空・陸・海のつながりを実感!三浦の奇跡の湿地「小網代の森」を散策
三浦市|【更新日】2023年4月6日

三浦半島の中ほどに位置する「小網代の森」。小さなせせらぎが湿地に繋がり、干潟、そして海へと繋がる自然いっぱいの森です。
小網代の森の特徴は、この土地ならではの生態系を人の手で守っているところ。
大切に育まれた奇跡の湿地を歩けば、さまざまな動植物との出会いが待っています!
今回は、豊かな自然のなかをウォーキングできる小網代の森をご紹介します。
目次
蛍も生息する豊かな湿地「小網代の森」を歩いてみよう!
関東・東海地方ではここだけ!貴重な自然が体感できる
小網代の森は神奈川県の保全地域です。40年前、大開発の予定地になりましたが、企業、行政、市民団体の工夫で「浦の川」流域全体が保全されました。
現在は県・三浦市・神奈川トラスト・NPO法人の連携で管理がすすんでいます。
保全直前には全域が乾燥した笹原でしたが、NPOの努力でホタルやトンボの賑わう湿原が創出されています。
整備された木道はゆったり広々。安全な自然観察ルート
小網代の森の散策は「引橋口」から「宮ノ前峠」まで、所要時間約1時間ほど。
整備された木道は、2人がゆったり並んで歩けるほど広く、若い方からお年寄りまで、多くの人が自然観察とウォーキングを楽しんでいます。
谷の中を小川に沿って進んでいくので、アップダウンはほぼ最初と最後だけです。ちょろちょろと流れる小川の音をBGMに、心地よい散策が楽しめます。
水のせせらぎと小鳥のさえずりが心地よいウォーキング
湿地ならではのシダ類など水生植物もたくさん!
小網代の森では、湿地ならではの多くの植物が見られる点が魅力です。
編集部が訪れた2月末は小川のせせらぎを聞きながら歩いていくと、湿性植物のガマ、アシ、オギなどがのびのびと自生している様子を見ることができました。
ほかにもモコモコの毛とくるんとした形がかわいいシダ類の新芽など、季節の訪れを告げる植物の様子もじっくり観察できましたよ。
木道沿いの斜面には春の訪れを告げるスミレも
山の陽当たりのよい斜面には、スミレの姿もありました。暖かな陽射しを浴びて、気持ちよさそうに咲く姿に、ウォーキング中の人が思わず足を止めて見入る姿も。
木々からは小鳥のさえずりが聴こえ、時折、茂みからガサガサと小型の動物が動く音が聴こえるなど、周囲は生命の気配に溢れていました。
どこまでも広がる湿原に吸い込まれる「河口大湿原」
30分ほど歩くと、「河口大湿原」と名づけられた広い湿原に到着します。背丈の高いススキに似た植物は「オギ」。
青空の下、どこまでも続く湿原の中の道は風と鳥のさえずりしか聴こえず、とても静か。まるで昔話の舞台のようなのどかな空気が流れます。
夏に蛍やトンボが見られるのもこの辺りなのだそう。
広々とした空の下「えのきテラス」でひと休み
歩き始めて40分ほどで、「えのきテラス」に到着。木製のステージのような形状の周りに、階段状のベンチがあり、足を休めることができます。
周囲はハマカンゾウの群落で、夏になると沢山の黄色い花が咲きます。小網代の森にはハチも多くおり、甘い飲料の匂いに寄ってくることも。
ジュースなどではなく、無糖のお茶やミネラルウォーターなどで水分補給を行いましょう。
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夏の間はチゴガニのダンスも見られる干潟に到着
「えのきテラス」から150mほど先は干潟になっており、夏にはチゴガニがダンスを続ける姿が見られます。
カニを食べにやって来るのはチュウシャクシギなど中型の鳥。小さな小川はこの干潟を経て海に流れ込み、豊かな海を育みます。
そして海水は雨雲となり、恵みの雨となって陸地をまた潤すのです。自然の循環を凝縮したような貴重な湿地の姿を体感できます。
約1時間で気軽に貴重な自然を体験できる「小網代の森」
首都圏からもほど近く、比較的気軽に貴重な自然と触れ合える「小網代の森」。所要時間も約1時間と短くウォーキングにぴったりです。
なお、引橋口方面にある「ベイシア」というスーパーの2階には「インフォメーションセンター」があり、イラスト入りのマップと四季折々の楽しみ方をチェックできます。
空から川へ、そして海へと続く雄大な景色の中をぜひ体感してみてくださいね。
小網代の森へのアクセス
- 【住所】
神奈川県三浦市三崎町小網代
【料金】 なし
【駐車場】 なし
【利用上の注意】
・ペット同伴禁止(動植物の持ち込み禁止)
・動植物の採取禁止
・散策路から出ないこと・ゴミは持ち帰ること
・喫煙、焚き火の禁止
・キャンプ不可
・スズメバチやマムシ、かぶれる植物に注意
・芳香剤やジュースはスズメバチをひきつけるため持ち込まない
・長袖長ズボン濡れてもよい靴、履きなれた靴を着用すること
・他の利用者や近隣住民に迷惑をかけないようマナーを守って散策する
・トイレはないので、三崎口駅または宮ノ前峠近くの仮説トイレを使用すること