- 【住所】
足柄下郡箱根町仙石原
【料金】有料
【駐車場】大涌谷駐車場を利用のこと
※掲載時の情報です。最新の情報は公式サイトをご確認ください。












