日本随一の滝密集地帯!河津七滝(ななだる)巡りで自然散策を楽しむ
河津町|【更新日】2023年3月24日

河津地方では滝のことを「水が垂れる」と表し、「滝」のことを「だる」と読んでいます。
約1.5キロほどの間に大滝、出合滝、かに滝、初景滝、蛇滝、海老滝、そして釜滝の七つの滝が連続する場所が河津七滝です。
森と渓流を楽しみながら、滝めぐりができる観光名所として季節を問わず多くの人が訪れています。今回は下流から上流に向けて、滝をめぐる散策にご案内します。
目次
奇跡の地形!連続する七つの滝
天城山の雨と地形が生んだ滝
日本で最も降水量が多い場所は、実は天城山です。2021年は、全国で唯一年間降雨量が5000ミリを超えた場所として話題になりました。
その天城山に降り注いだ雨が染み出し大きな流れとなったのが河津川で、その大量の水が伊豆独特の急峻な地形を流れ、滝となって現れたのが河津七滝です。
大滝から釜滝まで1時間の清流めぐり
河津七滝での楽しみ方はなんといっても滝をめぐる散策です。滝に沿って走る踊り子歩道は整備が行き届いており楽に歩くことができます。
緑の森と清流を楽しみながら、次々と滝がアトラクションのように出てくるという、なんともぜいたくな道のりです。
珍しい滝の出合いと青く透明な滝壺
滝が合流する瞬間に立ち会える出合滝
七滝の最も下流にある大滝は、台風の影響で取材時には遊歩道が立ち入り禁止となっていました。ということで、今回は下から2番目の出合滝からめぐることにします。
踊子歩道を外れて階段を降りていくと、本谷川沿いに滝が現れます。その滝に沿って歩くと支流である荻の入川が現れます。
こちらも滝となって流れていて、この2つの滝が合流して1つの滝になっていく様をリアルタイムで楽しむことができるのが出合い滝です。
覗き込めば滝壺の底まで見えてくるかに滝
次なる滝はかに滝です。滝の周りの岩がかにの甲羅に見えることから、この名前が付けられました。全体のシルエットや厚く盛り上がった感じなど、確かに似ていますね。
高さ約2メートル、幅1メートルの小さな滝ですが澄んだ水のおかげで、覗き込むと滝壺の底まで見えてきます。
古民家カフェで小休憩
かに滝を上がったところに立派な竹林があり、そこで素敵なカフェを見つけたので立ち寄ってみました。南会津の古民家を移築したというレストランひぐらし。
建物、家具はもちろん調度品までこだわったお店は雰囲気満点。2階から見事な竹林を楽しみながら、お茶や甘味、七輪で焼いた定食などをいただくことができます。
河津七滝の顔、初景滝と見事なウロコ模様の蛇滝
太陽に輝く美しい初景滝
次に現れるのは河津七滝の顔とも言える初景滝です。3本の大きな水流が約10メートルの高さから滝壺に流れ落ちます。
河津七滝の中で唯一開けた場所にあるので、滝に日の光が差し込んで美しく輝いていました。
踊子がお出迎えの撮影スポット
初景滝周辺は広場になっており、伊豆の踊子像もあります。多くの人がここでひと休み、滝と踊子をバックに記念撮影などを行っていました。
下流から初景滝までは勾配もゆるく楽に歩いて来れましたが、ここからは急な上りが続きます。しっかり休んだところで出発です。
上から見れば確かに見える蛇のウロコ
やや険しくなってきた遊歩道を進むと蛇滝が現れます。滝の模様が蛇のウロコに似ているからと名付けられたそうですが、蛇滝を上から見ると確かにそっくり。
曲がりくねる流れと相まって、本当に大蛇のように見えてきます。
吊り橋越しに楽しむ海老滝・怒涛の落差の釜滝
海老の尻尾に見える?太く短い海老滝
蛇滝からはやや急な道が続き、吊り橋を渡ったところに現れるのが海老滝です。
滝の岩面が海老の尻尾に似ているから、ということですが蛇滝に比べると例えが苦しいかもしれません。しかし、太い水流がズドンと短く落ちる様は見ていてスカッとします。
ちなみに踊子歩道はこの辺りからさらに険しさを増し、長い吊り橋があったり、滝壺に巨木が倒れ込んでいたりと伊豆の野生を感じる道になっていきます。
山中に現れる巨大な釜滝
海老滝から歩くこと10分、突然巨大な姿を表すのが釜滝です。22メートルの高さから圧倒的な水量で流れ落ち、見るだけでなく音や振動まで伝わってくる迫力の滝です。
自然が生み出した圧倒的空間
釜滝はその名の通り、滝周辺が大きな釜のようになっています。
巨岩、奇岩に取り囲まれた空間は圧倒的な迫力で、道のりは大変だったが来てよかったと思える場所です。
ちなみに釜滝からさらに上流へ上がると猿田渕という美しい渓流がありますが、200段オーバーの長い階段があるので、向かう場合は心と体の準備を整えていきましょう。
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滝だけでなくすべてが美しい自然散策
河津七滝は約1.5キロという短い距離に滝が連続しているので、すべてを歩いて回ることができます。
滝はもちろんですが、その合間の清流や名もなき滝も見事な美しさで道中も飽きることなく楽しめます。
自然の中を歩くのが好きな方には、ぜひ訪ねていただきたい場所です。
河津七滝へのアクセス
- 【住所】
静岡県賀茂郡河津町梨本
【駐車場】無料
※掲載時の情報です。最新の情報は河津町ホームページ等をご確認ください。